賜刀
鉄家は、手野家や砂賀家の依頼を主として受けて作刀をする、旧美作国の刀剣集団の棟梁である。
江戸時代の後半からは作刀以外にも、鉄小物と呼ばれる、鉄でできた小物類も作成をし始めているが、メインはあくまでも日本刀の鍛刀である。
しかしながら明治時代以降はその作刀も件数が減り、その技術継承が問題となるほどになって来た。
そこで明治以後には元帥刀の作刀も拝命されつつ、別の道を探ることとなった。
それが、海外との婚姻による姻族集団の拡大を契機とする作刀範囲の拡大である。
アメリカのテック・カバナー家、イギリスのアマーダン家がその範囲となることになる。
彼らの家族に対して、彼らからの要請により砂賀家が作刀を依頼するということになった。
また戦後もこの関係は続いており、名目上は砂賀家が各家へと刀を下げ渡す形となっている。
このことから、この刀を賜刀と呼ぶこともある。