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永遠の誓い  作者: はいり
2/4

2.待ち遠しい時間

朝…


オーディアナの前には腕を組み、もの凄い形相の父が立っていた。


「もう一度聞く、昨日は一体どこにいた。」


それに対してオーディアナは、動揺することなく答える。

むしろ、側にいる侍女のほうがびくびくしている。


ランコート公爵は娘の答えに無言のままのかわりに、

さらに眉間にシワをよせた。

それをみてオーディアナは、


「父様は私が広間にいなかったとおっしゃりたいのでしょう?えぇ、広間にはいませんでした。」


と挑発的に言った。

ランコート公爵は


「なぜ抜け出した!広間にいろと言ったではないか!今度こんな勝手をしてみろ!常に監視することになるぞ!」


と怒鳴った。

さすがにオーディアナもまずいと思ったのか、


「申し訳ありません。ただ馴れない場所でしたし、ダンスのせいで暑くなってしまったから風に当たろうと思ったんです。」

と言い訳をした。



それでも父の怒りが収まらないのを見て、

今夜の許可どころか、

話をしただけで部屋に軟禁されそうだと思った。


―ちょっとやりすぎたか…まずい。どうしようかな、―


父のお説教を聞き流しながら、必死に頭を働かせる。


そして、ほんの一瞬オーディアナはニヤリてし、

次の瞬間…


ばったーん!!!!


と気を失った。

ランコート公爵はもちろん、

侍女や公爵の秘書やら

部屋にいた全員がその場に固まった。


侍女たちははっとして、すぐにオーディアナに駆け寄り、

お嬢様!

と声をかけた。


すると、

ぅーん…

と唸りながら、

オーディアナはゆっくりと体を起こした。


ランコート公爵はやっと目の前ね状況を理解し、


「オーディアナ!どうしたんだ!?

おい!医者をよべ!」


と叫んだ。


公爵の秘書はすぐに部屋からでていこうとしたが、

それを止めたのはオーディアナだった。


「待って!平気ですから。」


と言って、ゆっくり立ち上がる。

侍女は心配そうにオーディアナを支える。

ランコート公爵は珍しく狼狽し、


「しかし、お前が倒れるなんて大丈夫とは言えないだろう。」

と言う。

オーディアナは父に


「疲れただけです。

でも今日は出席できそうもありません…

今日は休ませて下さい。明日はきちんと出ますから。」

と告げた。

ランコート公爵は、

風邪などひいたことのない娘が倒れるなど、

余程のことだと思い、

あっさり許可した。


「ありがとうございます。

では私は部屋で寝てます。」


とオーディアナは言って、

寝室へ向かったとき、

ランコート公爵はいきなり思い出したかのように、

オーディアナを呼び止めた。


「そうだ、オーディアナ。」


はい?

