031_二つの障害
グラズヘイム魔法学校の入学後初日は怒涛の一日だった。
階級制度を暴力で思い知らされたり、呪文学の授業で大失敗したり。予備知識一切なしで座学を受けた事や、魔法を使える前提の実技に振り回されるような事態が頻発し、大変な有様となった。
だが何とかそれらを乗り越え、今現在の時刻は人魚の刻。
つまりは夕食の時間。
大食堂に立ち寄った生徒たちの列に並んで、配膳カウンターから今晩の食事を受け取った俺は見知った連中のいるテーブルにつく。
魔法学校であろうと生徒間でつるむ友達グループは作られるらしく、入学後初日の時点ですでに今期の新入生たちの間である自然とグループができ始めていた。
だが、意外と周囲と関わらず独り身で過ごす生徒も多く、そういうところはやはり競争社会である事は関わっているのかなと何気なしに思う。
俺の場合は自然の成り行きとして、入学前から試験中に知り合った連中と付き合っていた。
「それにしても派手にやったな。今日の呪文学の授業は見物だったぞ」
椅子の上のチョコンと座る二足歩行の大型犬。
もといガロフがジャーキーらしき食べ物を齧りながら言う。
すると、同じように本日の呪文学を選択して受講していたムーランが反応する。
「おお! あれは確かに見物でござった! 拙者もバッチリ目くらましを食らったでござるよ。いやー、いい経験になり申した。ああいう感じの魔道具とか作ると面白いかもしれないですな」
「やめろ……。それはもう十分いじられただろうが……。もう勘弁してくれ」
何度目かの話題にげんなりする俺。
今日は色々あったがやはり一番印象に残ってるのはあの閃光爆発事件なのは、自他ともに変わらないらしい。
俺たちの話を傍から聞いていたセイラが羨ましそうに見遣る。
「いいなー! 私もそっちの呪文学の授業を選択しとけば良かったかも。ちょうど薬草学の授業が四限目にあったからそっちを選択してたんですけど……こっちは少々退屈でした! いい授業だったんですけどね!」
閃光爆発事件の話題に、その時間帯のコマは別の授業を選択していたセイラとアベルは興味津々といった感じで耳を傾けている。
俺としてはあの事件がこれ以上流布されるのは勘弁願いたいのだが、しばらくは話の種にされるなこれ。
結局、あの後はレナード先生にみっちり叱られたし、その場に居合わせた生徒たちからも恨みがましい視線を向けられたりと散々だった。呪文学の初回授業のコマなので白花位の生徒のみが参加していたのが幸いしたが、もし上級生がいたら色々ヤバかったかもしれない。いじめられてたかも。
思い出すだけで恥ずかしい失敗に、沈鬱な気分になって気落ちしていると、静かに食事を進めていた魔耶が立ち上がる。
「ごちそうさまでした」
「ああ? なんだ。もう寮に帰るのかよ?」
「まぁね。明日も朝早いから睡眠はしっかり取らないといけないし、この後やらなくちゃいけない事もあるから忙しいのよ」
テーブルを離れようとする魔耶にアベルが尋ね、にべもなく返答する魔耶。
空の配膳を持ってその場を離れようとした魔耶は俺の方を見て、
「虎太郎。食事が終わったら例の場所に来て。できるだけ早くね」
そう言って配膳カウンターに膳を返しに行ってしまう魔耶。
発言の意図に気が付いて俺はハッと顔を上げる。
同級生と交友を深める場面だというのに素っ気ない奴だと思ったけど、去り際の彼女の一言でそれが俺たちの本来の目的に関わる事だと察する。
むしろ交友に現を抜かしていた俺の方が目的を見失っていたなと、内心で反省。
魔耶が食事を早く済ませたのは、決して怠惰を貪る為ではない。
俺も食事を急いで口に掻きこむ。
「……マヤはコタロウを信頼しているようだな。俺たちと接する様子とは一線を画すし、二人が会話する時だけ独特の匂いがする」
