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自作小説倶楽部 第3冊/2011年下半期(第13-18集)  作者: 自作小説倶楽部
第16集(2011年10月)/テーマ「ハロウィン」&「喫茶店」
23/42

NO.4 シェル著 喫茶店『夕轟』

蚊に刺された。

今日より後なら良かったのに。

 

吹き出物ができてしまった。

今日より後なら良かったのに。

 

雨で はねた泥が 

ほんの少しこの日の為に選んだスカートの裾についてしまった。

今日より後なら良かったのに。

 

ばかばかしくて ひとには言えない。

 

蚊に刺されたあとも 吹き出物も スカートについた泥も

ちょっとだけ 悲しく思えてしまう。

少女みたいに。

 

初めて待ち合わせした喫茶店で 胸ときめかせて待っていたあの頃。    

 

何処にいても 恋の歌が私の心に響いていた。

そんな恋もあったと 振り返る時が来るなんて思いもしなかった。

 

時を経て、同じ喫茶店で

深い珈琲の香りと 

店内に流れる リストの「ため息」にしばし身を委ねる。

それらはそっと優しく 

私の隣に座っていてくれているように温めた。

 

(また誰かに胸焦がす日が来るかしら)

そう思える静かで切ない時間、 

私はひとり 少しだけ微笑んだ。

  

   

 

『 リスト作曲 : ため息 』

http://www.youtube.com/watch?v=ix5tV2N8d5Y

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