アイスボックスクッキーの話。
アイスボックスクッキーの話。
作った生地を冷凍庫にて保存し食べたいときに切ってオーブンで焼くこのクッキー。
一度大量に生地を作ってしまえば後はいつでも焼きたてが食べられると知った高校生の私は、早速母が夕食を作っている側で生地を作り、冷凍庫にて暫く固めました。
夕食の後、早速少しだけ焼くことにしました。
程なく家中にクッキーの焼ける香りが広がります。
出来上がり、まだ熱いクッキーを冷ますため皿にとりました。そしてまたクッキーを焼きます。私は焼けていくお菓子をジーッと見ていました。
焼き上がり皿に取り出そうと先程の皿を見ます。
……ありません。
犯人は弟たちでした。餌に釣られる魚のように、匂いに釣られた弟たちはまだ熱い筈のクッキー1号を食べ尽くしたのです。
さっきあんなにちゃんとご飯食べたのにまだ食う気か。なんなのその、もっとくれな眼差しは。ん?美味い?そうか、ありがとう。いや、待て、お前らだけ食うんじゃない!じいちゃんや父ちゃん母ちゃんの分まで食べないでくれ!!それに私はまだ食べてないんだぞ!!!
こんな時、猫舌は損ですよね。
結局全て焼き、全て食べられていきました。次の日には残りませんでした。もちろん家族皆が食べましたよ。
朝、唐突にアイスボックスクッキーを作りたくなりました。生地をこねながら初めて作った日を思い出しました。
そしてお昼過ぎに焼き始めました。
さて、又釣れるでしょうか。
大物が釣れました。パソコンの前から離れない旦那様が匂いに負けて台所に来ました。
いつもは勝てないパソコンに勝った日の出来事でした。