「同郷の者同士で、尚且つ主従関係であるからでござろうな。コタロウ殿にのみ心を開いている感じがするでござる。二人のみが持つ絆がそこにはあるでござるよ」
「それだけじゃないですよきっと! やっぱり男女の仲と言えば恋愛感情だってあるんじゃないですかね!! ――そこのところどうなんですか!?」
好き勝手に色々と言い合うセイラ達を無視して、急いで食事を終わらせた俺は膨れた腹をさすりながら立ち上がる。
「俺と魔耶はそんなんじゃねぇよ。……ごちそうさま。俺ももう行くわ」
騒ぎ立てる連中を後にして、俺はテーブルを離れて配膳カウンターに膳を返す。
魔耶は例の場所と言っていたが、要するに二人だけで秘密の会話ができる場所の事だ。他の人に聞かれては困る話をする為の人気がなくて密室という条件がそろっている場所を、昼の内に見つけて情報交換していた。
今は夜でそろそろ消灯時間も訪れる。――急がなくては。
* * * * *
天に広がる悠久に遠き星々が闇夜を彩る。
空から降り注ぐ月と星の輝きが、沈黙と共に俺たちを見守る。
仄かな灯りが魔法学校の校舎内から漏れ、暗くとも視界を確保できる外廊下を進んた先にある時計塔。
暗き輪郭をたたえた威容は、南校舎エリアの先に存在した。
地球と異世界の文化がどの程度の繋がりがあるのかは知らないが、時計は長針と短針で示す見慣れたアナログ時計は、直径数十メートルの巨大さで夜中でも時刻を確かに届けるように明るく光っている。
時計塔内部は大小無数の歯車が組み合わさって稼働し、機構が軋む音が何重にも重なって不協和音となって満ちていた。
座る場所もないほど狭く、埃臭くて空気が悪く、耐えがたいほど騒音が鳴り響き続ける。だからこそ、この場には生徒の誰も近づかないのかもしれない。
時計塔内部の数十階。地上から遠く離れた歯車だらけの空間で、俺は足場から落ちないように細心の注意を払う。
「――つまり。聖杯が何処にあるか目星がついたって事か?」
騒音に掻き消されない為に、できるだけ魔耶の近くに身を置いて喋る。
お互い耳元に話しかける様子は旗から見たら逢引きに見えるかもしれないが、話している内容は盗みの算段なのだから風情がない。
俺の確認に対し、魔耶が頷く。
「まぁね。私も今日一日ただ楽しく授業を受けてたわけじゃない。前日の内に大量生産した使い捨ての簡易使い魔――この式神形代をばら撒いて、学校中を捜索させていたの」
魔耶が右掌を見せると、そこには紙でできた形代が宙を浮いてクルクルと回る。
この形代を何十、何百と用意して人海戦術ならぬ使い魔海戦術で聖杯を捜索していたらしい。聖杯を盗む為にはまずはその場所を発見する必要があったが、意外と強引な手段を取ったものだと思う。
「大丈夫なのか? 雑に捜索したって事は学校側にもバレたりする危険性は? 使い魔を鹵獲されたら契約を辿って主を判別されたりしそうだが……」
「正しい危機意識ね。もちろん、その対策もちゃんとしてある」
形代を手の平で舞わせる魔耶は、俺の心配に対して動じず言葉を続ける。
「私は形代を直接使役するのではなく、段階的に契約を分けて間接的に制御しているの。末端の形代である『先鬼』を実際に操作しているのは、『中鬼』と呼ばれる別の形代。そして『中鬼』は『後鬼』という別の形代に繋がっていて……、といった感じで各端末をチェーン状に繋げて、いくつもの踏み台を用意して末端を制御している」
「……それで?」
「だから、末端の形代が捕まって契約先を辿られても、すぐには私に辿り着かずに特定が難しくなる。そして、末端との連絡が取れなくなったとわかれば――」
そう言った魔耶の手の平で浮いていた形代が、突如、青白く燃え上がって一瞬で蒸発する。
