Q転生ヒロインだからって、攻略対象を攻略しないとダメですか?
「小学二年生の春、四月二十三日。
お母さんが結婚する。お父さんになる人のとこには男の子がいるみたい。明日、お父さんとその子に会う。
楽しみだなぁ。
小学二年生の春、四月二十四日。
お母さんと一緒に、二人に会った。お父さんは優しい人で、男の子はかっこよかった。男の子は私を見ると「こんなブスが妹なんてやだ」と言った。
私はこの時、義兄を嫌いになった。
そこからは両親のいちゃつきと私が仲良くなろうと頑張ること、義兄を嫌いなことしか書いていない」
小学二年生の春と書かれた日記を閉じる。
次に小学二年生の梅雨と書かれた日記を開く。
「小学二年生の梅雨、六月六日。
お隣さんが来た。私と同い年の子供がいるんだって。仲良くなりたいな。
小学二年生の梅雨、六月七日。
お隣さんが挨拶しに来た。子供は男の子だった。でも仲良ししたいから私もこんにちはって言ったら、「地味な奴」と言われた。
この男の子も嫌いになった。
以下、嫌いな奴を一切省いた日記」
日記帳を仕舞う。
目の前にいる女子生徒に微笑む。
「さて、私が前世を思い出したのは中学校に入学した時。その時にはもう、イケメンに興味が無くなってたの」
女子生徒がぽかんとしてる。
それを見逃さずに言う。
「貴女は悪役に転生した。私はヒロインに転生した。けれど私は動かず、貴女が動いた。
それはこれが理由。だから貴女が逆ハーをしようが、気にしないの。
愚兄も幼なじみも持ってって構わないわ。むしろ、あんなのを好くことが出来る貴女に感謝!」
私の顔は、ひねくれた笑みを浮かべた。
主人公
ヒロインで転生者。
義兄と幼なじみの初対面での言葉に傷つき、二人を嫌いになる。
それに連鎖してイケメンに興味がなくなる。
幼なじみと転生悪役と同じクラスだが、眼中にない。
同じクラスのモブ(フツメン、風紀委員、優しい上に男前な性格)に惚れていて、どう仲良くなろうか悩んでいる。
昔は平凡だったが、今は美少女。
悪役
転生者。
この世界が前世で知ってる乙女ゲーだったため、ヒロインである主人公より先に攻略対象に接触する。
しかし主人公がまったく動かないので不審に思い、呼び出したところまさかの事実を聞かされる。
義兄
主人公に嫌われてる。
妹が出来る嬉しさや照れを隠すための言葉だったが、チョイスを間違えた。
嫌われてることに気づいていて、仲良くなろうとするが言葉や行動がそうならないために更に嫌われるという悪循環。
いずれヤンデレになりそう。
幼なじみ
主人公に嫌われてる。
何故、嫌われてるのか分からずにつきまとう。
今は悪役にベタボレ。
天然らしい。