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自作小説倶楽部 第3冊/2011年下半期(第13-18集)  作者: 自作小説倶楽部
第16集(2011年10月)/テーマ「ハロウィン」&「喫茶店」
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NO.2 奄美剣星著 喫茶店『ラウンジ』

東京・苫小牧航路を結ぶフェリー、サンフラワー号で船員アルバイトをしていたことがある。船内にはレストランがあり給仕をしていた。蝶ネクタイにシャツが制服だ。


ある日、ラウンジが貸切になった。外国人留学生の子息令嬢たちによるクルージングパーティー。非番だ。年長の先輩船員が、


「一人二人紛れ込んだって判りはしないよ。覗いておいで――」


というので、船室でカジュアルの私服に着替えた。カウンターに座り、恰好をつけてカクテルを注文し、隣にいた白いドレスのご令嬢に贈る。店長は例の先輩で片目をつぶってはにかんでみせた。



"Good evening. From?"

"From Hong Kong"

"I go outside and the moon is beautiful"

"Well, go wonder. I drank from the Pink Lady"



「こんばんは。どちらから?」


「香港からです」


「外に出ると月が綺麗ですよ」


「じゃあ、行こうかしら。ピンクレディーを飲んでからね」



夏の潮風は湿ってはいるのだが気晴らしになった。デッキにはまばらに人がいた。船が波を切る音とエンジン音がしていた。満月が、長い睫毛をしたその横顔映し出す。当時の香港は英領だ。多くの富豪が住んでおり、そこのお嬢さんとのこと。


ラウンジに戻り、彼女に、ダージリンをおごってから、そのまま別れた。何のことはない出会いと分かれだ。船員室に戻り、二段ベッドの上にもぐって、眠りにつく間だけ、続きを想像してみることにした。




(稿了)



※フィクションか否か。口にすると野暮だったりして。(爆)


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