NO.4 七川冷 著 幽霊 『お化けと指切り』
「幽霊『お化けと指切り』」
正義感の強い(?)りか子は夜中に両親が寝静まった隙にそおっと家を出て森へ行った。
森に行ったのは、昔お母さんが「夜の森はお化けが出てくる」と言う言葉を思い出し、お化け達にみんなを驚かせるのをやめてもらうようにお願いする為だ。
りか子は、森に着いた。昼間とは違う景色に脅えながら彼女なりの勇気を振り絞ってお化け探しを始めた。
そんな事をつゆ知らず、お化け達はと言うと・・・
*「本日、OO家に放火した犯人が捕まりました・・・」
雷を起こすので有名な雷じじぃの雷を使ってテレビのニュースを見ていた。
化A「怖いわ~、でもようやく捕まってくれて安心だわ~」
化B「てか、何故悪事をはたらいてでも有名になろうとするのかマジ不明だし~」
雷「人間は理由があれば強盗や殺人、そして放火などと好きにやってもいいと勘違いしておるかもしれん」
と、男女のお化け達と雷じじぃが話し合うと草むらから音がしたかと思うとひょっこりと出てきた。
出てきたのは、・・お化け探しをしていたりか子である。
りか子は2匹のお化けと雷じじぃを、女子のお化けはりか子をみるなり悲鳴をあげて木にしがみついて互いを涙目で見つめ合った。
雷「これこれ見意味に互いを怖がるな。・・ところで、お嬢ちゃんは何しにここに来たのかな?」
雷じじぃの質問にりか子は木にしがみついたまま「驚かせるのをやめるようにお願いしに来た。」と言った。
すると、男子のお化けはその言葉に乱暴な口調でこう言った。
化B「無理だぜ。人間が悪い事をしているのにお化けが驚かせるのをやめる訳ねぇだろ!!」
りか子は、その言葉に泣き出した。
雷じじぃは泣きやませるために頭を絞ってこう言った。
雷「なら、お嬢ちゃんが人間が悪い事をするのをやめてくれたらやめよう。ほれ、指切り」
雷じじぃとりか子は指切りをした。
あれから16年後、りか子は市民の安全を守る警察官になっていた。
昔の約束・・・いや、条件をなかなか果たせないけど努力していた。
果たして織部家が驚かせに来るのをやめてくれる日が来るのだろうか
〈完〉