昼休み
めっちゃ気になるけど…
今は質問に答えるべきか。
「彼女は…」
陽高レイが、賞金がかかっているクイズ番組の解答者のような表情でじっと俺を見つめてきている。
「…いない!」
俺がそう言い切った途端、
「よっかった〜!」
とガッツポーズをしながら叫んだ。
あ、もう分かったわ、この人の性格。絶対ドジだ。間違いなくドジだ。
「ドジだ…」
は! 心の声が漏れてしまった!!
すると彼女は
「ドジって言うなよ〜!!」
と、叫んできた。
この人面白いわ〜。なんか楽しくなってきたので、もう一度言ってみた。
「ドジ。」
すると彼女は機械のようにさっきと全く同じセリフを吐いた。
「ドジって言うなよ〜!」
まじか。この人そういう人か。ここで俺は、この人はどこまでついてこられるか試してみたくなった。
よし、いくぞ!
「ドジ。」
「ドジって言うなよ〜!」
「ドジ。」
「ドジって言うなよ〜!」
「ドジ。」
「ドジって言うなよ〜!」
と、ここでこれを!!
「彼女はいないです。」
「良かったー!」
あー引っかからなかったか! うっわ、満面の笑み! やっべ!! 面白すぎんだろこの人!!
でも顔は可愛いんだよなぁ。性格が衝撃的すぎてしっかり顔を見ていなかったが、ほんと可愛いぞ、この人。だからこそ、「残念な人」感が半端ねぇ…
誤解を生む言い方だが、このようにしてこの人であそんでいたその時…
(ははっ!!)
めっちゃ視線を感じる! というか、これはもうオーラだ!!
さっきから体育館裏のすみに隠れているミナから、ものすごいオーラを感じた。
ついこの陽高レイさんが面白すぎて、ミナに見られていることを忘れてしまっていた。
別に見られてまずいことは何もしてないけれど。
すると突然、ミナが隠れている方とは逆側から誰かが体育館裏に入って来た。誰だろう?
その人はどんどん近づいてくる。
そしてついに、俺の真前で止まった。
「君、村永霜太君であってるかしら?」
制服の学校マークが違うので先輩であろう。身長はミナと陽高レイさんの間くらい、つまり162センチくらいで水色のショートボブの先輩女子が話しかけてきた。
本当はここは、「はい。」と言うべき場面だろう。しかし俺はつい、こう言ってしまった。
「また!!!!?」
当然彼女は「え?」と疑問を浮かべた。
でも許して下さい。今日二回目なんです。この隣にいる人にもさっき同じようなこと言われたんです…
「すいません、何でも無いです。それで俺に何か用件が…?」
すると彼女の口から、本当の意味で聞きたくない単語が出てきた。
「屋上に怪物がいるの。」
「え!?」
「君倒せるんでしょ? 怪物。」
「はい…、でも何でそれを?」
「たまたま見たのよ。昨日の放課後、君が怪物を倒すところを。」
そうか、確かにあの道ならここの学校の誰かに見られていてもおかしくない。
でもやっぱり、「怪物」と言う言葉はあまり好きじゃないな。しかし、怪物を倒すことはおそらく俺にしか出来ないことだ。
「分かりました。ありがとうございます。」
俺はそれだけ言って、学校の屋上を目指し走り出した。あえて全速力で走り出した。
なぜなら、危険を背負うのは俺だけでいい、そう思っているからだ。こう見えても足は速いんだぜ? 彼女らも俺には追いつけないだろう。
校舎に入った。 同じクラスの奴らとすれ違う。俺はほとんど体育の授業で全力を出したことがないので皆驚いていた。
どんどん階段を上っていく。小学生の時、光介と階段掃除をしていた時のことを思い出した。俺が雑にやってそれを女子に怒られ、その光景を見てあいつは笑ってたっけ…
ようやく、最上階の四階に着いた。屋上への扉の、正方形の小さな窓を覗き込む。
「……!!」
今一瞬、サキュバスの尻尾のようなものが見えた。おそらく光介を殺したヤツの…
俺は急いで扉を開けた。
すると、
「怪物!?」
サキュバスでは無く、いつものよく見る怪物が一体立っていた。
怪物は俺と目が合うやいなや、襲い掛かってきた。まぁ怪物に目という目は無いのだが。
「来い、光の鎧!」
俺がそう叫ぶと、あの光の玉はやって来てくれた。光の玉が瞬時に俺の体にまとわりつき、光の鎧となる。
「くらいやがれっ!」
俺は右手に持つこの剣で、怪物を切り裂いた。
しかし、今までの二体は一発で無惨に散っていったのに今回の怪物はなんと耐えてみせた。
「何!?」
怪物が弱すぎるのかこの光の鎧が強すぎるのか、なんて考えてしまうほど弱かった怪物が、たかが一発を耐え抜いたというだけで俺は焦ってしまっている。
思い込みとは怖いものだ。
「だがそれなら、耐えられなくなるまで切り裂くだけだぁ!!」
悪役としか思えないセリフと同時に、俺は何度も怪物を切り裂いた。
そしてついに…
「はぁぁぁっ!!」
怪物を倒すことが出来た。やはり最後は、無惨に散っていった。
だが当然、やり切った感は無い。あのサキュバスに逃げられてしまったんだから。
早く光介の仇を打つんだ。
光の玉はまたどこかへ飛んでいった。すると、ゆっくりと屋上のドアが開いた。
「ん?」
そこから、ミナと陽高レイが出てきた。
「霜太、無事で良かったよ…」
「霜太君やっぱり凄いね。」
俺は何故か、彼女らの言葉に安心感を抱いた。
「ふ、二人ともありがとう…」
っていやいや、こんなんじゃダメだ! 俺は出来るかぎり、誰も巻き込みたくないんだ。
すると次は、二人が同時に口を開いた。
「それで、突然なんですけど私たち、仲良くなりました。」
「…………え!?」
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