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理学の支配者たちへ!〜地球の科学好きな女の子が知らん惑星に転生して頑張って生きる話〜  作者: タイプCのケーブル


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第1話 私的には、大学に行きたかったです。

科学の話なのに、ちっちゃすぎて、科学できない。

次の話はちょっと大きくなって科学やるから待っててね

春から大学生!


なんという素敵な響きだろう。

この1年間、なんの模試を受けてもE判定、全部大体E判定、すこしC判でたとおもったらまたE判定、そういうのの連続だった。最後の最後まで、受かる確率の方が上がらない確率より低い状態で、ほぼ浪人するつもりで二次試験に臨んだのだった。


ああ、わたしはなんて運のいい人生なんだろう!

内容は最高だった。物理も科学も、題材にしている内容はほぼ既知で、それこそ前日に調べた話だった。数学も、解く順番が素晴らしく上手くいった。英語は、受けたときにはああ落ちたと思ったが、適当な4択を全て当てたらしいことに気づいたときは本当に小躍りする気分だった。国語も知ってる単語しか出なかったし、ああもう本当に運が良かった。


最高だ!完璧だ!春から大学生、なんて素晴らしい響きだろう!!!!




ーーそう思っていた時から一体どれくらいの時間が経ったのか、わたしにはわからない。わからないし、多分分かりようがない。時間の感覚が曖昧で、昨日のことのようであれば、何十年も前のことのようにも感じられる。


”春から大学生”の人生をしっかり認識したのは、おそらくこの人生の1歳ちょっとをすぎた頃だったと思われる。


ひどい頭痛と飢餓感、自分の感覚のひどい既視感を覚えて、それに加え昨日までの自分との混合にひどい吐き気を感じた。


”わたし”は一年ちょっと、この世界でしっかり生きていた。その日まで、わたしは幼児にとっての一年ちょっとという、体感的には永遠にも思える長い時間を、”春から大学生”の人生の人生を認識せずに生きていた。


それまでのわたしは、かなりの発達の遅れを伴った、世界に多少の既視感を持った、しがない1歳児だった。


したがって、その日、”春から大学生”の人生を認識したとき、二つの人生の混合に信じられないほどの違和感を感じた。まあ、というより、そこから3週間ほど経った今もその違和感は消えていない。


たとえば、今でも私は、自分の手足が18歳の頃ほどに長い錯覚を覚える。距離感が掴めないのだ。


赤ん坊用のバスケットに入れられているのが気持ち悪くて仕方がない。18歳の巨体が、”ちょっと大きめのバスケット”に入るわけないだろう!

自分の足があるはずのところに、むしろ目の前に、バスケットの内側らしき壁がある。気持ち悪い! そのせいか、時々幻肢痛というものを経験している。ほんとうに痛い。勘弁して欲しい。



さて、私があの人生で読んだライトノベルでは、大体生まれてから転生というのは、最初から目が見えていた。しかしながら、現実は全く地獄である。

私があの人生を認識したとき、世界はほぼ白黒に近いぼやけた世界だった。赤ん坊なのだから、仕方ないのかもしれないが、最悪だ。私は日本の布団でぬくぬくしていたはずである。誰がこんな罰ゲームを用意しろと言ったんだ。


私は泣いた。もうとにかく泣いた。気持ち悪いし、痛いし、そこに手はないし、体が小さすぎて周りの感覚が近く、なんて言えばいいのだろうか、毛布にくるまっている体が、まるで内臓を毛布に包んでるような、そういう気持ち悪さを覚える。


泣きまくって、泣きまくって、気持ち悪さが消えなくて多分大体3週間がたった。夜が20回くらいまわったきがするからだ。今日ようやく、あの人生を、意識をしっかり持って思い出せるようになった。ようやく思考ができるようになった。



