フューチャー・レンズ
ーー2045年--
化学の進歩により、様々な発明が世に出回った。
仕事の変化、勉強の変化など発明により大きく変わっていった。
その中でその変化を引き起こす発明があった。
〔フューチャー・レンズ〕
VRやARではなく複合現実〈MR〉を体感できる機器。
つければ目の前に3D表示が現れ、手をかざしたり、押したりして操作出来る優れものだ。
フューチャー・レンズはコンタクトレンズ型で5歳以上の使用が可能。
インターネット、電話、健康管理まで携帯よりも楽に、より実用性が高いものだ。
それでも2045年の世界では使用しているユーザーは日本人口の2割程度だった。
だがその5年後、使用人口は8割まで跳ね上がった。
それは………
『フューチャー・レンズ初!!〈MR〉体感ゲームが今日、9月15日に発表されました!!!!』
テレビでフューチャー・レンズ体感ゲームが大きく取り上げられていた。
『いや〜。〈MR〉でゲームですか………まず〈MR〉とはなんですかね?』
『どうやらARとVRの複合体、いわゆる(複合現実)らしいですね。』
ゲーム会社〔Foundation〕のフューチャー・レンズ対応ゲーム発表により街では周りを見れば、フューチャー・レンズをつけている人たちばかりだ。それほど皆注目している。
だがそのゲームの内容は明かされはしなかった。ただ一つゲームタイトルだけ発表された。
《Anothet earth》
意味はもう一つの地球。
角谷 剣疾は発表されているその様子を見ていた。
彼にとってこのゲームは希望になると感じた。
中学2年生にして家に引きこもり、オンラインゲームをplayしていた剣疾にとって、今回のゲームは画面上ではない。実際に人間と関わることができる。このゲームなら自分の中の「本当の自分」を強くできるのではないか、そう思ったから。
発表から一週間後。
遂に実装まで残り5分と言うところまで来た。剣疾は自分の部屋で待機していた。
フューチャー・レンズテレビでカウントダウンが始まる。
『5………………4…………………』
現実で失敗して架空現実に逃げてきた。
だけどこのゲームでなら
『3………………2…………………』
いける気がする!
剣疾はそう思うと前を向いた。
『1………………0!!!!!!』
「ゲームスタート!!!!!!!!!」
日本の様々な場所で同じ声が響いた。
その瞬間剣疾の視界が暗くなった。
「んん…………………」
気づくと周りは暗く、ただ機械音だけが聞こえる。
目の前には沢山の3D表示が広がっていた。
戸惑いながらもゆっくりその表示に近づいた。
[プレイヤーネーム入力【 】]
プレイヤーネーム入力………今までのどのゲームでもあった事だが、少し考えた。
今までは実際に会うことなんて無いが今回は違う真剣に考えないと。顎に手を当てて考えた。
「カクト?いやダメだ!」
本名の省略でも良かったが、なかなかしっくりこない。もうしばらく考えようとした時、自分の前から機械音がまた聞こえ始める。再び前を向いた時剣疾は驚愕した。
「なん……で??」
既にプレイヤーネームの枠には(ケント)と言う入力がされていた。
この空間に他の人間の気配は無いはず。
[サーバーに接続中………]
「何!?」
既にプレイヤーネームは確定し、ロードが始まっていた。今から変更することは出来ない。
剣疾は大きなため息をついた。ゲームで本名を使うなんて初心者みたいでカッコ悪い……
そう思いながらゲームはスタートした。
Another earth 管理会社〔Foundation〕
「何故コントロール出来ない!?」
コントロールルームで研究者達がPCを慌てて叩いている。
だがその画面には《Uncontrollable》という文字しか出てこない。
「このままじゃ現実にも影響が………………」
その後ろで笑う黒い影がいた。その目は赤く光る。
その影は微笑むとコントロールルームから立ち去った。