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勇気を出して送る感想 

作者: 藤乃花

大人気小説投稿サイト『ルンルンノベルン』への小説に投稿や閲覧する事を趣味としている文緒ふみおは、他の投稿者が投稿した小説の中に、かなり笑えるコメディー小説を見付けた。

作品タイトルと言い、内容のテンポの良さと言い、文緒ふみお好みのモノだ。


評価、感想、いいねを付けたい……が、今一つ勇気が出てこない。

(この『スマイルくださいと言ってテイクアウトした紙袋にマジで生首スマイルが笑いながら飛び出してきた……マジウケる』って話スゲエ笑えるけど……感想書ける勇気がない)


彼好みのコメディー小説なので感想を書きたいのだが、この作品は実は四年前に投稿された過去作なのだ。

評価やいいねなら名前が知られなくて済むのだが、感想を一番書きたいのだ。


(さすがに四年前の作品に感想を書くなんて……こりゃスゲエ勇気と覚悟がいるぞ……書くか?)

どうしても感想を書きたいので、一先ず書くだけ書いた。

『送信(確認)』するかを迷う文緒ふみお


考えること三分。

(今んとこ『確認』だからタップ……っと!

 『実行』はそれから考えりゃ……んあ⁉)

『送信』をタップした直後、注意書きが表示された。

『三年前からそれ以降の過去作は、『確認』なしで『送信』致します。

御了承下さい』

「ええええっ⁉」


文緒ふみおは全身から、貫くかと思えるくらいの雄叫びを噴射させた。

「何だああ……こりゃあ⁉

注意書き表示すんのおっせえよ!

送信しちまったよ、くそがあああああ!

んだよ……これ……頭変な奴だと思われんじゃねえかようっ!」


叫び声が木霊するが時既に遅し。

文緒ふみおが書いた感想は、作者のもとへ送信されていた。

(あああ……詰んだ。

黒歴史どころか、ダーク歴史だよ、これよう……)


沈んでいた文緒ふみおだが、そんな彼のもとへと作者から喜びの返答が返ってきた。

「マジか?」

『感想ありがとうございます‼

あんな大昔の作品を見付けてくださってマジでハイな気分です‼

これからも過去作、新作共によろしくお願いするですう!』


思いもよらない感激メッセージを受け、文緒ふみおの沈んでいた気持ちは、一瞬で引き上げられたのだった。

「『昔の小説に感想送ったら、ハッピーコメント届いた話』だ……っしゃあっ!」







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