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平和主義の芋娘  作者: イチゴボール
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連鎖

町に泊まり始めてから1週間が経った。子供はすくすく成長し、おそらくだが、生命の維持が可能な体重にはなったはずだ。この子供が回復していくのはいいが、日に日に2人は悩みが増えていった。色々あるが、1番に2人を悩ませているのは「連鎖」だ。飢餓死寸前の子供が回復している。他の町の人が見れば、ここに食料があると思い込む。そして、その噂が広まり、家の前には数多くの住民が声を上げて食料を要求してくる。手持ちのジャガイモが減ってきているため、栽培は始めたが、まだまだ住民全員を満足させられる量はない。このままでは、この住民たちは帰ってくれないし、この子供にもストレスが溜まってしまう。そう、今、この親子の家の周りは住民に包囲されている。

「行くか。」

ラタは言った。この言葉に対し、グラが質問した。

「どこへ行くのですか?」

少し考えてから、ラタは言った。

「一旦この街の長かな。」

「長…」



横にスライドさせる型の扉を開け、家からラタとグラは出た。

「お、おい、嬢ちゃん。食料…あるんだろ?分けてくれよ…」

中年くらいの少し痩せ気味の男性が言ってきた。だが、男性のことは無視して、ラタは考えた。

(やっぱり…人が多いい。あの親子を残すと家まで入ってきそうだな…。作戦通りに行くか。)

ラタは家を囲む住民全員に聞こえるように言った。

「私の右手の袋の中に食料がある!欲しい人は私から奪ってみな!」

すると、大人達は相手が少女でもお構いなしに襲い掛かり始めた。ここまではラタの予想通りの反応。そして、

「グラ、お願い。」

「お任せを。」

グラは腰に下げていた杖を取り出し、唱えた。

《グラム、プラス》

すると、先ほどまでラタに向かって走ってきていた住民達は全員地面に倒れ込んだ。

「く…起きられない…」

グラが使ったのは、対象にかかる重力を増加させるもの。プラスをマイナスに変えることもできる。

「あら…強くし過ぎてしまったかも…」

「いや、大丈夫だよ。」

ラタは昨日まですっかり忘れていた。昨日の夜、たまたまグラが杖の手入れをしていたから気付いた。

ここは魔法の存在する、地球とは異なる世界…『異世界』だということに。

保温性が高い土を家の床にしていたため、この親子には申し訳ないが、シャベルなどを使い、床を耕したラタとグラ。肥料も何もない場所のため、ジャガイモが育つかどうか分からなかったが、結果は、普通の畑よりは成長が遅いが、確実に育ってきてはいる。

次回「次の犠牲」

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