第六話 魔王様と出逢い
朝日が部屋にさしこみ目が覚める
気分は最悪だ
服は昨日スラリルが持ってきた女物のドレスに着替える
こんな服は着たくないが余の服はサイズが大きすぎた
自分が酷く無様に見える
もう元に戻れないのかもしれないのだから
ずっと一生女のままだろうか
ならいっそ此処をでて、ひっそりと一人で暮らそうか・・・
そんなふうに思考が辿り着きそうになったころ部屋がノックされる
「スラリルです魔王様、少しお話があります」
「・・・入ってこい」
「失礼します」
ドアを開けスラリルが入ってくる
「魔王様、今日は会って頂きたい者がいます」
「・・・嫌だ」
今誰かに会えなど無理なことだ
「私の友人であり信頼の出来る者ですから安心してください」
「う・・・でも余はこんな姿で」
「その姿の事で呼び出したのですからかまいません」
「会っていただきます」
・・余は会いたくないのだが
「今日の昼過ぎに来るとおもいますのでよろしくお願いします」
そう言ってスラリルは部屋えお出ていく・・・
逃げてしまおうか・・
余はそう思い部屋を出ようとする、しかし部屋からは出られないように魔法がかけられてあった
スラリルめ・・・余が逃げぬように魔法をかけて行ったな・・
余は肩を落としソファへと腰かける
「・・・諦めるしかないのだろうか・・・」
もう、そうするしかないのだろう
余は昼がくるまでこれからの事を考えながら過ごした
「魔王様、呼んでいた者が参りましたので広間へおこしください」
スラリルの伝達係であるコウモリが余に知らせにきた
「今、行く」
覚悟を決めるしかないだろう
自室のドアを開け広間へとむかう
広間はとても広い 余はこんなに広くなくてもいいとおもうがな
広間には階段があり上に余の座る場所があり余の部屋からそこに行ける
広間についた時誰かが来る気配がし少し緊張しながらも出迎えるために
階段を降りようとした
その時、なれていないドレスのせいかバランスを崩し階段を踏み外してしまった
ちょうどドアが開く
余はこれから来るであろう衝撃を予想し眼を瞑る
落ちていく余は本当に無様だろう
だが予想していた衝撃はこず、逆に誰かに受け止められたようだ
受け止められた腕から温かい体温が伝わってくる
余はそうっと目を開く
そこには余を受け止めた黒い髪に蒼の眼の美しい青年の顔があった
少しの間その顔に見惚れてしまった
その青年の腕の中に自分がいることを認識した瞬間
余は自分の顔を紅く染めたのが自分でもわかった
余は恋におちた