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前世英雄は今世でも無双する  作者: あまみ すすき
学園編〜
3/11

0.3ハラハラ入学式(1)

メッチャサボりました。申し訳ありません

 盛大にコケ、周りにいる他の入学生や保護者席からの視線を浴びまくったが、気にせんばかりにまたあるき出す。

 皆が……お姫様抱っこをしましょうか?いや、俺が!俺も俺も!……と、名乗りを上げたが、控えめに「大丈夫です。王族たるもの、いついかなる時も自身の足で歩かなくてはならないのです」と断った。

 我ながら、お上品で凄いと思う。

 な、そうだろ?つっきーも、そう思うよな?

 つっきーと言うのは、セイアッド・ソードのことだ。夜之月ノ剣セイアッド・ソードと書くので、そう呼んでいる。

 

 「姫様、こちらへどうぞ」


 「有難う御座います」


 視線がやんできた頃、席へ案内され、一際目立つ黄金の椅子へと腰掛ける。

 適当にはにかんでやると、案内役の教頭の目がハートになった。


 (キモ………)


 おっと、本音が出てしまった。

 いや、出てないか。


 俺の回りに席は置かれておらず、代わりに護衛騎士に囲まれている。隣には俺の専属騎士 パーシヴァルが控えている。平民の出だが、その力は計り知れない。


(ま、俺には負けるだろうけどな)


 最も身分の高い俺が来場したことで、入学式が始まった。俺を待たせないようにどの気遣いだろう。俺より遅く来た奴ら、南無阿弥陀仏。


 「でははじめに、校長 トゥレイタより、お祝いの言葉」


 どうやら、定番の長話が始まりそうだ。


 (うわー、めんど)


 内心愚痴るが、表はニコニコスマイルを貼り付けている。こっそり練習してきたのだ。

 まさか、こんなことを練習する羽目になるとは………。


 「――――――続いて、新入生代表 ソメイユ・グラディウスより、スピーチを」


 (―――――ッハァ!?)


 聞いてないぞ!?

 台本もないのに、スピーチ?

 俺はそういうの苦手なんだよぉ!!


 だが、こうなってしまっては仕方がない。天然のフリして頑張るかー


 立ち上がり、静寂を切るように堂々と足音を鳴らしながらあるき出す。皆俺に見とれているからか、黙っている。それは保護者席も同様であった。

 壇上に上がると、優雅に職員席に一礼、保護者席に一礼、そして生徒席に一礼する。

 大きく深呼吸をし、ニッコリスマイルを貼りなおし、皆の方を向く。


 「私は、ソメイユ・グラディウスで御座います。この度、無事にこのグラディウス学園に入学できたこと、心より嬉しく思いまぁ……す。

これから私達は、この学舎で、仲間として共に歩むこととなります。平民の方から、私のような王族まで、差別せず、平和で安全な学校生活を…――――――ッ!?」


 ちょうど言葉に詰まった時、会場の扉がバタンと勢いよく開いた。


 「魔物、魔物だ――――――!!

逃げろ!食われるぞ――――――――!!!」


 何事かと皆の視線が扉から入ってきた近衛騎士に集中する。

 魔物――――――――。

 人間が魔法、もしくは魔術を使うとき、空気中に拡散した魔素の塊。使う魔法もしくは魔術の規模により、空気中に拡散する魔素の量は変わる。


 (よっしゃぁ!!)


 スピーチが中断されたことで、とても助かったった。


 舞台からは、魔物という言葉を聞き、パニックになっている皆の姿が見える。


 (魔物、ねぇ……)


 俺の前世でも、魔王がいたり、魔物がいたりしたが、大体目に入ったら倒していた。


 「さーて、ちょうど堅苦しかったし、いっちょやってやるかな〜〜」


 演台に足をかけ、扉方面を睨む。


 そこには、興奮し、荒々しい息の牛鬼―――――狂気全開牛鬼之魔(キャトル・オウガ)が此方を睨んでいた。

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