かなわぬ恋
初めての短編小説です。少女マンガ系ですが、読んでください。(強制じゃないですよ)
私には好きな人がいる。でも、きっとかなわない恋だってわかってる。
「私、彼にどう思われているんだろう?」
彼は私のことを全然思ってくれてないかもしれない。私に興味がないかもしれない。
「ええ!私、めっちゃ気が弱いじゃん!?」
わざと大声を出してネガティブな発想を頭から払う。…ここは部屋だから大声を出しても大丈夫!たぶん…
また、気持ちが暗くなっていく。…どうしよう、私の友達は彼と仲良くなってきたっていってた。
「もう!絶対私のほうが先に彼を好きになったのに、彼を獲られちゃかなわないよー!!」
つらい。胸がちくちくする。もっと彼と仲良くなりたい。彼に近ずきたい。話したい。
私弱虫なのにわがままだ。そう思うと勝手に涙が流れてくる。こんな恋、早く終わればいいのに。こんなにつらいなら諦めよう。何度も何度もそう思った。もともと、そんなに接点はない。委員会で会うだけだ。委員会と言っても月に一回ほどしかないからたまに廊下ですれ違う程度。たったそれだけしか会わないのに何でこんなに好きなんだろう?
「嫌だなー。諦めることができないのに、告白…というより話しかけることができないなんて。自分のことが嫌いになるよー。」
そう一人でしゃべっている間にも勝手に涙が溢れてくる。嫌だ。嫌だ。嫌だ。私、何に、誰に泣いているの?
告白できないこと?諦められないこと?両方だ。そして、この二つの元は私。
「…だから私は、私が嫌い…」
そうつぶやいて、泣きながら眠りについた。
後日、私は告白しようと思った。
「決意したのならすぐ行動に移さなきゃ!」
この、謎の体育会系のノリで決意したその日に告白することにした。まあ、もともと体育会系の部活だからいいんだけどね!
放課後
彼を待つ。 ついにきた。
彼を呼び出すのは難しかった。ラブレターはなんか古くさい気がするし、直接呼び出すにも、私はコミュ障だから、会話するのに一苦労だ。でも、私は直接呼び出した。さすが私!
私は頑張る!そう決意して彼を待った。
「どうしたの?」
久しぶりに私に話しかけてきてくれた彼は、とても優しい笑顔と声で喋りかけてきてくれた。こんなときなのに思ってしまう私は駄目なんだけど思ってしまう。「ああ、私、彼のこと大好きだなあ」と。
「…」
恥ずかしくて、恥ずかしくて何も喋れない。歯がカチカチとなる。怖い。
彼がまた呼び出した用事を聞いてくる。だけど、それを無視して言った。
「どうし…」
「好きです。」
彼は驚いていた。そのあとも私は話す。彼を気にしずに。
「初めは憧れだったんです。初めに私に話しかけてきてくれたのは、委員会で何も話さなかった私に気をつかってくれたからでしょう?それから私はあなたが憧れだったんです。
でも、いつからか好きになっていった。どうせ叶わない。分かってました。でも気持ちがとまらなかった。
……ごめんなさい。迷惑ですよね」
私は自分の話したいことだけ話して逃げようとした。早足で歩き出したとき、後ろから手を引かれた。
「っ!」
急に後ろから抱きしめられた。その瞬間、一気に涙が出てきた。
「何なんですか?」
泣きながらも普通を装って気持ちを伝えた。でも、自分でも分かった。声が震えている。
そのとき、私の言葉に答えるように彼は自分の気持ちを伝えはじめてくれた。
「俺はさ、君は初めに見たとき妹に似てるなって思ったんだ。そこから気になりはじめた。そのあとは君と同じだ。いつからか好きになっていった。」
私達は両思いだ。嬉しい事なのに胸の奥がチクチクする。この先は悲しむだけだって頭が言っている。でも逃げられない。その瞬間、私の聞きたくない言葉が彼の口から発せられる。
「でもごめん。君もわかっているだろうけど、俺たちは先生と生徒、付き合えない。」
分かっていた。少しでも期待した私が悪い。
抱きしめられていた手を振りほどき逃げた。 フラれたのに涙はでてこない。さっき、泣きすぎたせいかな。そんなことを思いながら私は家へ逃げ帰った。
私の叶わない初恋は先生だった。
その後
私は大学生になった。そして、独り暮らしをしている。全部、私のまわりの環境は新しくなったのに、今でも彼のことは忘れられない。だから、新しい恋もできない。
「はあ。私モテるのになー。先生のせいで他の人と付き合えないよ。」
でも、彼はもう諦めて新しい恋を探すことを決意した。でも、諦められない。今後の恋愛について悩んでいたそのとき、
「溜め息はつかないほうがいいよ。」
ビックリした。急に後ろから話しかけられたこと。そして、彼の懐かしい声を聞いたこと。
「俺と結婚してくれ。先生と生徒じゃなくなったから伝えに来た。」
私は、今の素直な気持ちを伝えた。
「私は…」
『最後は、自分が想像する終わり方で』
と言うことで、あいまいな終わり方にしました。
喜んでいただけたら幸いです。