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どこにでもある恋の話はどこにでもある終わり方をする?

作者: 水咲 晴真

 最初に目を奪われたのはいつだっただろう。

 思い出せないくらい、彼女はいつもそこにいた。

 歩いてる姿だったかもしれないし、笑った顔だったかもしれない。

 それでも気付けば彼女を探して見渡して。


 今日初めて気付いたんだ。

 あぁ、僕は彼女に恋してる、と。

 それはあまりに遅かった、僕の自覚。




 季節は三月。

 出会いと別れの季節。

 卒業式も終わり、旅立つ人はそれぞれの準備を。

 この地に残る人は残る人で新たな生活を夢見て。

 お互いに自分のことで忙しい日々を送っていた。

 そんな中、朝の9時というまだ早い時間に、僕は一人でまだ寒さの残る公園で温かいココアの缶を持ってベンチに座っていた。

 冬のどんより重い雲はどこかへ行き、春らしい水色の空はみんなを祝福してくれていることだろう。

 僕の心は冬の重たい雲が未だに晴れないままだというのに。


「はぁぁぁ……」

「あれ? 柴田さん?」


 呼ばれて顔を上げた先に、彼女はいた。

 こんなところにいるはずもないのに、彼女は一人で公園に来ていた。


「や、やぁ………小倉さん」

「え、何それ? ひょっとして名前忘れてた? ひどいよぉ、まだ卒業したのついこの前でしょう?」

「い、いやぁ…つい、びっくりしちゃって……」

「ふぅん? まぁいいけど。はぁ、私もちょっとここで休んでいこうかな」


 溜め息とともに僕の隣に腰掛けた小倉さん。

 何を隠そう、この人こそ今僕が恋してる女の子。

 そして僕の溜め息の原因。


「それで?」

「……それで、って?」

「柴田さんは、さっき、なんで、あんなに深い溜め息を吐いてたの?」

「えぇっ?! え、えと、そ、そんなことしてたっけ、なぁ? あ、あは、はは」


 笑って誤魔化そうとする僕に対し、小倉さんは目を細めてじっと見つめてくる。

 やめて。そんな目で見ないで。僕のライフはもうゼロよ。


「誤魔化した」

「ごっ、誤魔化してなんかないって! そっ、そうだ! 小倉さん寒くない? 僕奢るから何か飲まない?」


 彼女の方を可能な限り見ないようにしつつ、ベンチの隣にある自動販売機を親指で指した。

 苦しかったとは思うけど、話を変えるには仕方ないんだ。


「……いいよ。自分で買う」


 小倉さんはむすっとした顔を浮かべて立ち上がると、スタスタと自動販売機の前に行って鞄から財布を取り出した。

 こういう時、マンガのラブコメだったら小銭をばら撒いたりするのだけど…当然そんなことはなく、彼女は温かいコーヒーを買って僕の隣に戻ってきた。

 カシュッとプルトップを開ける音がして最初の一口を飲む姿を横目で見ると、コクリと動く彼女の喉に目が張り付いてしまっていた。


「ん……え、何? コーヒー飲みたかった?」

「いっ、いや! そんなことないよ?!」

「じゃあなんで私のことそんなに見てたのよ、もう……恥ずかしいなぁ」


 すっと頬に赤みが差したのはこの寒さのせいだけじゃないが、その表情に改めて僕の心は彼女に惹かれてしまう。


「でっ? ホラ、溜め息の理由は?」

「……そこに戻るの?」

「当たり前でしょ。元とはいえ、クラスメイトが陰気な顔して溜め息なんてついてたら気になるに決まってるでしょ」


 小倉さんって、実はこんなに面倒見の良い人だったんだ?

