プロローグ 楽しそうな後輩
第2回オーバーラップ文庫WEB小説大賞の存在を知りましたので
それ用に一筆書いてみようかと思います。
テーマは「異世界×バトル」ということで、
それに準じたものになりますが、自分なりに捻って書いていきます。
なろう初投稿となりますのでノウハウわかりません。
少しずつ慣れていきます。
一週間に一度以上の更新を目指します。
10万文字以上は少しきついかなぁ。
「異世界なう……と」
スマートフォンにそう書き込んだものの、しかしそれが送信されることは無かった。
なるほど当前だが基地局は近くに無いらしい。
加賀はスマートフォンの電源を落としてポケットに戻した。
いつも持っている傘を杖の代わりにしながら、加賀は窓の外を覗きこむ。
太陽が一つ、『世界』を照らしている。
これはまぁ、問題ない。
しかしこの空には、なんか月っぽい惑星が三つくらい浮かんでいた。
ありえん。
「やっぱ繋がんないっすか、加賀先輩」
んふふふ、と無邪気に微笑む彼女。
後ろで二つに結んだ柔らかい髪。
背は低めであるが、その割には大きな胸を制服の下から主張させる。
だらしなくペタリと床に座り込み、アホっぽく左右にリズムをとって揺れる。
そんな彼女。
加賀の後輩。
黒瀬である。
「楽しそうだな、黒瀬後輩」
加賀は呆れたように言った。
対して黒瀬は、おどけるように口を開く。
「んふふ~。そりゃあ楽しいっすよ。加賀先輩はワクワクしないっすか? 異世界っすよ。異世界。異なる世界なんすよ」
バッと黒瀬は立ち上がり、テコテコと加賀が覗き見る窓へと寄ってきた。
グイッと加賀を押しのけて、そこから見える街のような場所を、黒瀬は指差す。
「あの街っぽいとことか超行ってみたいっす。中世ヨーロッパ的な感じ、めっちゃ楽しそうじゃないっすか?」
むふぅ、と無邪気に鼻息を立てる。
なんか子犬みたいだった。
「いやー、ファンタジーって大抵は中世ヨーロッパ的っすけど、マジで中世ヨーロッパなんすね。中世ヨーロッパぱねえっす。よーろっぱねえっす」
こいつ今すげえ中世ヨーロッパって言ったな、と加賀は心の中で突っ込んだ。
「でもまぁ、とりあえずはお風呂っすね。いやー、異世界にもお風呂があって良かったっす。つーか、制服も洗いたいんすよねー。異世界には洗濯機あるんすかね?」
「洗濯機のある中世ヨーロッパは嫌だけどな」
しかしそれでも、その制服姿であの街には行けないだろうな、と加賀は思う。
おっとりとした表情で、一見したらとても大人しそうな黒瀬。
そんな彼女でも、さすがにその血まみれの服装では外を出歩けないだろう。
二人が今の状況に至るまで、少し時間を遡る。




