ババロア?の話。
ババロア?の話。
家計、特に食料を買うときに飛んでいくお金に唖然とする今日この頃。
最近では、新婚当初の『旦那様に喜んでもらう』計画の一翼を担う『美味しい?お菓子を作ろう企画』は、なりを潜めつつあります。
そもそも私は手間のかかる豪華なケーキ等は、菓子屋で買うのが一番と常日頃から思っています。
ですが、その他の簡単な菓子は独身時代から作るのが好きでした。アイスボックスクッキー、ババロアにムース、ゼリーやチーズケーキ等。
ある日、ふと、懐かしい実家の母が作ってくれた『ババロア』を作ろうと思い立ちました。企画もそうですが、ただ私が食べたかったという、欲に負けた結果でした。
材料はシンプル。牛乳、卵、砂糖とゼラチン。
作り方は簡単。
1、牛乳に砂糖を入れ火にかける。泡立ってきたら弱火にして、水でふやかしたゼラチンを入れる。ゼラチンがとけたら火を止める。
2、卵を混ぜたボウルに、少しずつ1を加え混ぜる。
3、型に流し入れ、冷めたら冷蔵庫で冷やす。二・三時間位かな。
お菓子を作る方はあれ?と思われたでしょうね。そう、私も大人になってから気付きました。
これはプリンじゃないのか、と。そう。これにバニラエッセンスを加え、カラメルをかければとてもシンプルなプリンです。
ですが食感はかなりのぷるんぷるんな少し固めの弾力。
果たしてこれはプリンなのか、ババロアと呼ぶべきなのでしょうか。それとも他の名前の別物なのかもしれません。私にはわかりませんでした。
ですがあえてババロアと言ったのは、母に教えてくれた人がババロアの作り方だと告げたからに他なりません。
ですから私の実家ではこれはババロアなのです。
ちなみに旦那様は、
「これはババロアか?」
と疑問符を浮かべつつもこれにブルーベリージャムをのせて食べます。生クリームもプラスされていると尚良いそうです。
結構あっさりとした甘さなのでそのままでも私は好きなのですが。
私は初めてこれを作った時に言いました。
「これなら何時でも材料はあるだろうから言ってくれれば作るよ」
と。
つい最近、旦那様は食べたいと至極真面目な顔で告げました。
しかし何ということでしょう。
卵だけ足りません。しかも昨日買い物はしていて、今日は行かないと決めていました。
「材料が足りないから作れない」
「なければ買ってくればいいじゃないか」
理不尽。あまりにも理不尽なセリフ。某王女様のような台詞に一瞬革命の火の手をあげそうになりました。しかしこんな顔をしている時、この男は決して妥協しないのであります。
私は買い出しに行きました。革命の火の手はあがりませんでした。そして作ってから気付きました。
ブルーベリージャムが無いと。
旦那様は口元に微妙な笑みを浮かべ、『しょうがないな、全く』という空気を醸しました。そして明日また買い物だねと呟きました。正直、イラッとしましたがその通りではあります。気付かなかった私のミスなのです。
次の日、出かける家族に買ってきて貰い、ようやく旦那様は自分好みのババロアを口にしたのでした。