表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 北丘淳士
4/5

楽しみ

 あいつとライトノベルについて話す事が出来た。

 前々からライトノベルに興味があったんだ。もっと会話して色々な話ができると面白いだろう。

 梅雨の晴れ間は清々しい。蒸し暑いが、外で遊ぶことが出来る。俺はサッカーボールをロッカーから取り出し、校庭に向かう。いつもの仲間も呼応するようについてきた。この天気だとグラウンドも乾いているだろう。リフティングをしながら階段を降りる。周りからは器用だとは言われるが、コツを掴めば簡単だ。

 あっという間に昼休みが終わり、午後の授業が始まる。

 物理は苦手だが、先生の話が面白い。ウイットに富んだ話し方と言うのだろう。もっと勉強して物理の真髄を垣間見たいと思える。

 先生から質問が飛んできた。俺はその質問に冗談で返す。教室から笑いが起きた。楽しい感覚だ。楽しいと思える気持ちを持っていると、周りがそれに感化され、和やかな雰囲気になる。俺はその一体感が好きだ。学校も面白いし、サッカー部も面白い。もちろん帰宅しても積みゲーがあるので楽しみが待っている。

 気持ち一つで人生が変わると幼い頃、母が教えてくれた。その教えは間違いでは無いと今も感じる。

 窓の外が暗くなってきた。

 午後から雨となると、部活は室内での練習になるだろう。

 雨が降ると、生徒を一人背負って階段を登るトレーニングだ、と先輩からLINEが入ってきた。

 あのトレーニングは地味で、なかなかきついが達成感が堪らない。限界まで体力を消耗して、しっかり栄養を取る。そうすると、よく眠れて、次の日は体にエネルギーが充溢している感覚になる。

 今日の授業で分からないことがあったが、あいつは物理が得意らしいから、ライトノベルについて聞くと同時に、物理の事についても訊いてみよう。

 ホームルームも終わり、男子更衣室でトレーニングウェアに着替える。最近買って貰ったアディダスの短パンをはき、ひやりとする化繊のウェアを着る。気合が入る。

 まだ外は曇りのままだ。とりあえずトラックへと向かう。一階に降りると雨が降ってきた。

 今日は階段のトレーニングに変更だ。

 いつもの北校舎のトレーニング場所に向かう。

 その時、昇降口で女生徒が雨を眺めているのが見えた。

 置き傘が二本あったので、昇降口横の傘立てから自分の傘を一本抜き取り、近づいて差し出した。

 彼女は驚いた顔をしていたが、俺は明日持ってきてくれれば、と言い、何度もお辞儀をする彼女に手を振って北校舎に向かった。

 さあ、しっかり鍛えて、家の御飯を楽しみにしよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