NO.1 七川冷 著 『メフィーのハロウィン』
静かな草むらにメフィーと名乗る変装した旅人がいました。何か目立つ事をやりとげて有名になりたいと言う訳で、旅をして町に行っては悪戯していました。なので、10万円の賞金首として警察に捕まらないように変装しているのです。ふと、メフィーは足を止めて看板に書かれている村の名前を見てにやりと笑って言いました。
「パプキーヌ村か。よし、今日はこの村で悪戯しようか。」
いざ、メフィーはパプキーヌ村へ向かうと村民達はなにやら祭りの用意をしていました。
辺りを見渡すと、大量の色々なお菓子やオレンジの南瓜をくりぬいて作ったちょうちんがたくさんの家に置かれていました。
不思議に思ったメフィーは、暇そうな村民を捕まえて今日は何の祭りの日かと尋ねました。
すると、その村民は笑っておおまかな説明をしてくれました。
「ハロウィンと言って、今夜6時から行われる祭りだよ。一番多くお菓子を持つかいちゃもんを付けたり盗みや暴力や恐喝以外の悪戯したら商品が貰えるよ。」
一番多く悪戯したら商品が貰えると聞いて、もはや悪戯するのが生きがいメフィーには魅力的な祭りだと思ったようです。メフィーは善良な人のように丁寧にお礼を言うと、店で布と袋を買って腕をふるって衣装を作りました。
夜6時になって、広場で前回のハロウィンの優勝者からルールの確認とあいさつが終わると参加者は一斉に近くの家へお菓子を貰いに向かいました。メフィーだけはわざわざ遠くの家へ悪戯しに向かいました。
村のシンボルである大きな時計塔がハロウィンの終了を告げると参加者は広場に戻ってきて係の人に袋を渡しました。係の人が行う厳重な審査が終わると、メフィーと選ばれた村民は商品を取りに村長の家へ行きました。
お菓子の多さで選ばれた村民はパプキーヌ村の店ならどこでも使える商品券を17枚もくれましたが悪戯の多さで選ばれたメフィーはなぜか目隠しされ村長の指示に導くまま歩きました。目隠しを外されるとそれは大きな牢屋に入れられていました。
「何の真似だ!ここから出せ!!」
メフィーは騙した村長とその側にいた警察官に怒鳴ると村長と警察官は言いました。
「君の事は、隣村の村長さんから聞いた。だから今年だけ村一番の悪戯っ子に牢屋に入れるという賞品を与えるとの情報をハロウィンについて尋ねる人に教えなさいと村民達に指示しておいたのだ。」
「防犯カメラに映るお前の姿は隣村の村長さんの報告通りに悪戯の手口をするものだから捕まえられた訳だ。」
「ちくしょう!」
やれやれ、メフィーは村長の策略にひっかかってしばらく牢屋で生活する羽目になりましたとさ。




