第五話 魔王様の事情
魔王様視点です
アヤメが呼ばれた理由について
余は今代魔王であるサエラ・メフィアである
年は22・・かそこらだったと思う
余の父親は先代魔王であり母は妾の一人だった
兄弟は他にも沢山いたが潰し合いをした結果余だけが残った
そして余は魔王となった
余は人間との間の戦争をやめる事にした
もう醜く争いを続けるのは嫌だった
腑抜けと言われても腰抜けと言われても、もう戦いたくなかった
「魔王様、今日の書類です」
書類が持ってこられ机の上に置かれる
余の机の上は書類が山となっている
今の余の仕事は書類処理が主になっている
余は魔王城から外に出たことがない
小さい頃からずっとずっと城の中しか知らなかった
余は信頼できる臣下はいれど友や恋人はいない
初恋もまだだ、女性経験はゼロと言っていいだろう
余はそんな存在が欲しかった
互いに信頼し対等の立場であり愛し愛され慈しみ、支え合える・・
そんな存在が欲しかった
でも余は魔王城から出られなかった
だから、この前見つけた魔法・・運命の相手に逢える魔法を使ってみようと思った
もしかしたら・・・もしかしたら出逢えるかもしれないとゆう
少しの希望に縋りたくなった
「・・・余はサエラ・メフィア、余の運命の相手が余に巡り逢えるように余は願う」
魔方陣を描きその中に入り魔法の呪文を唱える
唱えた瞬間に魔方陣が光り余は光に包まれた
「・・・なんだ?これは」
光がひいた時に呟いた声の高さに違和感が走る
まるで女のような鈴の音のような声が響く
「・・・女になってしまったのか?」
胸の膨らみを確認し、呟いた
魔法を失敗してしまう事など今までなかったのに
元に戻る方法もわからない
きっと今の自分の顔は真っ青なのだろう
ドアがノックされた
「魔王様?どうかいたしましたか?入りますよ」
臣下のスラリルが返事のない余を心配し入って来る
「魔王・・様・・これは・・!?」
スラリルが目を見開き余を凝視する
「どう・・なされたのですか?」
「・・・魔法の失敗だ・・」
「貴方が魔法に失敗なさるなど・・・どのような魔法なのですか?」
「・・言えぬ」
恥ずかしくて言えるわけがない
「・・・そうですか、では今は言って頂かなて結構です」
「ああ・・・」
「余は・・・余の部屋から出ぬ・・」
元に戻れるまで部屋から出れない
「・・・わかりました、ではまた来ます魔王様」
スラリルは背を向け部屋の外へと出て行った
余はそれからすぐに自分のベットで寝てしまった
その夜久しぶりにみた夢は幸せな夢だったようなきがした