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第23話 連続下着泥棒を捕まえろ!

ご無沙汰しております、TRです。

第2週目の小説になります。

今回もあれな話になっておりますが、どうぞ!

「いつつ……」

「起きたか」


目を覚ますと、そこは薄暗い場所であった。

辺りを見回して、そこが体育館倉庫だということが分かった。

そして、そんな僕を見下している人物が一人。

「突然襲うとは………死にたいのか?」

僕は首を抑えながら、その人物にドスの入った声で告げながら立ち上がった。

ようやく意識がクリアとなり、それと同時に薄暗いと思われた場所は周りの物が認識できるほど明るくなった。

これも魔族が保有する”眼”の恩益だが、関係ないので説明は省こう。

目の前にいる、僕を襲った下手人は黒色の髪を腰まで伸ばしている女子生徒だった。

一瞬、男とも思ったがそうでないことは彼女を見てすぐに分かった。

その女子生徒は無言で僕に銃を突きつけた。


「おいおい………僕はお前には何もケンかは売ってないぞ? ったく野蛮な姫様だこと」

「………なぜそれを知っている?」


僕の言葉を聞いた彼女は息をのむと、額に銃口を押し付けて問いただしてきた。


「まだ僕の問いに答えてない。答えるのはそれからだ」

「………お前が俺の下着を盗んだからだッ!」

「……………はい?」


彼女から返ってきた理由は、僕の予想をはるかに上回るものであった。

僕としては毎朝している魔法の練習の際に巻き込まれてけがをしたからとかを想定していたので、これはあまりにも予想外すぎる。

当然だが、僕は下着泥棒などではない。


「それは誤解だ。僕はお前が住んでいる場所も知らなければ、下着泥棒をするような変態でもない」

「嘘をつくなッ! お前が昨日の夜に走って逃げて行く所を、俺はこの目で見てんだッ!!」

「走って?」


僕は彼女の言葉から、昨日の事を思い起こした。











――前日――


「ったく、あの野郎こんなところに僕を呼び出しやがって」


僕は学園内のある場所に呼び出されたので来ていた。

ある調べ物をしていたので、服装は魔法服のままだ。

辺りは夜の為すっかり暗くなっていた。

そして呼び出されるときに指定された場所には、呼び出した奴の姿はなかった。

だからこそ、僕のイライラも最高潮にたまっていた。


【兄さん、聞こえる?】

【久美っ!! 貴様今どこにいるッ!!!】


久美から念話が届いた僕は、思いっきり怒鳴り返した。


【う、うるさいよ………今拠点地】

【拠点地だぁ? 貴様、この僕をこんな場所に呼び出して拠点地でのんびりしてるとは、随分いい度胸してるな?】


久美の答えに、僕はついにブチキレた。

どうでもいいが、今日は疲れて一秒でも早く休みたい気分だったのだ。

それが久美の呼び出しのせいで叶わないためイライラしていたのが、自分は拠点地でのんびりしていたという事実を知った今、沸点を超えたのだ。


【いや、のんびりしているって言ってないけど?】

【黙れ。今から悶絶超絶地獄行きだ。逃げずに待ってろよ? 逃げずに】


久美にそう告げて、僕はその場を駆けだしたのであった。











――現在――。


「あれは馬鹿野郎に呼び出されていただけだ。逃げたのは、呼び出した馬鹿を懲らしめるためだ」

「嘘をつくなッ!」


僕の説明に、彼女は大声で否定した。


「嘘だというのなら、その日の夕方から僕が走り去るまでの映像を見てみろ」


僕はため息をつきながらそう言うと彼女の横に立って右手を上げて前方で広げるような動作をする。

次の瞬間、前方にやや大きめなモニターが現れた。

それに横に立つ彼女は息をのむが、それを気にせず僕は先日の夕方からの映像記録を再生する。


「…………」


彼女は、その映像を食い入るように見る。

そして、すべての映像を再生し終えた時、女子生徒は「ふぅ」とため息を漏らした。


「見た限りでは、下着は盗んでいないようだな。まあ、偽造してなければだが」

「偽造何て出来る訳がない。この種の映像は偽造がしにくくなるようにされているから」


彼女の感想に、僕は反論する。


「まあ、仮にお前が下着を盗んでいないと仮定して、何をしてるんだ? あの映像からお前が何かを調べているようにも感じたが」