驚く俺の顔を面白おかしそうに見る魔耶は、ニヤニヤと笑みを浮かべて、
「こうして中継先を処理すれば足が付かなくなるってわけ。単純でしょ?」
「完全にハッカーの手口じゃねえかよ。相変わらずずる賢い事ばかり得意なんだな魔耶は。――まあ、身元が割れないようになってるのはわかったよ。それで? 聖杯は何処にあったんだ?」
校長室を盗聴内容によれば、聖杯は宝物庫という場所にあるらしい。
彼らの話しぶりから聖杯以外にも様々な宝を秘蔵した巨大な施設らしい事はわかっているが、具体的な場所は判明していない。学校内は生徒が立ち入る事が出来ない区画はいくつかあって、そのいずれかの場所にあると推察しているものの、詳細は不明のままだった。
それが判明したとの事で、魔耶の調査結果について確認する。
だが魔耶は即答せず、少し考えるそぶりを見せた後、
「……聖杯を直接見つけたわけじゃない。だからこそ場所を絞り込めた感じかな」
「見つけられなかったからこそ見つけ出せた?」
「そう。学校内は生徒が立ち入れない区画で、尚且つ使い魔の侵入も許されないような場所は複数存在する。でも、そういう場所であっても、私の手にかかれば侵入は不可能ってほどでもない。時間はかかるし難易度も高いけどただそれだけ。侵入は可能なのよ――――ただ一箇所を除いて」
魔耶は自慢げに、しかし同時に悔しそうに発言する。
「南校舎エリアにある、一見すると地味な倉庫みたいな場所があるんだけど、……ここだけ警備レベルの桁が違う。文字通りネズミ一匹通さないほどのセキュリティで、あらゆる手段で形代の侵入を試みたけど全て無駄に終わった。物理的にも、魔法的にも一切隙がない。正直、私でも現状はお手上げ」
「そうか、なるほど。だからこそって事か」
「その通り。だからこそそこが『宝物庫』なんでしょうね。逆説的に」
魔耶の予想に俺も同意の首肯を返す。
あの不良風の先生――チェイリス先生は宝物庫を要塞だと称していた。校長やレナード先生も宝物庫が破られる危険性に関してはあまり心配していない感じだったと記憶している。
なら、学校内で最も侵入が難しい場所が宝物庫と考えるのは恐らく正解だ。
魔耶をもってしてもお手上げと言わすほどの警備。なるほど、そうでもなければ、白の魔女に宝を狙われている状況で教師陣にあそこまで余裕あるのはおかしい。現に、目に見えて怪盗対策が実施されていたり、授業に何かしらの影響が出ている事もない。
……今考えてみると、白の魔女に怪盗予告が出ているのに普通に授業やっているのおかしいよな。流石に若干危機感が足りてない気もする。
生徒に被害が及んだらどうするつもりなのか。
夜が更けてきて暖房もない場所なので、肌寒さを感じているらしい魔耶は二の腕を摩りながら顔を上げる。
「けど、私たちはそこを破らないといけない。方法を考えないとね」
「ふむ。実際、その宝物庫の警備って何がヤバいんだ?」
「……宝物庫内部の警備に関しては不明だけど、外側の警備に関して判明している障害は二つ」
右腕を上げて指を二本立てる魔耶。
その内の一本を折り曲げる。
「一つ目は魔法的な守り。遮断式の複合暗号型結界。あらゆる魔法、神秘、呪い。それらの一切を弾く神話級の結界が建物をぐるりと覆い囲って施設を守っている。また、結構な強度もあるみたいだから、恐らく戦闘機のミサイル攻撃くらいなら防ぐでしょうね」
「いきなり難易度が高いな。魔法で解除するのも難しいし、力技にもビクともしない強力な結界ってわけか」
結界に対しての知識はないが、純粋に金庫室の壁とかをイメージすればいいか。
熱、電撃、切断、腐食、それらあらゆる方法でも決して破る事のできない頑丈な障壁で覆われている感じだろう。
なら、壁を破るんじゃなくて扉を開けるという発想はどうだ?
