誕生日 せれあま
あまづがわりと女々しいせれあま。
年齢操作してます。セレナは社畜
セレナがあまづんを養ってる
がちゃり。
玄関の戸を開ける音が聞こえた。
今日は遅かったなあ。
「おかえりー。」
「...ただいま.....疲れた....。」
生気のない声の発生源であるセレナは近くのソファーにどっと倒れこんだ。
このまま寝られても困るので、可哀想だが指示をしておこう。
「おつかれおつかれ。ご飯用意するから風呂入ってきて。」
「わかった...。」
ふらふらと風呂場へ向かうセレナの背中を見届けてからふっと悲しい気持ちになる。
あの様子じゃきっと覚えていないだろう。
.......今日は私の、誕生日なのだ。
我ながら身勝手な話だ。
毎日私のために仕事をしてくれているにも関わらずに祝ってもらうことを期待してしまうなんて。
それでも、なのだ。
おめでとう の一言でいい、祝って欲しかった。
*
「!! これあまづんが作ったの??めちゃ美味しい。」
ありがと、と返して、随分素っ気ない言い方をしてしまったなと心のなかで後悔する。
覚えていてもらえなかったことを引きずっているのか、私は。
考えていて泣きそうになる。
夕食を食べ終わる頃にはもう0時前だった。
ごちそうさま、といって立ち上がろうとしたそのとき、
「ま、まってよ!!!ちょっとまって!!!」
と、慌てたセレナの声。
驚きで肩を揺らして振り向くと、鞄のなかをごそごそやっていた彼女と目があった。
「_誕生日おめでとう!!!」
同時に差し出されたのはケーキの入った箱。
その箱をみて、この間の休日に美味しそうだねと言ってガラス越しに眺めていた店のものだと気づく。
こんなところまで気を使ってくれるなんて。
先程とは違った理由で潤みだした私の瞳を見て、セレナはぎょっとして慌てて私の頬に手をあてた。
「!?!?!?えっっごめん私なんかした!?!?!?」
...だって。鈍感だなあ。
涙を拭って、満面の笑みをセレナに向ける。
「___ありがとう!!!」
君のそんなところが、大好きだ。