「それを説明する前に場所を移さないか? こんな場所にいつまでもいたくないから」

「………分かった。付いて来い」


僕の提案に、彼女は少しの間考え込むと呑んでくれたのかそう告げると、ゆっくりと歩き出した。

僕は彼女の後をついて行く。

ちなみに今の時間は完全に昼間だ。

そして通常通りに授業が行われている。

つまりはサボりということになる。

道中、こちらを時々振り返ることから逃げないように警戒しているようだ。

逃げてみようかとも思ったが、これ以上話がややこしくなるのはめんどくさいので素直について行くことにした。

そして僕たちが訪れたのは屋上であった。


「それでは、離してもらおうか」

「その前に自己紹介だ。いつまでもお前呼ばわりはあれだからな。僕の名前は高月。高月 浩介だ」

「………剣坂、剣坂 杏子だ」


僕の提案に剣坂は、渋々といった様子で名前を名乗った。


「それじゃ話そう。すべての始まりは確か四日前のことだ」


そして、僕は調べていたことを話すのであった。











――四日前――


その始まりは昼休みに昼食を食べ終え、教室へと戻ろうとした時だった。


「静香ちゃんも盗まれたの?」

「うん。そうなんだ」


不意に教室の方から聞こえてきた並みならぬ単語に、僕は足を止めてその教室の方を見た。

プレートには『Ⅰ-D』と明記されていた。

そこは久美の教室でもあった。

声の主を特定しようとした結果、すぐに判明した。

少しだけドアの近くにいた金髪ので黒のカチューシャをしている女子生徒と茶髪ポニーテールの髪形の女子生徒の二人だった。


「でも最近多いよね。下着泥棒」

「このクラスの子はほとんど盗まれているようだし」


そこまで聞いた僕は、怪しまれるとあれなのでその場を後にする。


(下着泥棒か。なんと下劣な野郎なんだ)


そして聞いた話から僕は、その人物に対して不快感をあらわにしていた。


(よし、この僕が下着泥棒を捕まえてこの世の地獄を味あわせてくれよう)


こうして、僕の下着泥棒の調査を始めたのであった。

調査方法としては聞き込み調査だ。

だが、男である僕が女子生徒に下着関連の事を尋ねるのは非常に問題だ。

そのため、完全(パーフェクト)複製コピーんの能力を使い、女子の姿に変装することにした。










――前日――


「すみません」

「はい、なんですか?」


放課後、いつものように情報を集めていた僕が声をかけたのは、久美のクラスの教室で話をしていた金髪のロングで黒のカチューシャをしている女子生徒だった。


「下着泥棒について話をお聞かせ願いますか?」

「えっと………」


目の前の女子生徒が戸惑った表情を浮かべる。

その原因が名前が分からないからだと分かった。


「失礼しました。私高校三年D組の大森 瑠奈と申します」

「あ、私は瞬刀 佐奈と言います」


僕の自己紹介に、目の前の女子生徒……瞬刀が名前を告げた。

ちなみに”大森”というのは、僕たちが任務で別世界に行った際の偽名だ。

高月という名は、ある意味有名で対象者に警戒されて任務が失敗することがあるための処置だ。

今回は、そう言った可能性がない世界のため、偽名は使用せず本名で行っている。


「実は私、この間下着を盗まれてしまいまして、この手で犯人を捕まえたいのです。どんな些細な事でも構いません。教えて貰えませんか?」

「私もこの間盗まれたんです。でも、ちょっと不思議に思っていたんです」

「不思議? それはどういう事ですか?」


瞬刀の言葉に疑問を持った僕は、詳しく聞くことにした。


「はい。それが私下着は外に干していないんです。ちゃんと中にしまって鍵もかけていたはずなのに、気づいたら無くなってたんです。まるで魔法みたいに」

「………魔法」


彼女から出たその単語に、僕は嫌な予感がした。

一人だけ。

そう一人だけ、そういう事をする人物に心当たりがあった。


「聞いてください大森さん。あの下着は―――――」


それから語られるは愚痴のようなものだった。

ところどころ『兄さんの為に』やら『勝負下着だったのに』やらの単語が聞こえてきたが、気のせいだろう。


(有力な情報を聞かせて貰ったのはありがたいが、鬱陶しい)


