うさぎの執事のトージ
前作「ミーコとうさぎの執事」があまりにも童話っぽくないので、もう少し童話風の独白にしました。
私は執事のトージでございます。いえいえ、決してただのうさぎのぬいぐるみではございません。ミーコお嬢様にお仕えするれっきとした執事でございます。
お嬢様のお世話をするのが私の役目でございます。折り紙を折ったり、お絵かきをしたり・・・なんでも致します。お嬢様のためなら・・・。
私は長い間、お嬢様と離れ離れになっておりました。ずっとゴミ置き場に捨てられていたのです。そんな私をお嬢様がお拾いになったのです。
うれしゅうございました。お嬢様にお会いできて、またお仕えできるとは・・・。
でも違ったのです。私を拾ったあの方は本当のミーコお嬢様ではなかったのです。
悲しゅうございました。私は一晩中、泣いてお嬢様を探して歩きました。
するとあの方が本当のお嬢様のもとに連れて行ってくださったのです。
お嬢様はよくお休みになっておりました。私がそばにいって目をつぶると、なんと夢の中でお嬢様とお会いすることができたのです。
お嬢様は笑っておいででした。そこでいろいろとお話しいたしました。やがてお嬢様と私は天に上ることになりました。皆さまがいるところに・・・。
私は幸せでございました。お嬢様とともにいることに・・・。