なんかそういう方向性でどうにかできないだろうか。
「普通に校長とかが宝物庫に出入りする時はどうするんだ? 結界を解除なり何なりするんだろ?」
「結界を観察した上での予想だけど……。恐らく、生体認証式とパスワード式の両方だと思う。特定の人物の生体情報、魔力情報、魂情報を結界に登録して、全てが一致した人物なら結界にアクセスできて、正しいパスワードの入力が確認されれば結界を素通りできる。そんな感じかな」
「……そうか。難しいな」
魔耶の説明を聞いた俺は思考を巡らせる。
結界のアクセス権限登録を誤認させるのは、純粋に結界自体をどうにかするのと難易度は変わらない気がする。ここから更に関係者からパスワードを聞き出すのは至難の業だ。
いっそアクセス権限を持つ関係者を操ったりする事はできないのかと魔耶に聞いてみるが、これも難しいとの答えが返ってきた。
洗脳操作系の神秘は実現が難しく、そもそも正常の状態でない人物がアクセスしようとしたら結界のシステムが異常検知する可能性が高いらしい。
となると、やはり結界自体を突破する方法がまだ現実的だが、ミサイル攻撃すらも防ぐんだもんな……。
唸りながら頭を悩ませていると、魔耶が「まあでも」と口にする。
「実はこの結界だけなら何とかなる算段が、ないでもない」
「――え!? そうなの?」
驚いて魔耶を見遣るが、冗談を言っている気配もなく真剣な様子だ。
「理論の詳細は省くけど……。私か、もしくは私が操る使い魔を結界に接触して術式をセット出来たら、そこから少し時間はかかるけど、指定のタイミングで一時的に結界の機能をカットする事はできるかも」
事も無げに語る魔耶。
酷く冷静な彼女だが、学校側が仕掛けた世界最高クラスの結界をどうにかできる可能性があるというのは、相当に凄い話だという事を実感しているのだろうか? 歴史に名が残るレベルの偉業だと思うぞ。
途端に希望が見えてきた。なら障害はあと一つだ。
前向きになる俺をよそに、魔耶は残していたもう一本の指を折り曲げる。
「問題は二つ目の障害。こっちを何とかしない限り、結界に接触すらできない」
「……その問題っていうのは?」
こちらの質問に、魔耶は黙ったまま壁際に移動して小さな十字窓から外を覗く。
何かと思って近づくと、魔耶が外を指差して俺にも見るように伝えてきた。
「魔耶?」
「実はこの窓から例の宝物庫が遠目に観察できる。ほら、実際に見てみてよ。――口で説明するだけじゃ正確に伝わらないかもだし」
「……ああ」
魔耶に促されて、小さな窓から夜の世界を望む。
月明かりが学校内を照らし出し、薄暗い中でも充分に視界を確保されている。
魔耶が指差す建物を探して目をすがめると、確かに目立たない黒っぽい建物が外廊下の先に存在している。他の建物とは少し離れた場所に建設されたそれは、生徒の生活空間とは交わらない離れの区画にあって、人が立ち入らない立地になっているようだった。
「あれが宝物庫か。……何か不自然なところでもあるのか? 一見した感じ異常はなさそうだけど」
「建物の外壁に彫像がいくつもあるのが見える? 壁際に複数体並んでいるのと、等間隔に並ぶ柱の陰の両端にも二つづつ。それと、屋根の上にも三列に渡って端から端まで整列してあるでしょ」
「ん。言われてみれば」
建物の色に同化して保護色になっていたが、確かに身長三メートル程度のそこそこに大きい異形の石像が存在する。一度その存在を認知したら、なぜ指摘されるまで気付かなかったのかと思うほど、建物の外壁や天井を覆いつくすほどに大量の像が並んでいる事がわかった。
