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領収証の中身

これまでこの世界の領収書やレシートを探った限り、例えばリンゴの苗が5,000ベルだったので、日本と物価は大きく離れていないと思う。とすると、この魔法石は日本円にすると・・・15万円くらい?こんな石1個が15万円って、高いな!?


「魔法増殖・・・昨日ランスさんに見させてもらった、指先から火がでる魔法を増やす、ってことかなあ。〝水〟ってことは、少なくとも水属性の魔法と、火属性の魔法があるのね。ほんと、ゲームっぽいなあ・・・。」


でも、魔法っぽいものが書いてある領収書は、この魔法増殖石だけかしら。昨日ランスさんも指から火を直接出していたし、魔法を使うのに杖とか詠唱の巻物みたいなものは必要ないみたいね。うーん、わたしが魔法を使う方法はないのかしら、なーんて。だってせっかく異世界に飛んできちゃったんだから、魔法は使ってみたいじゃない!

その魔法増殖の石については、とっても気になったが、そもそも金額が高すぎておいそれと使ってと言えないし、わざわざ見せてくださいとは言えないと思った。今度時間があるときにでも聞いてみよう。

今はまず、目の前の領収書の束を倒さないと。


「あ。ランスさんったらまた土壌肥料買ってる・・・。いくら畑が広いからって、こんな量必要なのかしら。今度、倉庫の中も点検しないと。

あー、この領収書、絶対ロレッタさんが自分用に買ったアクセサリー代だ!仕事の領収書となんで混ぜちゃうかなあ。これと同じことがもしブラック浜電で起こったら大問題だよ。

あと給料!全員に一律で200,000ベル払っているみたいだけど、経験とか役割とか勤務した年数で金額を変えたりしないのね。こっちの世界ではそれが普通なのかしら。いくら税金を支払っているかの計算方法もよくわからないし。」


いや。税金の仕組みがよくわからないのは、日本でも同じか。

ただし日本と違って、こちらの世界の税金はそこまで大きく金額が上がっているような印象はなかったけれどね。


独り言を交えながら、淡々と領収書の仕分け作業を進めていく。

年代をきれいに分けた後、ざっくりと農業に必要な費用・畜産業に必要な費用・従業員の給与・畑全体にかかる費用・(それと本当は混ざっていちゃいけない費用)にわけ、そのあとそれぞれの項目の中身を似たもの(例えば苗・種系、肥料系、工具系)などに並び変える。


そのあと、項目ごとに過去からの値段の推移を書き出していくことにした。もちろん、パソコンなんて便利なものはないので、すべてノートに手書きだ。

というのもこの農場は、理由はわからないけれどこの5年で貯金を切り崩し始めたという話だったから、急激に値上がりがあったのか、もしくは必要な物品が増えてしまったからのどちらかだろうなと思ったからだ。

経理の仕事は、ただ単純に目の前の領収書を処理することが目的ではなく、今までの積み重ねから異分子やエラーを見つけ出し、改善策を考え、よりよい会社経営の助けとなること。という経理の基本を、ふいにこちらの世界で思い出した気がした。


段ボール箱の中には15年分くらいのレシートがあったのだが、そこはブラック経理部のエース主任。仕分けは1週間ほどで形になった。



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