魔導書と契約
さて、俺の名前は斎藤真だ。
今、貴族の長男息子として転生したわけで、目標も見つかったからいいのだが、今の俺は赤ん坊なのだ、特にすることも無くせいぜい周りを観察する程度だが暇な期間を過ごしている。
と、まあしばらくベビーベッドで過ごしていた俺は、今屋敷の中で儀式を行っている。
何の?と言われるとどうやら魔導書、グリモワールと契約するらしい。
何でもこの世界では、生まれてからしばらくするとグリモワールと契約するらしい。何故と言われると詳しくは知らんがうまくいいやつと契約できると人生薔薇色らしい。
一度契約すると一生の間柄になる。
何故幼いうちに契約するかと言うとグリモワールがある程度守ってくれるからだ。
なんか教会の神父らしいひとたちが魔法陣っぽいやつの中心に俺をおいて呪文を唱えている。
(汝は何者だ…)
うお!?なんだいきなり!!!周りのやつは特に気にしていないようだが…
(肉体と精神体の姿がまるで違うではないか……)
あんたはもしかしてグリモワール?
(うむ、我はグリモワールだ)
名前とかないの?
(我は名は持たぬ。して、お主はとても面白い…赤子なはずなのに我と話をするとは…普通ある程度大きくなってから話せるようになるはず…)
そうなのか?まあ、そんなことはどうでもいいや。俺はグリモワの機嫌を損ねないように丁寧に質問をした。
ところでさあなたは強いの?
(………我をなめてもらっては困るな、我は貴様らが我々を比較する際に使う階級でも上位の存在だぞ)
そうか、なら俺と契約してくれない?
(何故だ?)
何故ってそれは…もちろん人助けのためにだろ、大きな力があれば多くの人を救える。
魔導書はしばらく考えたようだが、俺の考えに共感してくれたのか魔導書は答えた。
(……………うむ、面白そうだな汝は、よかろう汝と契約しよう。)
そうか、それは有難い、なら名前決めないとな。
(名前か…何でも構わんぞ)
そうかうーんと、実際は横になっているだけだが脳内では腕を組んで唸っている。
よし!決めた、お前の名前は、グリアだ。
(グリア…グリア…うむ、まあ悪くはない)
と、グリアはまんざらでもない様子だった。
これからよろしくなグリア。
(ああ、よろしく頼もう我が主)
おう!
こうして俺はグリアと契約をした。
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