6話:初めてのシャワー
「シャワーを浴びてこい」
そう言って、脱衣所へ彼女を押し込むと、自分も濡れた服を脱ぐ。
部屋から着替えを取ってこないと。それに、彼女の着替えも。
そんなことを、パンツ一枚の状態で考えながら、タオルで濡れた頭を拭く。
着替え、あったかな。母さんの残していったパジャマとかあるかな。
母の残していったタンスに向かおうとしたところで声が聞こえた。
「すみません。シャワーってどうやって出すんですか?」
「はぁ? シャワーの出し方もわからないのか?」
そう言いながら、脱衣所の扉を開けると、一糸纏わぬ姿の少女の身体があった。
「わっ! ごめん」
思わず、扉を締める。
女性の裸なんて、エロ本でいくらでも見てきたが、本物を目の前にすると、訳が違う。
頭と胸の中で、何かが爆発しそうな感覚がある。
「ちょっと、なんで締めるんですか? シャワーの出し方、、、」
「ちょっと、なんで出てくるんだ!」
彼女は普通に、脱衣所の扉を開ける。
思わず俺は胸元を隠すが、そんな俺をマジマジと見つめてくる。
って、なんかこれ逆じゃない?
「本当に、あなたって男なんですね。身体つきがぜんぜん違う。本で読んだのと一緒だ」
「また君は、訳のわかないことを」
「ちょっと、その股の。それがあの、、、」
彼女がパンツに手を伸ばしたところで、彼女の事を制止する。
「わかった! シャワー出すから、そこをのいてくれ」
そう言って、彼女の身体を極力見ないようにしながら、風呂場まで行くと、シャワーを出してやり、彼女をそこに押し込み扉を閉めた。
「まったく、いったいなんなんだ」
なんで彼女は、裸を見られても恥ずかしがらないんだ? それに男の裸を見ることにも、抵抗が無いようだった。
「いったい彼女は何なんだ。いや、そんなことより、、、」
また、裸で出てこられてもかなわん。
俺は急いで、母親のパジャマを手に取ると、脱衣所へ放りこんだ。