見えている範囲でも五十体以上はありそうだ。建物の反対側も含めるとその倍はあるのだろうか。
「小さいドラゴン……いや、悪魔の像か? 悪趣味な見た目しているな。過剰なまでに多くて外観を損なっている気もするけど」
「外観はどうでもいいんでしょう。ちゃんと警備員としての仕事ができるのなら」
「ん? 警備員?」
魔耶の不穏な発言に、俺は嫌な想像をしてしまう。
「おいまさか……」
「そのまさかよ。――あれはガーゴイル。魔法によって魂を吹き込まれた動く彫像にして、宝物庫に近づく不埒者を八つ裂きにする宝の番人。調査の為に向かわせた形代も、あれに全て破壊されてしまった」
「あ、あれ全部がそうなのか?」
「残念ながら」
肯定する魔耶にチラリと視線を向けた俺は、すぐ宝物庫に視線を戻す。
ガーゴイル。本来は怪物の姿を象った石像を示す名称であって、魔物の種族名ではない。だが、異世界のガーゴイルは漫画や架空の物語で登場するそれと同様に、ひとりでに動く魔物であるらしい。
遠目で観察してみても普通の石像にしか見えない。特に生き物特有の生気は感じられず、静かに整列しているのみだ。
だが、近づいた場合はそうではない。
あの何十体もの石像が動くさまを想像してしまい、背筋に寒気が迸る。
「ど、どの程度の強さなんだろうな」
「ガーゴイルについては私も詳しくはないのだけど、近づいた形代が逃げる暇なく一瞬で狩られるところから察するに、かなり強いんじゃないかな? 私が知っている範囲では、痛みを感じないが故に怯まず、硬い体は物理的に破壊するのも難しく、また魔法に対してもかなりの耐性があると聞くけど」
「――魔法使いの天敵という感じか。一体相手にするだけでも大変そうだ」
詳しく話を聞くと、結界に仕込みを行う為には接触できるまで近づかなくてはならないが、その前にガーゴイルの感知範囲に入ってしまうので、結界に辿り着く前にガーゴイルが立ちはだかってしまうらしい。
なので、結界をどうにかする事はできても、ガーゴイルの警備はまた別の対策が必要だった。
魔耶はガーゴイルに関しては詳しくないらしく、どういう認識で侵入者と正規の利用者を識別しているかはわからないらしい。
システムではなく使役生物という枠組みであるが故に、結界ほどシビアな認識方法はしていないのではと推測していた。
その後、俺と魔耶はその場でしばらく話し合ったが、ガーゴイルに対する情報不足もあってこれ以上の話の進展はなかった。
窓際から離れた俺たち。
寮に帰る為に、時計塔内部の細い階段を慎重に下る。
「強固な結界と、無数のガーゴイルによる警備か。……白の魔女はどうやってこれを突破するつもりなんだろうな」
足場を踏み外さないように注意しながら呟いた俺の言葉に、先に進む魔耶は鼻を鳴らす。
「さあね。一つ言える事は、どんな警備であっても白の魔女は必ず宝物庫を破ってしまうという事。遅いか早いかの違いくらいしかないでしょうね」
「……」
「だからこそ時間はないの。早急にガーゴイルへの対処法を見つけないと」
焦りの混じった発言は、しかし、その瞬間に鳴り響いた猫の刻を告げる時報の鐘音によって埋もれてしまう。
時計塔内部に反響する大音量。
真上の大鐘が届ける轟音が空気を震わせ、鼓膜を叩いて思考をかき乱す。
時計塔の内側から聞く時報は、まるで迫りくるタイムリミットを告げるように不愉快な音色だった。