 僕の知らない彼女の一面というのは、物凄く多いのかもしれない。

 僕の知ってる彼女は、学校にいた小倉さんだけなのだから。


「あ、柴田さん。ひょっとして……」


 少し屈んだ姿勢になると、とても楽しそうな目をした小倉さんが僕の顔を見上げてクスクスと笑った。


「寂しいんでしょ? クラスのみんなと離れ離れになることが」

「あ……うん。まぁ、そんなとこ」


 本当は『みんな』じゃなくて、『小倉さん』と、なんだけどね。


「やっぱりねぇ。でも……うん、私もわかるなぁ」

「そう、なの? 小倉さんは、地元に残るんでしょう?」

「え? あ、うん。よく私の進路知ってたね?」


 調べました。


「たっ、たまたま教室で話してのが聞こえてきただけだよ」

「あぁ確かにクラスの子とそんなの話してたもんね。でも、ごめんね。私は柴田さんの進路知らない」

「はは…僕はあんまりそういうことクラスの人と話さなかったからね。僕は地元…じゃないけど、県内の大学」

「へぇっそうなんだ! じゃあ連休とかなら遊べるかもね!」


 そうだね、と微笑むと小倉さんも楽しそうに笑ってくれた。

 彼女は自宅から通える隣の市の専門学校に通う。確かに成績は学年でも真ん中くらいだった彼女はよくあるビジネス専門学校に通って、それから就職するのだとクラスで話していたのを聞いた。


「でも、小倉さんってそんなに遊んだりするの? 失礼かもだけど、そんな風には見えなくて」

「えぇぇ……遊ぶよぉ? 私だって18歳なんだから」


 18歳だから遊ぶ、という感覚は僕にはわからないけど。クラスメイトを見ていればそれが当たり前なのは何となくわかる。


「柴田さんは普段何して遊んでるの?」

「僕はあんまり遊びに出ないんだ。親も煩いしね。せいぜい本屋に行くくらいじゃないかな」

「えぇぇ、勿体ないよ。若い時間は有限なのだよ?」


 どこのおじさんなの。


「あ、でもだったら大学に入ったらいきなりデビューとかしちゃう?」

「デビューって……僕はそういう気はないかなぁ」

「えぇぇ…柴田さん、背が高いんだし勿体ないよ。なんなら私が服とか選んであげるよ?」

「服かぁ……えっ?! そっ、それって、ぼ、僕と一緒に、買い物…を?」

「なんでそんなに慌てるの……。別にいいんじゃない? 今までは同じクラスでも全然話したことなかったけど、卒業してから仲良くなることだってあるじゃない?」


 仲良くなりたいです。切実に。


「そう、なれたら……僕も嬉しいよ」

「なら良かった! ねっ、いつにする? 私は今日でもいいよ?」

「今日って…いきなりだね」

「えぇ…だって、これから家に帰るだけなんて勿体ないもん」


 さっきから頻繁に言う彼女の勿体ないとは何なんだろうか。時間は同じだけ流れているのに、まるで残されている時間が彼女にだけ少ないような。

 それに気付いた僕は、何も考えずに口からそのことを零していた。


「なんか、もうすぐ死んじゃうみたいな言い方だね」


 と。

 そして、彼女は笑った。

 次に顔を伏せた。

 しまった。

 僕は馬鹿か?

 もし本当に彼女が何かの病気なんだとしたらただのクラスメイトが踏み込んでいいような話題じゃない!

 恐る恐る、小倉さんの表情を窺うと…真っ青に青ざめていた。


「あ、あの……僕、ごっ、ごめんなさい! 聞いちゃ駄目だよね! こっ、こんなこと…」

「……うぅん、いいの」


 僕の隣から消えるように立ち上がると、小倉さんは腰に手を当てて残っていたコーヒーを全て喉に流し込み、空き缶を叩きつけるようにクズ篭へと放り込んだ。


「だって…だってね?」


 顔を上げない彼女の表情はまだよく見えない。

 もしかしたら泣かせてしまったかもしれない。

 折角一緒に買い物に行けるかもしれないチャンスだったのに。


「だって」


 その言葉から先が、小倉さんの口から出るのにたっぷり一分はかかったと思う。

 もっと短かったかもしれないけど、僕にはそのくらい長く感じられた。


「だって………朝帰りなんて怖くて家に帰れないんだもん! 絶対お母さんにメッチャ怒られる! お父さんにも言われてもっと怒られる! お小遣いなくなっちゃう! あぁぁ、私死亡確定……先立つ不幸をお許し下さい……」

