5.エロゲ展開
速馬:(ここまで逃げれば大丈夫だ)
誰よりも早く、俺は危険エリアから脱出した。
とはいえ、殆どの生徒は問題なく逃げ出せるだろう。
テロリストの狙いは生徒を人質に取ることだろう。
でも全校生徒の全員を人質に取ることはテロリストたちにとっても現実的ではない。
おそらく人質になる生徒の数は、テロリストの人数の2倍、『10名以下』だと思う。
ちなみに、俺が平常心を保っているように見えるのは気の所為だ。
単に感情や動揺を外に出すのが苦手なだけで、内心かなりビビってるし、動揺してる。
ビビリだからこそ真っ先に逃げ出しただけだ。
俺は、自分の安全を確保した後、全生徒に公開されている校内の防犯カメラの映像を確認していた。
この映像を実際見ている生徒は俺以外に何人いる事やら……。
すると、生徒会室の方のカメラに動きがあった。
あの美少女三人組が、避難せずに生徒会室の向かいの音楽室に入っていくのが見える。
速馬:(おいおい、その行動は不味いだろ)
……いや、三人のいる場所からだと、もう逃げられないのか。
学校アプリのマップ機能を確認。
テロリストを示す赤点滅が1つ、生徒会室からの逃げ道を塞いでいるようだ。
……ということは、生徒会室より隠れる場所の多い音楽室の方がマシという彼女たちの判断は間違っていないということか。
生徒会室は4階にあるから、窓から飛び降りる事も出来ない。
逃げ遅れたのがあの美少女三人組だと、
速馬:(エロゲ展開もありえるかもな)
……そんな考えに思い当たったところで、
何故か俺は腰を浮かし、
ある行動に移っていた。