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第9.5話 side 相葉由香莉
気がつけば、朱音ちゃんを抱きしめていた。
震える肩をそっと包み込みながら、辛かったね、頑張ったねと言葉がこぼれ落ちる。まるで、私の意思とは関係なく、心が直接語りかけるように。
――この子を守りたい。
困っていたら助けてあげたい。泣いていたら、ずっとそばにいて寄り添ってあげたい。
慰めて、励まして、また笑顔にしてあげたい。幸せにしてあげたい。
そんな想いが芽生えたのは、あの解剖実習の日だった。彼女に助けられたあの瞬間から、ずっと、ずっと考えていた。
どうしてこんなに気になるのか、どうしてこんなにも想いが溢れるのか。何度も、何度も、自分に問いかけた。
その答えがはっきりとわかった。
――私は朱音ちゃんのことが、好きなんだ。




