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同好会!?

「ちょっと待って。おそらく二人の言いたいことは一緒だよね…?」


 すると二人は声をそろえて


「「もちろん!!」」


 そんなに叫ばなくても、要件はほぼ予想できているけどなぁ。

 そして二人が何か言い始めようとしたその時、一次元目開始のチャイムが鳴った。


「取り敢えず教室戻ろう!…あ、俺は保健室行ったことになってるからいいのか。」

「あー霜太ずるい!」

「ウチどうやって先生を騙そうかな…?」

「レイちゃん!?」




***




 昼休み、俺はミナとレイさんを連れて体育館裏に行き、それぞれお弁当を持って腰掛けていた。

 でも、なんか距離がある。俺が真ん中で、二人はそれぞれ右と左の三メートルくらい離れたところに座っている。 

 俺がソラ先輩について話すと、左からミナの冷めた棒読み台詞が聞こえてきた。

 

「え? お姉ちゃん? 何それ。」


 こっわいよ! いや〜それにしてもカラフルな弁当、美味そうだなぁ…。

 次に右から珍しく元気のないレイさんの声が聞こえてきた。


「霜太君は私たちよりあの人がいいんだね…」


 レイの弁当、なんかミナのに似てるなぁ…って違う。違う違う。そんな話がしたいんじゃなくて…


「とにかく俺は! 怪物と戦ってる時、2人が安心していられるようにしたい! それだけだ!!」

「霜太…」

「霜太君…」


 分かってくれただろうか。すると、箸を止めてミナがため息をつきながら無表情に俺の方を見た。


「それ、あの人に言われたんでしょ。あー! 納得いかんなぁ…」


 そしてまた静かに食べだすミナ。どんだけ嫌いなんだよソラ先輩のこと…いや、本当にそれだけか?今はレイさんも含め、二人は俺にも怒っている。まさか、


「ホームルームが終わってすぐに、俺の様子を見に来てくれたのか?」

「「当たり前じゃん!!」」


 二人に結構マジトーンで怒られた。そうか。 

 ソラ先輩の言う通り、俺はこんなに大切に思ってもらっていたのか。

 そりゃこの二人にしたら心配して見に行ってみたら、俺とソラ先輩のあの光景が広がっていたわけだから、機嫌も悪くなるわな…

 あれ、おかしいな。なんか目が潤んできたぞ。俺の目から、しずくが頬をつたって弁当の中にに落ちていった。


「え、霜太ごめん。私ひどいこと言っちゃった…?」

「違う…」


 ミナとレイさんが動揺して俺の顔を心配そうに覗き込んでいる。いつも俺が戦いに行くと、二人はこんな顔をするのだろうか。とにかく今はこれを言いたい。



「二人に出会えて…良かった! 本当に!! ありがとう!」



「霜太!? どうしたの急に!?」

「霜太君…?」

「ミナ、レイさん…。だからこそ教えて欲しい。もう一度聞くけど、どうしたら俺が戦いにいっても、安心していられる?」


 その俺の言葉を聞いた途端、ミナとレイさんは笑顔になりいつもの様子に戻った。それと同時にすごいスピードで三メートルの距離を移動し、俺の両腕にひっついて来た。

 そして二人は、悩むことなく答えた。


「「同好会、作ろう。」」

「……ん?」


 悩まずに答えたと言うことは前から二人で相談していたということだろうけど、え? 同好会!? 

 ちょっと理解に苦しむぞ。


「なんで、同好会なの?」

「だって霜太と一緒に戦いたいんだもん。霜太が戦いから帰ってくる場所を作るの。」

「ウチらのヒーローの秘密基地だねっ!」

「え、でもみんなは待ってるってことでしょ? それで安心できるの?」


 それだとただ部室で待っているだけ。しかも基本的に何もしない同好会だ。それだけで、先程のような不安な顔をしなくなるのだろうか。

 ミナが突然、


「霜太、あ〜んっ」

「!?」


 箸でつまんだ唐揚げを俺の口元に差し出してきた。

 間接キス…あ、そっか、ミナは気にしないか。


「お、おう。ありがとう…」


 ミナは俺が口に入れるのを楽しそうに見届けると、満足げに言った。


「同好会。私たちはそれだけで霜太と一緒に戦ってる気持ちになれるんだよ。」

「でもそれって…」

「そうだよ、自己満足。」


 言ってることは決して明るいことではないが、ミナの顔は明るく笑顔だ。とても作り笑いには見えない。

 すると次はレイさんが、


「そっ霜太君、あーん!」


 何やら自信が無さそうな表情。

 箸でそっと玉子焼きを挟み、俺の口元に差し出して来た。

 間接キス…あ、そっか、レイさんも気にしないか。


「ありがとな。」

 

 おっ美味いな! でもなんか…そうだ! ミナの作る料理にどこか似てる。

 

「良かったー! ミナに教えてもらったの!」

「そうか。」

「ウチらは自己満足でいいの! とにかく同好会を作る!」


 それでこの二人がいいなら、俺は何も反対をする気は無い。ただ…なんか嫌な予感がしてきたぞ。


「同好会って、四人いないとだめじゃ無かったっけ?」


 なんの問題も無いかのように二人は頷いた。


「じゃあもう一人って…」

「あっ霜太これはね…」

「ちょっと落ち着いて霜太君!」


 突然慌てだした二人。同好会に必要なあと一人。それを既に確保してるかのような二人の態度で全部分かった。もうあの人しかいないじゃん!


「いつから演技してたぁー!?」

「「階段で覗き込んでいるところからです…」」


 まぁおそらく俺が朝屋上に向かった後、ソラ先輩と二人は既に意気投合していたのだろう。あの先輩、人を動かすの上手そうだしなぁ。凄いけど怖い技術だ。

 でも二人を責めることはできないな。二人自身も俺に、俺のことを大切に思ってる気持ち、不安に思ってる気持ちを理解して欲しかったのだろう。ソラ先輩は二人のためにもこんな作戦を教えたのかもしれない。

だから謝らなければいけないのは俺の方だ。


「ありがとう。ごめんな、ミナとレイさんの気持ちに気づけなくて。」


 二人は明るく頷き、逆に「ありがとう」と言ってきた。これで心置き無く同好会を…

 その前に、あれを聞いておくか。


「こんなところで聞くのはどうかと思うけどレイさん、なんで俺を好きになってくれたんだ?」


 すると意外な答えが返ってきた。


「じゃあ逆に、怪物に殺されそうなとき、美しい女の人に助けられたら霜太君はどうする?」


 そうか、なるほど。だから俺を好きになってくれたのか。


「それはもちろん、その女性に惚れてしまうだろうな!」


 俺の言葉を聞いて、突然ミナが立ち上がった。


「なら絶対! 同好会は作らないとだね! そんな女性は出現させてたまるか!!」


 何だか檻の中に俺を入れるみたいな言い方じゃないか。同好会は俺を閉じ込めておくためのものなのか?

 右側からはレイさんの笑い声が聞こえてきた。そして彼女は俺の耳元で囁いた。



「今はちゃんと内面も大好きだよ、霜太くんっ」





 




 




 




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