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現実の破壊者

ケントはゆっくり目を開けた。天井には見慣れたポスターが貼ってある。そのポスターを見てケントはすぐに気付いた。


「ここって……俺の部屋………。」


ベットから起き上がりあたりを見回す。机、ロッカーの配置、そして無造作に置かれたかばんや服、そして散らばったゲームソフトからして間違いない。ケントはジャンプしたり、少しストレッチをしてみたが、体にも違和感はない。すごいゲームだ。際限度が異常に高い。というかホントにここはゲームの世界なのだろうか。ゲームの世界にしては感覚までもが現実そのままだ。ゲームとはいえ体のことまで再現できるのか。ケントは目の前でスライドをしてみる。だが、ゲームらしき3D表示は出てこない。ケントはふと時計を見るとゲーム実装から既に三時間近くたっていた。ケントは今の状況を確かめるためフューチャー・レンズで見られるニュースを確認した。


『謎の破壊が都心で相次ぐ』


ゲーム実装から今までの三時間で都心で突然ビルが崩れたりする謎の怪奇現象が起こっているらしい。

ケントはこのニュースでさえ現実か、ゲームかわからなかった。






ケントは家の外に出て近所をふらついていた。街の様子が普段とは明らかに違う事に気付いた。人気がないなんてものじゃない。普段なら当たり前のように聞こえる車の音なども全く聞こえない。この様子ではここは結局のところゲームの世界ということでいいのだろうか。もし仮にここが現実だとしたら一体何が起きているというのだろうか。ケントは何か確信を得るためフューチャーレンズのメニューを開いた。開くとメールマークが点滅していた。どうやら新着があるらしい。だがこんな時にだれが何のために?ケントは恐る恐るメールを開いた。


『やあ皆さんごきげんよう。』


メールを開くと3D表示は大画面になり動画が再生された。そこには赤いフードをかぶり、目を赤く光らせている謎の男が映っていた。


『早速だが君たちは選ばれたplayerということだ。わけがわからない者も多いと思う。選ばれたplayerというのは本来実装されるはずだったゲーム《Another earth》に参加できたplayerのことだ。ちなみに全人数で37564人。なぜか?それは後に分かることだ。今説明する必要はない。とりあえずこの世界は現実だ。君たち37564人にはこれからこの現実で世界を救う戦いをしてもらう。』


現実?player?理解が追い付かない。とりあえずここは現実らしい。という事はいつもと様子が違うのはこの男のせいなのだろうか。ケントは動画に映る赤い瞳をにらむ。


『君たちも知っていることだろう。今都心で謎の怪奇現象が起きていることを。あれはすべて本来《Another earth》に出現するはずのモンスターたちの仕業だ。そのモンスターは君たち、選ばれたplayerにしか見えない設定になっていてね。このまま君たちが動かなければすぐにこの国も破壊されてしまうだろう。』


ホントにここは現実なのか?いくら現実といわれても素直に信じられるはずがない。そんなことを考えていると目の前にゲームコマンドが出現した。


・アイアンアーマー

・ウェーブソード   を入手しました。


ケントのジャージが見る見るうちにゲームチックな鎧に変わっていく。そして気づいた時には右手には剣が握られていた。その剣は不思議と右手になじんでいた。


『君たちにはその装備で戦ってもらう。まるでゲームだろう?せいぜいがんばってくれたまえ。ただ一つ言わせてもらう。これが現実だという事を決して忘れるな。それでは健闘を祈るよ。ハッハッハッハ!!』


男の笑い声の後、大画面は消え、静けさだけが残った。

これは現実。そして行動しなければ世界は壊れる。ケントは何度も自分に言い聞かせ、剣を強く握り締めた。

よくわからないけど、何かしないと謎が解けない気がする。そう思うとケントはニュースで見たあの都市に向かい歩き始めた。









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