「それ両親に言うやつ。ってか病気なんじゃ?」

「病気? 誰が? 私至って健康よ?」


 ……心配した僕の時間を返せ。

 まぁ本人はよほど深刻な事態だったらしく、本気で青ざめているからそんなことは言えないけど。


「そっ、そうだ! ねっ、柴田さんの家に泊まったことにしてくれない?!」

「えぇぇぇぇ……いや、それは無理があるでしょ。だって僕小倉さん家のご両親とか知らないし」

「大丈夫だって! クラスメイトの家って言えば許してくれるもん!」


 僕の前にしゃかんで必死に両手を合わせる小倉さんは一緒に頭を下げて「お願いお願い」と繰り返している。

 なんとか、してあげたい、よねぇ。

 これも惚れた弱みってことかなぁ。


「はぁ……じゃあそれでいいよ。今日僕が一緒に行って説明してあげる。それでも怒られるなら、僕も一緒に怒られる。それでいい?」

「柴田さん………ありがとうっ!」


 一気に満面の笑みになった小倉さんはカエルみたいに跳ね上がると僕の首に手を回して抱きついてきた。


「わわっ?! ちょ、ココアが零れる!」

「あ、ごめんなさい」


 謝らなくていいけどね?

 もっと抱きついていてほしいけどね?

 寧ろその先までオナシャス。


「よしっ! じゃあ柴田さんがついててくれるなら百人力だよ! 私も頑張って服とか選んじゃうんだから!」

「あ、はは…期待してるよ」

「うん! あ、でも柴田さんはこれからすぐ出られるの? 家ってこの近く?」

「うん。僕の家はここから歩いてすぐだよ」


 この公園からでも見えるマンション。

 そこが僕の自宅。

 この町には高い建物が少ないから実は遠くからでも見えるけど、目印にはなるので助かる。


「じゃあ今からお邪魔していい? 買い物行く前にシャワー貸してほしいの」

「まぁ…そのくらいいいけど…」


 『シャワー』という単語に邪なものを抱いたのは僕のせいじゃない。

 彼女があまりに無防備だからだ。

 「やった」とはしゃぐ小倉さんは僕の手を引いて立ち上がらせると早速公園の出口へと歩き出した。


「あ、家ってどっち?」

「……あっち」


 僕は反対側にある公園の出口を指差した。




 家に帰ってもこの時間なら家族は仕事に行ってて誰もいない。

 父は朝早く、そして夜遅い。

 母はフルタイムのパートに出ていて夕方までは帰らない。

 だから小倉さんがシャワーを浴びても何の問題もない。


「家族は誰もいないの?」

「うん。今は仕事に行ってる。お風呂場こっちだよ」

「はぁい……うわぁ、マンションって凄いなぁ…綺麗……」

「普通だよ」


 小倉さんをお風呂場まで案内し、棚にあるバスタオルを一つ渡す。


「シャンプーとかはあるのを好きに使ってね」

「はぁい。着替えはちょっと気持ち悪いけど、今の服そのまま着るね」

「じゃ、じゃあ僕はリビングで待ってるからっ」


 小倉さんは本当に無防備に服に手を掛け始めてしまったので、僕は慌てて外に出る羽目になった。

 あのまま一緒にいたら絶対脱ぐまで見てたに違いない。

 しかし。


しゅる すっ ぱさっ


 扉一枚隔てた向こう側から聞こえる衣擦れの音。

 今開けば、彼女のあられもない姿を拝むことが出来るに違いない。

 なんて言って開ける?

 「そうそう言い忘れてたけど!」とか?

