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プロローグ


 いつからだろう。世界が平和でないと疑わなくなったのは。

 いつからだろう。世界が平和であると信じてしまったのは。



 それは自分というちっぽけな存在が勝手にここを世界の全てだと認識したからに他ならないが、その前に冒頭の台詞について釈明をしておくと、決して俺は哲学混じりのトートロジーな台詞を連ねて自分に酔ってるわけでも、ましてや紛争地域で飢餓に苦しむ子供達に対して平和だなぁとのたまいたいのではなく、あくまで俺、如月佑の目線で以前は平和だったんだなと痛感したのであり、それから・・・・・・この世界が欺瞞ぎまんに満ちた世界であると、俺が、俺だけが気付いちまったからなんだ。


 のっけからこんなことを口走る奴は大抵頭のおかしな奴か厨二病を患った痛い子のどちらに転んでも憐れんだ目で見られること間違いなしの所謂変人にカテゴライズされると相場が決まっているけど俺は至って平常だ。おかしいのは世界の方。そう声を大にして言いたいが、身も蓋もない言い方をすると、こんなのは苦し紛れの言い訳だ、常套句じょうとうくに過ぎやしない。事実、親友と呼べる顔馴染みに話しても信じてもらえなかった。ましてや家族にも。ことにデモクラシーを気取る日本においては、少数派である俺こそが異端であり、大多数である親友らの虚偽が真実へと塗り替えられてしまったわけだ。これこそ古き良きものが形骸化する大きな要因だろう。このイデオロギーには是非とも異を唱えたいが、右翼左翼と分類されて終わる未来が見えるから黙従するしかないだろうけど。


 閑話休題。

 つまり俺が何を言いたいのかと言うと、この世界は俺のよく知る世界ではなくなってしまったってことだ。


 並行世界、記憶の改竄、超常現象。


 そんなオカルトじみたことを言うつもりは毛頭ある。なぜならそれ以外の言葉で説明する術を今の俺は持たないからだ。

 本当におかしくなったのが俺であるならばこの話は不毛、元より論争もくそもないが、物語を進める主人公が実は犯人のような叙述トリックだけは俺自身が信じたくない。というわけでその線だけは否定しとくと――その可能性も決してゼロではないが――やっぱり世界に何らかの異変が及んだと考えるのが普通だろうな。アニメの見過ぎと一蹴いっしゅうはしないでくれよ。そもそもアニメは観ないと先に釘を刺しておく。まぁ妹は観るけど、ってその情報はいらないか。


 とにもかくにも今日は七月八日の土曜日だ。

 少子高齢化に伴い七月七日の七夕の日を人が愛し合う日と政府が認可し、山の日に続き正式に国民の祝日となって早一年、つまり今日は、カレンダー通り三連休の二日目だ。いやそもそも学校自体試験休みだから既に黄金週間ゴールデンウィークみたいなもんなんだけど、解せないのは祝日にも関わらず昨日学校があったこと。その時点で既に歯車が狂っていたと言って何ら差し支えないが、その前にどうしてこうなったのか振り返ってみてもいいかもしれない。と言っても、世界が変わったのは昨日の七月七日、つまり七夕の日で間違いないと思う。ならば遡るのは昨日でいい気もするけど、その前日、もしくはそれ以前から何らかの兆候があった可能性も捨てきれない。だがそんなことを言い続けるのは堂々巡りもいいとこだ。はっきり言ってキリがない。だからまぁとりあえず、思い出すのはディテールにこだわって七月六日の木曜日にしよう――


お久しぶりです、涼御ヤミです。

完全になろう用で書いてます。

またお付き合いいただけたら幸いです。

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