この姿(女装)をしていることすらもストレスなのに、これ以上ストレスを増やすわけにはいかない。


「うっ!?」


そう判断した僕は、瞬刀を手刀で気絶させることで黙らせた。


「全く、長話は身を滅ぼしますよ?」


僕は彼女にそう告げると、魔法を使って彼女のクラスの教室に転移させた。

そして、誰もいないことを確認してパーフェクトコピーを解除するのであった。


「ん? 電話か」


突然あり響く電話の着信音に、僕は携帯を取り出して発信者を見る。


「久美からか。何の用だろう?」

『もしもし、兄さん?』


電話に出ると、久美の声がした。


「どうしたんだ?」

『ちょっと、重要な話があるから、これからいう場所による来てくれないかな?』

「別にかまわないが」


久美の要件に、僕は何だろうと思いながら場所を聞くと電話を切った。


「………とりあえず行ってみるか」


僕はその場所へと向かうのであった。












―現在―


「――――これがすべてだ」

「なるほど」


僕の話を聞き終えた剣坂は納得した風に頷いた。


「因みに聞きたいんだが、僕の意識はどうやって奪ったんだ? 何課手刀をされたような痛みがあるんだが」

「これだ」


そう言って取り出したのは、一丁の銃だった。


「ゴム弾を付けて撃った」

「殺す気かッ! というかよく生きてたな僕は」


自分の体が頑丈であることが、今だけありがたかった。


「それで、犯人は分かったのか?」

「それを確かめるために、今から呼び出すんだ」


剣坂の問いかけに答える僕の言葉に、首を傾げるがそれをしり目に僕はある人物に念話で屋上に来るように呼びかけた。

それから数分して、その人物が現れた。


「どうしたの兄さん?」


その人物は僕の妹の久美だ。


「こいつは誰だ?」

「こいつぅ? あなた人の呼び方には気を付けなさい。大体あんた兄さんとどういう関係? 兄さんと付き合うだなんて百万ね――――ムぐぅッ!?」


剣坂の問いかけに、久美が過剰に反応して喧嘩口調で言い返すが、話がややこしくなりそうなので久美の口を押さえて黙らせた。


「こいつは僕の妹の久美だ」

「ぷはぁ~ッ! もう、酷いよ」


とりあえず名前は言ったので、久美の口から手を離すと抗議の声を上げるがそれを無視して話を進めた。


「最近頻発している下着窃盗事件。犯人はお前だな? 久美」

「何を言ってるの? 女の私が同姓の下着を盗んで何の得があるって言うのよ」


僕の言葉に、久美が答えるが早速大きな過ちを犯した。


「おかしいな。僕は盗まれた下着はすべて女子の物とは言ってないぞ?」

「下着泥棒とくれば女性が被害者でしょ? そう思ったからいったの」

「先入観は禁物だぞ。久美」


久美の切り返しに、とりあえず注意はしておいた。

先入観は時として真実を見失わせることがある。


「ちなみに、証拠ならここにある」

「………」


僕の言葉に、久美の視線が泳いだ。

ということはいつもの場所にあるということだ。


「はぁ!」

「あぁッ!?」


右手にある杖状のクリエイトで久美の上空の空間をつつくと、空間に黒い穴が開きそこから色々な物が落ちてきた。


「やはり、お前の保有空間に隠してあったか」


保有空間。

それは僕たちが持つ物をしまったりするための場所だ。

大きさ等は人によるが、時間が止まったりするため食べ物は腐ることはない。

しかも保有者が死なない限り空間は消えないので、緊急時の避難場所にも使えるのだ。

そんな保有空間から出てきたのは数え切れない下着、下着、下着、下着。


「これは、俺の下着ッ!!」


その中から自分の下着を見つけたのか、剣坂は顔を赤くしながらその下着を手にすると早業で隠した。

命が欲しかったので、僕は下着の山からは目をそらした。


「どうして私だって?」

「中にあるものを盗ったからだ。そんな芸当が出来るのは、窃盗の名人の久美以外にいないからな。で、どうしてやった?」

「それは、兄さんを誘惑す――――ワキャ!?」


久美のものすごく危険な答えを遮ったのは、剣坂の手にある銃だった。

しかも見事な事に足元を狙っている。


「貴様、そんな理由で俺の下着を盗むなぁッ!!」

「キャッ!? ちょっと、それ本物の銃じゃないッ!! 兄さん止めてよ!」

「剣坂」


ついに怒りの頂点に達したのか、銃を乱射しまくる剣坂を止めるように久美が言うが、僕はこの屋上自体に結界を張り誰もこれ内容にしながら剣坂に声をかけた。


「何だッ!」

「僕も参加していいか? 何だかもう我慢できないから」

「え、兄さん?」


銃撃を止めた剣坂に、僕はそう申し出た。

それを聞いた久美は、顔をひきつらせた。


「勿論だ」

「死なない程度に叩き潰してくれるッ!!」


僕は右手にものすごい大きさのハンマーを具現化させた。


「に、兄さん!? それ本当に死んじゃうからっ!」

「「成敗!!」」

「いにゃああああああッ!!!」


その日、屋上で久美の悲鳴が響き渡った。






こうして、連続下着泥棒事件は無事幕を閉じた。

もっとも、久美の盗んだ下着をどうやって持ち主に戻すのかという問題が出てきてしまったが。

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