11 てんてんてん…
今、俺は例の別荘の中の応接室でセイアッドとクロノア(?)と話し合っている。
クークラ一行にはお帰り頂いた。
抵抗はしなかったぞ?
まあ、セイアッドとクロノアの視線を受けて、縮こまっていたからな。
「で、なんでセイアッド・ソードが女の子になって俺のこと知ってて、クロノアが狐になってるんだ?」
聞きたいことは山ほどあるが、まずはそこからだ。
すると、セイアッドが口を開いた。
「では、せぃから。まず、せぃはセイアッド・ソードという、元はただのちょっと頑丈な剣に宿る、純精霊なんです。
なので、これが本来の姿と言うか、物質というか、なんというか…………。」
セイアッドが行き詰まったところで、すかさずクロノアがフォローに入る。
「つまり、こいつは形を持たないけど、適当に作ったのがこの姿なんです。」
「そう!そういうことなんです!」
ふむ、つまりどんな姿にでもなれるってことか。
色々と便利そうだと考えたが、まあそれは置いておこう。
「そういえばさ、クロノアって元の姿に戻れたりすんの?つーか、セイアッドとどこで知合ったんだ?」
いつも頼りになるクロノアなら答えてくれるだろうという確信をどこかいだき、狐の姿のクロノアに問いかける。
「戻れますが、今の私には今世の母がおりまして、不本意ながら沢山の愛情をいただきました。ですが、少数な種族なため、殺されてしまいまして。なので、最後まで守ってくださった今世の母の姿を受け継ぎたいと思います。」
そういえば、クロノアは召喚された悪魔で、召喚時に生成された存在。
つまり、俺が召喚するためだけにできた、俺専用の悪魔。
すべての召喚悪魔がそういう訳では無く、俺が特殊召喚を行ったためにそういうことになったのである。
初めて母の愛に触れ、なにか変わったのだろうと、グラディウスは素直にそのことを喜んだ。
「へー、まあいいんじゃね?
別におれはそのこと否定しねえし、OKだぜ。」
クロノアの意志を肯定し、おれはその後の質問の答えを待った。
「そして、せぃとクロちゃんが知り合いなわけですが、クロちゃんのお母様と関係がありまして。
せぃがスピリットという話はしたともうんですが、私はグラディウス様を探して、剣―――――依代を一度放棄し、精神だけで旅をしていたんです。
そして、クロちゃんのお母様がこしゃくな人間に襲われているところに遭遇したのです。
ですが、既にお母様は亡くなっており、その魂のみをせぃが保護し、そこから私達は様々な話をし、共にグラディウス様を探そうということになりました。
簡単に纏めるとこうなります。はい。」
なっが。
というか、セイアッドの第一人称が『せぃ』なことが衝撃的すぎてほとんど頭に入ってこなかったんだが………。
まあ、セイアッドがクロノアの母さんを助けて関係性ができたってことか。
なかなかにいろいろあったんだなと、俺は脳内で想像する。
「んで、俺をみつけたと…」
うんうんとセイアッドとクロノアがうなずく。
大体の経緯は聞けたから、いったん今日は解散しようということになった。
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「おい、お前らなんで俺んちにくんだよ⁉ってか、セイアッド、ベッドに入ってくるな!キモイ‼」
「そんなにストレートに言われると傷つきます…!!」
その様子を、クロノアは微笑ましく見守っていたとさ。




