第七話 店主と魔王様 出逢う
私は広間へとスラリルさんに案内されています
扉の前でスラリルさんが立ち止まり扉が開かれました
「魔王様が待ってらっしゃる」
そう言われ中を覗きこんだときに私の目に飛び込んできたのは
階段から落下している少女でした
私はスラリルさんを押しのけ少女を受け止めるために階段へと走りよります
落ちてきた少女をできるだけ負担がかからないように優しく受け止めました
受け止めた少女はとても可憐で柔らかかった
淡い水色の髪はさらさらで瞼を閉じていて見えない瞳を見てみたいとおもいました
・・一目惚れです、女だった私が少女に一目惚れだなんて可笑しいかもしれませんが
どうしてもこの少女に自分を好きになって欲しいと思ってしまったのです
此の世界にきて恋をして誰かを好きになるなんて思ったこともありませんでしたからね
初恋もしたことはなかった私は男になっても女性を愛した事はなかったし
男性にたいしても同じだったんです
少女はゆっくりと目をあけました
少し驚きながら目を開けた少女の眼は金色で引き込まれそうな瞳です
「・・・誰だ?」
ああ、声も鈴の音のように綺麗ですね~
少女に向かって微笑みながら言葉を紡ぐ
「初めまして、魔王様 スズラン堂店主のアヤメです」
私の初恋が叶うようにどうか祈ってくださいね