わたしはあたりを見渡した。

この3週間で意識を持ったことで、急速に視力が発達したのか、ある程度の色と形が見えるようになったのは素晴らしい進歩だ。


まだあの人生の記憶より世界は暗く、鮮やかでないが、多分これから改善するだろう。そう期待したい。


仰向けで寝ているので、前を見たら茶色か黒の天井がみえる。手を天井にあげてみると自分の信じられないほど小さな手が目の前を覆う。

あとは、自分にかけられているサラサラの薄い布が3枚。


ちょっとひだりを向くと、自分が寝ているらしいベビーベットらしきものの柵があった。柵の奥は、多分数メートル離れて壁があると思う。灰色の壁が。曖昧だ。なんてったってこの目、別に改善したとはいえ、めちゃくちゃ見えないのだ。文句言わないでもらいたい。


右を向いてみよう。自分の右手の小さなおててが見える。めちゃくちゃ可愛い。

そしてその奥に、これまたもう一つの小さなおててが見える...自分の手ではない。では何か?


妹か姉かわからないが、姉妹である。


わたしはどうやら双子らしかった。一年ちょっとの記憶は、いつもこの子が隣に居た。泣くのも、ご飯も、寝るこのベットも、全部一緒。一年ちょっとのその日までのわたしは、この子をむしろ、自分だと思っていた。なんと言ったらいいのかわからないが、彼女と自分の違いがよくわかっていなかった。


まあしかしながら、彼女とわたしには、明確な違いがある。


「うーあ」


隣で寝ているその子が、あくびをしながら顔をこっちに向けた。そして目を開いてわたしをじっと見た。


その子はとても綺麗な(多分)薄い青い目をしていた。その色素の薄い茶色のふわふわの髪の毛に触りたくて仕方がない。元々、子供は大好きなのだ。その子供に自分がなるとは思いもよらなかったが。


その子の顔の特筆すべき点といえば、ひたいにある目と同じ色をした、宝石のような球体の”何か”である。

一体これはなんなのだろうか。母と父、そして兄も、よく見えないが、多分同じような何かが埋まっている。


なんらかの文化だろうか。埋めるのだろうか。痛そうだ。私は埋められた記憶がないが、生まれてすぐならそんな覚えてないので埋められたかもしれない。


「うーー」


その子は私から目を離すと、私と反対方向へごろん、と寝返りをうった。そして体をギュッと縮めて、足と手に力を入れて、四つん這いになった。


「むーー」


向こうのベビーベットのさくを小さい手でギュッと掴み、よいしょと柵にしがみつくようにたちあがる。オムツ以外、何も着てはいない。

そうして彼女 は柵を掴みながらのそのそとベットの私の足のほうへ行くと、あーあーと体を揺らしながら何か言っていた。


これである。わたしとこの子の違いというのは。


わたしは、立つことができなかった。


私が生まれてから一年ちょっとだろう、と仮定したのは、この姉妹の行動が大体1歳時のそれだったからだ。普通の1歳児なら、大体たちはじめる頃だろうから、とそういう理由でと推定したのだった。


うんでも、私は立つことができない。ついでに、手をみた感じだと、この子よりがりがりしていて、発育が悪い。


どうしてだろうか?双子なのに、一方だけ成長がこんなに遅いことがあるんだろうか。


うーんと考えて、私は、ある一つの仮説を打ち出した。

おそらく、”前の人生の記憶”に成長のリソースを割きすぎたのではないだろうか。


まずもって、前の人生の記憶がある一歳児というのがおかしい。

一年の記憶をある程度持ってる1歳児というのがおかしい。

そして1歳児の脳でここまで精巧に思考できるのもおかしい。


だから、多分大脳皮質や海馬の発達がすごく速かったんだと思う。膨大な記憶がそうさせたのだろう。そのせいで、エネルギーを消費して他の成長が遅れたのだ。一年の記憶があるのは海馬と大脳皮質の発達のおかげ。前の人生を自覚したとき、それまで脳の別の部分でこの人生の記憶を保持して、二重人格のようになっていたのが、何かの拍子に神経細胞がつながったのだろう。


