黒蜜直でイッキできる奴が何言っておるのじゃbyロリババア
とりあえず、僕たちはわらび餅専門店[夜祭精進]の中に入った。意外にも店内はキレイでね。荒れている様子はなかった。
ゾンビパンデミックが起こる前に店仕舞いしてあったのかね?
「さて、改めまして。僕はアルカ・シトラシス。しがない冒険家だよ。加藤 香奈、であってるよね?名前。よろしくね」
うつむいていた香奈ちゃんは、おずおずとした態度で顔を上げた。
「あ、あの、アルカさんでいいんですよね。えっと、聞きたい事があるんですけど、なんで私たちはこの店に入るまでに襲われなかったんですか?アルカさんが落ちてくる時にかなりの音がしましたけど」
「環状式魔導循円。僕の能力なんだけどね。力のひとつとしてその環境に適応する事が出きるんだよ。まあ、適応するために無理やり体を作り替えるわけだから、凄く痛いんだけどね。」
「、、、今の環境に適応したからあの巨体に噛まれないし何をしても巨体に反応されないって事ですか?」
「そういうことだね。あと、巨体、巨体って呼んでるけど、めんどくさいからゾンビと呼ぼうよ。まあ、拘りがあるなら無理しなくていいけどね?」
「拘りとかはないので大丈夫です」
香奈ちゃんは少し目をさ迷わせたあと、聞いてきた。
「、、、あの、初対面の人に聞くのはあれなんですけど、巨体、ゾンビって人に戻したりとかできないんですか?家族が、その、ゾンビになってしまって、、、」
どうにか助けて欲しいそんな思いが伝わる言い方だった。でもね、たぶん無理なんだよね。
「僕はまだあのゾンビについて調べてないから分かんないけど、おそらくは無理かな。ゾンビになると体が膨らむよね?あれだけ肉体が変化すると、人間は基本ショック死する。仮に生きていたとして、ゾンビ化の原因が分かんない限り、手の施し用がないんだ」
「そう、、、ですか」
その後、暫く香奈ちゃんはうつむいたまま声を上げなかった。
暫くした後、香奈ちゃんは顔を上げた。
「すいません、落ち着きました」
香奈ちゃんは声を震わせ、目も赤くなっているけれど、気丈に振る舞っている。凄いね、この子。
「うん、それなら良かった。さて、こらからなんだけど、家をでたんだよね。これまでどこに住んでいたのかな」
「えっと、工事現場です」
成る程ね。正直よく生きれたね。運が良かったのかな?そんな場所だとあのゾンビに見つかったらそれで御陀仏だろうに。
「よしわかった。それじゃあ、空き巣に行こうか!」
「え"?」
僕は笑顔で香奈ちゃんに告げた。香奈ちゃんは何言ってんだコイツって顔をしているけど、生きるためなんだししょうがない。
僕は堂々とどんな家がいいか物色しながら歩き、香奈ちゃんはおどおどしながらついてきている。
さて、どんな家にしようか。
新しく読み始めたゾンビ物語面白くて執筆意欲がわかない。どうしよう。
環状式魔導循円は基本本人にのみしか作用しませんが、周りの人も一定値は効果を受けます。今の香奈ちゃんはゾンビからすると「、、、人?あれ人か?人っぽいなぁ。襲うか、、、あれ?行っちゃった。まあいいや」って感じになってます。