 いやいや、何を言い忘れたってのよ!

 ちゃんとバスタオルは渡したし!

 着替えもいらないって言ってじゃんか!

 落ち着け。

 心を無にしろ。

 僕は仏だ。

 煩悩退散煩悩退散んんっ!


「ねぇ柴田さぁん!」

「たいさぁんっ?!」

「はっ?」


 しまった! 心の声が普通に口から出ちゃったよ?!


「な、何小倉さん?」

「あ、ううん。ちょっとシャワーの使い方わからないんだけどー」

「え、えぇ…み、右側のコックを上に上げたら出るでしょ?」


 扉一枚。

 しかし話は普通に出来る。

 てことは今小倉さんは生まれたままの姿で僕と話しているっ?!

 煩悩は退散出来ません。

 後から後から生まれてきてまるで家からいなくならないGのごとくしぶとく生き残る。


「えぇぇぇ…出ないよ? ちょっとこっち来てー」

「うそでしょっ?!」

「嘘じゃないよー」


 「うそでしょ」は「こっち来て」に対する返事ですよ!

 もし裸の小倉さんを見たら僕は自制出来る自信がないよ!


「早くー! ずっとこのままじゃ寒いってばー!」

「わ、わかったよ。じゃあ、開けるよ?」

「早くー!」


 がらっと、お風呂場の引き戸を開けると小倉さんは折れ戸になった浴室扉から頭だけ出してこちらを見ていた。

 薄く透けた浴室扉の磨り硝子に彼女の裸体が写っている。

 さすがに見られたら恥ずかしい先端や茂みは手で隠しているみたいだけど、逆にそれが僕の心を揺さぶってくる。

 扉の隙間からお風呂場の水栓を指差し、可能な限り早くこの場から立ち去らないといけない。

 僕が煩悩を抑え込めるのは数秒だ!


「ほ、ほら、そこの銀色の、右側の…」

「え? これ?」


 スタスタと小倉さんはその綺麗な背中を僕に向けた。

 あとほんの数ミリ黒目を下げれば魅惑的なヒップが見れるに違いない!

 そしてそれは僕が煩悩に負けた時だ。


「それそれ! それ上に上げて!」

「こう? キャッ?!」


 シャアッとシャワーヘッドからいきなり出てきたシャワーに驚く小倉さん。

 慌てた彼女は手で押さえて隠していたのに、水から身を守るために手を上げてしまった。


「っ…!」


ガラッ


 浴室扉をすぐに締めた。

 見ないようにした。

 見ないように、したつもりだった。

 でも見えた。

 小倉さんの、隠してたところを見ちゃった…。

 ドクドクと煩く高鳴る心臓に静まれとばかりに胸を押さえる。

 あまりの出来事になかなか収まらない鼓動。手のひらにまで汗が出て、テカテカと光る。


「柴田さんありがとー! お湯出たー!」

「そっ、そそそ、それはっ、良かった! じゃ、じゃあ僕! リビングに行くから!」

「うん! 上がったらまた声掛けるねー!」


 まるで逃げるようにお風呂場から出た僕は、今度こそ扉の前に留まることなくリビングへと戻った。

 バクバクと煩い音が耳の中から聞こえてくるほど、あれは衝撃的だった。

 未だ静まらない心臓の鼓動と戦いながら、少しでも落ち着けようと水を飲むと、長く息を吐き出した。


「はああぁぁぁぁあぁ…。ま、まだちょっとドキドキしてる、かも…」


 ウロウロとリビングを歩き回り、ソファーに座ったり立ったり、意味もなく新聞のチラシを見てみたり、やがて手に取ったのは。


「あ、卒アル…」


 先日卒業した高校の卒業アルバムだった。

 懐かしいなんて思うほど時間が経ったわけじゃないし、小倉さんの姿を探そうと何度も見返した。

 その小倉さんは今僕の家で裸になっている……って駄目駄目!

 また煩悩がやってきた!