そうに違いない。


ふふん、さすが私、冴えている。


私が一人でニヨニヨしている間も、姉妹のその子は、飽きずにうーうーあーあー言って屈伸のような不思議な動作をしている。何がしたいのかわからない。子供というのは不思議な生き物だ。


それを見ながら、私は考えた。


結局ここはどこなのだろうか。


夢かと言われれば、そうかもしれない。夢でこんなにはっきりしたことはないが、大体の夢は起きた時忘れているのだから、もしかしたら夢とは本来こういうものであったのかもしれない。

一年というのは、なんとも長い夢である。がしかし、それが一番現実的といえば現実的だ。


本当にどこかに転生でもしたんだろうか。

私は、理想主義でロマン主義で、現実的になれと何年も言われてきたが、さすがにこんなこと信じる気にはなれない。

転生なんて馬鹿らしい。物語で読む分にはワクワクするが、現実に起こるはずない。まあ現に起こっているが。


ここの文明レベルはよくわからないが、少なくともオムツは紙ではなく布だ。...いや別に焦ることじゃない。地球にも布おむつを使っているところなんていくらでもあるじゃないか。現代日本に慣れすぎただけだ。


ここが地球でないなんて、そんな仮説は馬鹿馬鹿しすぎる。早く棄却するべきだ。


「う...う...」


そこまで考えたところで、目の前の姉妹が目に見えてぐずり始めた。体を揺らすのを止め、ちょっとプルプル震えながら、明らかに泣く準備を始めている。


くるぞ。


「うわぁあぁぁぁあぁあ」


めちゃくちゃに大きな声で、我が姉妹は泣き出した。申し訳ないがうるさい、お母さんだかお父さんだか、早く来てください!


遠くで、バタバタする足音が聞こえた。それと扉をばん、と開く音。


「BHIOJAICIUHJD {A {CAP!&@&^(!」


女性の声が耳に入る。綺透き通るような、歌うような声。知らない言語だ。聞いたこともない。

駆け寄ってくる足音が聞こえる。


「GUGCIAHVH !^#%!^&$#!((FBHBA.......」


遠くてこの目だとよく見えないが、お母さんが我が姉妹を抱き上げて、背中を摩っているようだった。


突然、ずいっとお母さんの顔が迫ってきた。


「アウチェ、VDAIDNOovyihBSI@!(#@ ??」


なんて言ってるのかはわからないが、心配しているんだと思う。

ここまでちかずかれるとさすがに顔が見える。お母さんの顔は、我が姉妹に少し似ていた。姉妹よりも濃い青い目、濃い茶色の髪、そして目と同じ色のひたいの玉。25歳かそこらに見えた。

母の顔は、ヨーロッパの人のように肌が赤みがかっているようにみえた。どちらかというと顔の凹凸が多く、アジア系には見えない。


ふと、母の着ているものを見た。

彼女の着ている服は、見慣れない不思議なものだった。一枚の大きな布をたすきのように右肩にかけ、左の脇のところできつく結んであった。腰の方も、帯か何かで結んでいるようで、右手は布に開けた穴から出ていた。


古代ローマの服に似ているようで、何か違う。というより、私の毛布もそうだが、生地が見たことないものだ。織物のように糸で織られていないように見えるが、フェルトでもない。触り心地も絹のようで、そうではない。


あー...


ここまで見て、私は悟った。

いやまあ、この一年の記憶がありながら、今まで確信しなかった方がバカだったのだ。どこかで見たくない現実から目を背ける心理が働いたのかもしれない。


ヨーロッパ系の顔立ち、ゲルマン、スラヴ、ラテン、どの言語形態とも似ても似つかない、というより今まで聴いてきた言語のどれとも違う歌うような言語。

それと、知らない繊維の布のような何か、あとは、ひたいの玉。無意識に脳が除外していたが、後からつけたのではなく、生まれつきなのかもしれない。


ああ、どうやってもそこは、地球ではなかった。


...どうか、神様仏様!キリストアッラー天照大神ゼウス、誰でもなんでもいいから、私を家に戻して、キャンパスライフを送らせてください。どうか。

長いの読んでくれてありがとう!

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