4/32
4話:迷い
未来って言ったか?
そういう設定か?
本当にこの子は痛い子なのか?
側にいて大丈夫なのだろうか、、、?
だんだんと不安になってくる。
「それ食ったら帰れよ」
おにぎりを食べている手を止め、うつむく彼女。
そういやさっき、帰れないとか言ってたか。
家出か何かなのだろうか。
うちに泊めるか?
実はうちは少し特殊で、両親は早くに離婚し、母親と二人暮らし。さらにその母も仕事で海外を飛び回っているため、今は一人暮らしなのだ。
それに、元々家族三人で暮らしていたマンションなので部屋も余っている。
しかし、高校生の男がこんな年端もいかない少女を部屋に連れ込んでいいものなのか?
彼女どころか女友達もいない男からしたら、今日であったばかりの女性を家に上げるというのは、ハードルが高すぎる。
親に連絡しても反対されるに決まってる。
「やっぱりダメだな」
「何がですか?」
「いや、なんでもない。やっぱり帰れ。何があったか知らないけど、帰る家くらいあるんだろ」
「それは、、、」
「じゃあ、俺は帰るからな」
そう言うと、俺は彼女を置いて、家へと帰った。