と返事をすると、

ランコート公爵は


「お前は昨日レイラント公爵の息子て踊ったそうだな?」


オーディアナは思い出しながら

「レイラント…コルアートとかいうかたでしたっけ?」


と言った。


「あぁ、それで…どうだった?」


オーディアナは?マークいっぱいに聞き返した。


「どうだった?ってなにがですか?」


「紳士的だったとか、優しかったとかいろいろあるだろう?」

オーディアナは少し悩んで、


「べつに…特別どうってことは。昨日は他の方とも踊りましたし、普通でしたよ。」


と答えた。

ランコート公爵は少し黙った後、


「そうか、それから良い。」


と言って、部屋をでて行った。

「…………」


オーディアナはベットの中にいる。


―まさかあんなにうまく騙せるとは…―


オーディアナは天蓋を見ながら、幼い頃のことを思い出していた。



オーディアナは幼い頃から父に様々な教育を受けさせられていた。

その中にはもちろん礼儀作法も含まれていた。

言葉遣いや振る舞い、テーブルマナーはもちろんなのだか、

なぜだか気絶の仕方を習った。なぜそんなことしなきゃならないのかわからないオーディアナは、

無言のまま先生をみつめ続けたのを覚えている。

そんなオーディアナを見て、

先生は


「男性にか弱く、華麗に見せることは大切なことです。」


と説明した。


オーディアナは、

パーティーで時々誰かがいきなり倒れるのはそういうことかと納得した覚えがある。


だんだん大きくなるにつれ、

オーディアナは剣や乗馬なども習い始めた。父はあまり乗り気ではなかったが、

公爵家の令嬢ともなればいつ命を狙われてもおかしくはない。それを考慮し、ランコート公爵も娘が剣を習うのを反対しなかった。


もともと内気とは程遠いなオーディアナは、

そとで剣をふることが楽しく、次回さえあれば剣を持つようになった。

そのかいあり、オーディアナの剣の腕はかなりのものになった。



―剣の練習がしたいな。―


天蓋を見つめながら思う。

時間は10時を回ったころ。

約束の時間まではまだある。

それまでに準備をしなければ行けない。

剣の練習などしてる暇はないし、ここでへんなことをして父を怒らせたら大変だと思い、オーディアナはまずどう行動するかを考え始めた。



―とりあえず、部屋には誰も入れないようにして、父様が広間に行ったらこっそり抜けるしかないか。―


とこれからの予定を考えていると、寝室をノックする音がした。


「何ですか?」


と聞くと、侍女が


「フィークス嬢たちがお見舞いにいらっしゃいましたが…」


と言った。


オーディアナが部屋をでると

フィークスと、昨日話した令嬢たちがソファーに腰掛けていた。


オーディアナの泊まっている部屋はとても広く、

廊下から入ると居間のような部屋があり、

その奥がオーディアナが使っている寝室になっている。


オーディアナをみると、

フィークスが


「オーディアナ、あなた大丈夫?」


と聞いてきた。


「こんな格好でごめんなさい。大丈夫よ、ありがとう。」


と答えると、

令嬢たちも口々に

お大事にして下さい

とか言った。



それからお昼過ぎまで、何度かお見舞いにやって来る人たちの相手をした。


話ってすぐ広まるもんだな。

などと思っていると、

また誰かがやって来た。


―これじゃあ逆に休めないじゃないか。―


と思いながら見舞い客を迎えると、

それは昨日最初に踊った、御令嬢たちにやたら人気だったコルアートだった。


「コルアート様、わざわざありがとうございます。」


と丁寧にお礼を述べると、

コルアートは


「お元気そうでよかった。

オーディアナ嬢が寝込んでいると聞いて、心配で心配で。」


と言った。


たいした話しもせず、

では明日お会いしましょう

などと挨拶をし、コルアートは部屋から去った。


オーディアナは侍女を呼び、

もう休むから誰も寝室に入れないようにと伝えた。

そしていよいよオーディアナは準備を始めた。



オーディアナはクローゼットをあさっていた。


今日着る予定だったドレスを取り出し、

ベットの横にある木製の椅子にかけた。

それからバルコニーへ出て、

下までどのくらいの距離があるかを確かめる。

オーディアナが泊まっている部屋は2階。オーディアナはまずどう行動するかを考え始めた。



―とりあえず、部屋には誰も入れないようにして、父様が広間に行ったらこっそり抜けるしかないか。―


とこれからの予定を考えていると、寝室をノックする音がした。


「何ですか?」


と聞くと、侍女が


「フィークス嬢たちがお見舞いにいらっしゃいましたが…」


と言った。


オーディアナが部屋をでると

フィークスと、昨日話した令嬢たちがソファーに腰掛けていた。


オーディアナの泊まっている部屋はとても広く、

廊下から入ると居間のような部屋があり、

その奥がオーディアナが使っている寝室になっている。


オーディアナをみると、

フィークスが


