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9.ナナメ上に高すぎる
テロリスト:《走り回る音と荒い呼吸音》ふはっ、ふはぁあっ、……
速馬:《走り回る音と息遣い》ふっ……はっ……はっ
どれくらい逃げ続けただろうか。
ものすごく長い時間の気がする。
しかし、スマホで時間を確認すると、あれからほんの3分過ぎただけだった。
でも3分と言えば、カップラーメンが出来上がる時間だ。
そう考えると、けっこう頑張った方じゃないだろうか。
もうそろそろ奴に捕まってやっても良いかもしれない。
だが、かなり挑発しながら逃げたので、ひどい目に遭わされちゃうのかも知れないな。
見せしめに殺されたりしないよね……?
速馬:(あの三人は無事に逃げ出せたかな)
俺がふとそんなことを思い浮かべた時だった。
《スマホの通知音》ピロン♪
俺のスマホが着信音を鳴らす。
妙な膠着状態が続いていたので、俺はその内容を確認する事が出来た。
白イン:『他の生徒が捕まっているのを発見、助け出せないか様子をうかがう』
――っ、はぁ!? アイツらの意識がナナメ上に高すぎるだと!?
俺は、奴が疲れている隙を見計らって、慌てて返信する。
速馬:『ぜったいに なにもするな』