同好会!
放課後、俺は現在ミナとレイさんとソラ先輩の三人にどこかへ連行されている。なぜ「連行」と言う言葉を使ったかといえば、ソラ先輩に「目をつむっていてねっ」と言われ、その状態のまま三人に手を握られ歩かされているからである。
どうやら部室に連れて行かれているらしいが、本当だろうか。
「着いたよ!」
レイさんにそう言われ目を開けると、俺は四階の端っこにある、一度も来たことがない空き部屋の前に立っていた。
「…皆さん、ここが部室ですか?」
「そうだよ?」
平然と答えるミナ。
それにしても本当に一部の人しか来ないであろう場所だ。誰の足音も聞こえてこない。
「なんでここなの?」
するとソラ先輩は特有の「お姉ちゃん目線」的な態度で語った。
「お姉ちゃんもね、もっと下の階の行き来しやすい場所でいいんじゃないのって二人に言ったの。そしたらね、絶対に誰も来なくて何をしててもバレないところじゃなきゃ嫌って言われちゃったのよ。」
「…恐ろしい。」
今のところ俺の中ではここは二人が俺を閉じ込めておく場所ってことになってるわ。頼むから俺の中のこの部室の存在意義を書き換えてほしい。
「ミナー、レイさーん、なんで部室が犯罪組織のアジトみたいな場所じゃないとダメなのー?」
レイさんが人差し指をピンと上に立て、ウインクしながら
「それはね! 何かバレちゃいけないことをする予定があるからだよ!!」
と言って、人差し指を俺の唇にあててきた。要するに黙れということだろう…
そして、ソラ先輩が鍵を開けて、部室のドアを開けた。
「よーしここがお姉ちゃんたちの部室よぉ!」
その瞬間、俺たちは自分の目を疑った。
ひっどかった。散乱とかのレベルじゃない、もうゴミ屋敷だった。ここで俺はいいことを思いついた。
「よし! この部屋諦めようか!」
「やだ。」
「やだよ!」
「いいんじゃないかしら?ここで。」
あっさり拒否られた。この後俺たちが何をするかは明白だ。片付けんのめんどいなぁ…
ミナが右手をグワっと上げた。
「よーし片付けるぞー!」
「おー!」
「おう。」
「oh…」
いや待て! よく考えたら、学校側はなんでこんなところにゴミ屋敷を!? 本当はアウトだろ!
何か理由があるんじゃ…
「みんな、少しでも面白そうなもの、怪しいものがあったら教えてくれ!」
まさか、怪物とは何も関係ないと思うけどなぁ…
***
「あぁ…やっと終わった…」
ついに片付けが終了した。かといって、まだほんと埃っぽいし細かいゴミが残っている。換気したり掃除機をかけたりしないといけないな。
そして、なんと面白そうなものが二つ見つかった。
一つ目は謎の改造されたスマホ。どこが改造されているかと言えば、頭部に変な電球が付いている。
まじでなんだこれ? 電源は入らなかったの現在充電中。
二つ目は両手で抱き抱えられそうな大きさの宝箱。鍵が無いので開かない。
…って
「これ何の脱出ゲームだよっ!」
すると、ミナが反応した。
「脱出ゲームと言えば霜太、文化祭で私と一緒にラブラブのカ――」
「あれはゲームで言っただけだ! そん時も言ったろ?」
さて、あの恋愛脳脱出ゲームは忘れるとして、もうそろそろ帰る時間じゃないか?
腕時計を見ると現在五時二十分。もう帰ったほうがいい時間だ。それを伝えるとソラ先輩が振り向いた。
「そうね。でもその前に、二人から具体的に、どんなバレちゃいけないことをするのか聞いておいたほうが良いんじゃないかい?」
「そうですね…」
ミナとレイさんを見ると、彼女らは一生懸命に壁などを拭いてきれいにしていた。何かもくろみがあって掃除をしているのではないかと思い、じっと見つめていたら、レイさんが手を止めてこちらに来た。
「そんなヤバいことをするつもりは無いよ霜太君! ただ私たちは霜太君とイチャつく場所を作っているだけ!」
「じゃあこの同好会って…」
「そう! 普段の活動は霜太君とただひたすらイチャつくこと!」
「そっか。ある意味少し安心はしたけど…、確かにバレちゃいけないな。」
アホらしい同好会だとは思ったが、この同好会は俺を大切に思ってくれてるミナとレイさんへの俺から出来るお返しみたいなものだ。内容に関しては複雑な心境だが、文句は何もない。
ソラ先輩にとっては、俺の世話をするための良いスポットみたいになってるな。
「そう言えばソラ先輩って何で屋上にいたんですか? それも二回も。」
すると、ソラ先輩の顔が急に暗くなった。
「時々見たくなっちゃうのよ。私の本当の家を…」
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