「オーディアナ、あなた大丈夫?」


と聞いてきた。


「こんな格好でごめんなさい。大丈夫よ、ありがとう。」


と答えると、

令嬢たちも口々に

お大事にして下さい

とか言った。



それからお昼過ぎまで、何度かお見舞いにやって来る人たちの相手をした。


話ってすぐ広まるもんだな。

などと思っていると、

また誰かがやって来た。


―これじゃあ逆に休めないじゃないか。―


と思いながら見舞い客を迎えると、

それは昨日最初に踊った、御令嬢たちにやたら人気だったコルアートだった。


「コルアート様、わざわざありがとうございます。」


と丁寧にお礼を述べると、

コルアートは


「お元気そうでよかった。

オーディアナ嬢が寝込んでいると聞いて、心配で心配で。」


と言った。


たいした話しもせず、

では明日お会いしましょう

などと挨拶をし、コルアートは部屋から去った。


オーディアナは侍女を呼び、

もう休むから誰も寝室に入れないようにと伝えた。

そしていよいよオーディアナは準備を始めた。



オーディアナはクローゼットをあさっていた。


今日着る予定だったドレスを取り出し、

ベットの横にある木製の椅子にかけた。

それからバルコニーへ出て、

下までどのくらいの距離があるかを確かめる。

オーディアナが泊まっている部屋は2階。飛び降りるのはさすがに無理だと思い、

回りをみると高い木がめに映った。

といっても、その木はオーディアナが立っているバルコニーからは少し遠く、

飛び移るのは不可能な距離だった。


オーディアナは部屋へ戻ると、持っていくべきものをまとめ始めた。


しかし、よく考えると特別持って行かなければならないものも見つからない。


時計をみると今はまだ3時を過ぎたところ。

約束まではまだ時間がある。

オーディアナはベットにねっころがり、暇を持て余していたが、着替えをしようと思い、再びクローゼットに向かった。



たった3日泊まるだけなのに、

クローゼットに丁寧にドレスをかけてくれた侍女に悪い気もしたが、オーディアナはかかっているドレスを全て取り出し、

ベットに並べた。

持ってきたドレスは5着。

昼間着る用のとパーティー用のがあり、

昼間用のはパーティー用のに比べれば派手でないが、

それでも街に着て行くには目立ち過ぎるものばかりだった。


―さすがにこれは着てけないよな…―


それに、城から抜け出すことも考えると、

動きやすい格好をするべきだ。

オーディアナはクローゼットをもう一度覗きこむ。

するともう一着あることに気がついた。

取り出してみると、それはオーディアナが王城まで来るときに着てきたものだった。


ドレスを着て行けと言う父に、ドレスは移動に不便だと言って着てきた、

ドレスとまでは言わないが、ワンピースとも言わないような、質素なものだった。


―これならコルセットしなくていいし、ひらひらごてごてしてないから良さそう。―


オーディアナは万遍の笑みをうかべて、支度に再び取り掛かった。



「おい、グリーディオは行かないのか―」


グリーディオは後ろから声をかけられて振り返った。

そこには同じ隊に所属しているライアン、ガラッド、ロナウドがいた。

王国祭のことだろう。

いつもなら普通に彼らと一緒に出かけるが、

昨日の約束がある。


オーディアナが街に出るのをあきらめさせるための、不可能な条件だったが、

約束したことには変わらない。それになにより、自信満々の笑顔…

彼女は来るという確信のようなものが彼の中にはあった。


「わりぃ、俺約束があんだ。」

そう答えると、


「おっ!まさか女か?!」

「いつのまに!」

「水臭せ―ぞ!」


と3人は盛大に冷やかした。

そんなんじゃね―よ

と言って、グリーディオは3人を止めるが、

その後しばらくグリーディオはこの3人から解放されなかった。



グリーディオは部屋のベットにねっころがっていた。


―まさか、本当にくるわけないよな?―


ここは王城の敷地内にある別館で、王城に仕える兵たちの寮となっている。

もちろん一人一部屋与えられているわけなく、

隊での位が上がれは上がるほど良い部屋を一人で使え、

逆に下がれば下がるほど質素ななだだっ広い部屋を大人数で使うというわけだ。


グリーディオは若いわりに剣の腕はかなりのもので、

20歳という若さで小隊の隊長をしていた。

ライアンとガラッド、ロナウドは昔からの友だちで、

言ってしまえば悪友だった。

四人とも同じ大隊に所属していて、

ライアンはグリーディオの小隊の副隊長、

ガラッドとロナウドもそれぞれ他の隊の副隊長だった。


ベットが数個おかれた部屋のなかは、グリーディオ以外誰もいなかった。

みんな隊務か街へ行ったのだろう。


時計を見るともう5時20分を過ぎている。

グリーディオは目をつむり、少し考えてた後、

部屋を静かにでていった。




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