表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世英雄は今世でも無双する  作者: あまみ すすき
学園編〜
9/11

0.9面倒臭いことになりました

 俺は今、別荘の下見に来ている。

 いや〜、『お・た・の・し・み♪』と書いてあったときから、色々と建物はやばそうだな〜とは思ってた。思ってたぞ?

 だが―――――


 「いや、これは流石にやばいって!?」


 ついさっき設計図を渡された時から、更に不安が増した。

 そして、今。

 おれは、不安を通り越して呆れている。


 「どうでしょうか?この“城壁”は?」


 いやいや、もう城っていっちゃってんじゃん。

 そう、ご察しの方もいるだろう。


 目の前には、進○に出てきそうな、50メートル程の壁があるのだ。


 (圧迫感半端ねぇ)


 いや、こんなのいらないんだが…


 そう思っていると、案内役が手元のスイッチを押した。

 すると、大門が開き、奥に屋敷と思われる物が見えてきた。


 だが、遠い。

 何メートルあるんだよ案件である。


 あそこまでどうやって行くんだよ。

 まさか徒歩か?


 そう思っていると、またまた案内役が他のスイッチを押した。

 するとすると、なんと隣に魔獣が現れたではありませんか〜。

 って、デカ!?きつねか?

 真っ白の毛に隠れる勿忘草色の瞳は、まるで何かを訴えているようだ。


 (う〜ん、なーんか、こう、既視感があるんだよな)


 まるで、前世の―――――――


 『ヴァオォォォォォォォォン!!』


 その時、突然きつねが吼えた。

 俺が驚いていると、案内役が物知り顔で語りだした。


 「この子は白銀神狐(ブランアローペークス)です。7年ほど前――――丁度ソメイユ様が生まれた頃ですかね、森で保護されたんですよ。

親とはぐれたみたいなんですが、いくら探してもこの子の親の痕跡されも見つからなくて、仕方がなくね。そして―――――――」

 

 俺は、案内役の話は全く聞かずにきつねを観察していた。


 (コイツ、クロノアに似てる。)


 確信はないが、なんとなくそう思うのだ。

 

 


 『坊ちゃま、お茶もまともに持てないんですか?』


 アイツは俺の執事だった。

 気持ち悪い奴だったけど、根は良い奴で――――――


 (でも、あいつの正体が龍だったなんてな〜)


 そう考えると、目の前にいる狐と同一と考えるのはおかしい。

 アイツは龍なんだから。


 だが、それでも、この狐からアイツの気配がする。

 

 なぜかと悩んでいると、城壁の中(別荘の敷地内)から声がした。

 

 「ねぇ、ここ!わたし、ここがいい!!」


 と、なん〜か聞いたことのある声が聞こえた。


 (うーわ、まさか。)


 「クークラ様、流石はお目が高い。此方は確か、王女殿下の別荘地のはずですが、ただの少女にこれほどの敷地は不必要。

教会で引き取ってあげましょう。」


 「そうなの?ま、あの地味女にこーんな美しい宮殿、必要ないわ!

しょうがないから、私が引き取ってあげるとしましょう」


 (やっぱり……、面倒なことになりそうだ―――――)


 そう思っていたとき、狐の遠吠えが響いた。


 『アオォォォォォォォォォォォォンッ!!!』


 狐は、クークラへ顔を向け、明らかに威嚇している。


 「――――――ヒッ」「い、いやぁぁぁ!?」


 クークラと男は、狐に怯えて、それぞれ悲鳴を上げていた。

 見ているこっちが哀れになるほどに、クークラらは震えていたのだ。

 だが、流石は聖女御一行と言うところだろう。すぐに立ち上がり、俺を指さして好き放題言い始めたのである。


 「ちょっと!この狐、あんたのでしょ?この狐のせいで、ビックリしちゃったじゃない。

服も汚れちゃったし、どうしてくれんのよ!? 

第一、こんな立派な宮殿…………国王にねだったんでしょ?ほんっと、こんなにも地味なのに、王女っていいわね〜。」


 「皇子という立場を利用して、こんな領地を乱すような建物を………?ああ、王がお可哀想です。」


 (……ウザ)


 流石の俺もカチンと来たので、少し言い返してみることにした。


 「さっきから黙って聞いてりゃ、好き放題言いやがって。そもそも、お前たち不法侵入だぞ?ここは父さんの私有地だ。国ではなく、王の、な。というか、俺のこと地味って―――――」


 俺の瞳はヴィオレで、ロングの髪は白銀に輝いている。タレ目で、口角も上がっている。


 (結構美人だと思うんだけどな?)


 俺が黙ったことをいいことに、またクークラが口を出そうとする。

 だが、その時―――――


 『アオォォォォォォォォォォォォンッ!!!』


 また、狐が吼えた――――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