 しばらく卒業アルバムを眺めていると、文化祭の写真が出てきた。

 良くも悪くも、あまり目立たなかった小倉さんが真ん中に写っている数少ない写真。

 取り立てて可愛いわけじゃなく。勉強も運動も出来るわけじゃなく。愛嬌は、あるけど。

 それでもずっとぼっちキャラだった僕よりもクラスには溶け込んでいたように思う。

 クラスメイト二人と腕を組んで楽しそうに笑う小倉さんの写真を見て、少しだけ和んだ頃に僕の心臓はようやく落ち着きを取り戻していた。


ガラッ


 「柴田さーん! 上がったよー! ドライヤーどこー?」


 落ち着いたと、思ったのに…。

 彼女は何度僕の心を乱すのか。

 パタンと閉じた卒アルをそのままに、僕は彼女の待っているお風呂場に足を運んだ。


「って! 服っ、服着てってば!」

「えぇぇ……今着たら服がびしょびしょになっちゃうじゃん。それよりドライヤーは?」

「あ、そ、そこの洗面台の隣の棚、開けて……」

「ここ? あ、あった! ありがとー」


 しっとり濡れた小倉さんの髪も綺麗だなぁ…。

 今はバスタオルで隠しているけれど、彼女のスタイルは丸わかりだ。

 ちょっとお腹がぽっこりしてるところも可愛くて、むちっとした太股は柔らかそうで、白いうなじから鎖骨のラインなんてすごく……すご…く…。


「あ、あれ……? お、おぐ、小倉、さん? そ、その…く、首の、鎖骨のあたりにあるのって…?」

「え? ……あっ! もうっ…やめてって言ったのに……昨日ね、その…彼氏と、シタ時に、つけられちゃったみたい」


 彼氏とシタ時につけられちゃったみたい。

 彼氏とシタ時に。

 彼氏と、シタ…。


「……………」


 僕は言葉を失っていた。

 脱衣場には小倉さんの使うドライヤーの音がうるさいくらい響いているのに、僕の耳には何も聞こえないみたいに、頭が、何かを感じることを拒否していた。

 かちっ。ドライヤーが切れる音がして、小倉さんは僕の方へと向き直った。


「どうしたの?」


 何か聞かれたけれど、僕は口をパクパクさせているだけで何も告げられない。


「あ…ひょっとして柴田さんってこういう話苦手だった? ごめんね?」


 パサッとバスタオルを床に落とし、僕の目の前に惜しげもなく裸体を見せる小倉さん。


「それにしても、なんで柴田さんはそんなに恥ずかしがるのかなぁ……。あれ? それって卒アル?! もうっ、最近卒業したばっかじゃん!」


 おっかし、と笑う小倉さん。


「後で一緒に見よ! シンジョの卒アル私まだ一回しか見てないの!」


 ふんふふーん、と僕にはわからない歌を口ずさむ小倉さんは手際よく目の前で下着を身に付け服を着ていく。


「さっ、いこっ!」


 小倉さんは楽しそうに笑うと、僕から卒アルを奪い取った。


「新城()()高等学校第58期卒業アルバムー!」


 卒アルを小脇に抱え、ふざけて僕の体に手を回す小倉さんは手をいっぱいに広げて胸を掴んできた。


「柴田さんのっておっきいねー! いいなぁっ!」


 こんなの……………いらなかったよ…。


 僕は、彼女に何も告げることなく、その恋を終わらせた。

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[良い点]  俺は……叙述トリックに引っ掛からなかったぞォ! J○J○〜〜〜ッッッ!!! [一言]  …………うん。 朝帰りの言い訳に使って良いかと会話してた時に引っ掛かって、もしやと思ったけど。 …
[一言] 面白かったです!! 最後まで見た時に、そういう事か。と、納得した自分がいました!
[良い点] 面白かったです! [一言] 途中からもしかしてこれはそういう事なのかな、と思いながら読みすすめてました(*ノ∀`*)
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