5話 僕は男なのに…
度重なる事態により、僕は女子としてデートしている…しかも相手は僕の友人のラークだ…
「そういえば、名前聞いてなかったよ。俺はラーク。君は?」
「あ、シェリア・ルーナレルです!!」
咄嗟に考えた名前だ…だが、ラークに気付かれなかっただけ良かった。
僕達は街を歩く。通りかかった服屋に入り、ラークは
「何か欲しい服とかないの?」
などと聞いてきたが、僕も男だから女子のファッションがよく分からなかった。
「着てみて欲しいなぁ」
なんて言われたりしないか不安になっていると、早速言われた…
着物やら学生服やら着せられて、疲れはてて近くの喫茶店で休んでいると、
「金だ!!金を出せェ!!」
「死にたくなかったら大人しく来い!!」
と、聞こえた。
強盗団が街に来て、色んな事をしている。
「ごめん、シェリアちゃん デートは一旦中止だ…俺が止めてくる。」
ラークが行ってしまった。遠くでルーシィの声がする。
「あ、ハイル君!!ラークは何処に?」
「暴動を止めに行ったよ…僕も行ってくる!!」
急いで走り出す。ルーシィの静止を振り切って、ラークを助けるために…
けど僕は気付いてなかった。自分の姿に…
「お頭ァ!!金はこれだけしかないですぜ!!」
「もっと集めろ!!クズが!!」
「お前がボスか?」
ラークが到着した。彼はすぐに武装展開して戦っていた。
もうすぐ到着する所で気付いた。
僕、女子の姿じゃないか!!
仕方なく、その姿のまま戦闘に参加しようとするが僕の存在に気付いたラークに、
「女の子には危険すぎる!!」
と、止められる。
けど僕は止まらない。自分が今、シェリアという別の人間であることを忘れていた。
「現れろ、『封印剣 正宗!!』」
「ちッ…二匹目が来やがった。一匹目はもう死んでるだろうけどな!!」
振り向けば、倒れたラークがいる。まだ意識がある様だ。
「専用魔法、アンリミット!!」
僕は正宗の封印を解く。敵の攻撃がくる、避けつつ攻撃するが、なかなか当たらない。
(隙が見つからない…あれほど単調な攻撃なのに…)
「ひ弱な攻撃じゃあ入らないなァ!!」
「脇が空いた、今だ!!」
僕は脇に攻撃、ヒットした。
「ぐッ…!?テメェ…当てやがったな!!」
大きな隙が生まれた。
「剣技、『解放剣 一閃』!!」
僕の剣技が敵を貫く、敵は倒れ、僕は勝った。
「うッ…」
ラークが起きた、バレたら不味い。僕は一礼してからその場を離れる。
「って行っちゃったんだよ…」
「またその話かよ…」
「それでその娘が正宗使ってたんだけど…」
「え!?聞き間違いじゃないかな!!」
「そうか?なら良いけど…」
危なかった…
正宗は僕専用の剣だ。もしバレたら僕は生きていけなくなる。
「やっぱりハイルもメイド喫茶に票を入れるよな!!」
「あ、ユージか…しばらく出ないからみんな忘れてるよ…」
「まだ決まってないのか?」
「ラークは休んでたから知らないんだっけ」
今、上がっている候補は
メイド喫茶
演劇
展示会
の3つだ。僕は展示会が一番いいと思う。
問題なのはメイド喫茶に女子の票が多いことだ…
男子も少なからずいる。幸い、男子が展示会にほとんど入ったから、まだ決まってない。
「何でこんなに文化祭は難しいんだ…」
僕はため息をついた。