表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/15

「また、会ったね」


(銀髪に、青い瞳の少年!夢で会った人だ!!)


「あ、あなたは誰?名前はなんていうの?」


「僕は、ユハニ。ユハニ・サーリ」


(やった!名前、聞けた!!)


「ユハニ、さん?」


 ちょっと、ドキドキしながら、復唱してみた。


「ユハニ、でいいよ。アイリ」


「ユハニは、どうして私の事を知っているの?」


「未来からやってきた君が、僕を助けてくれたからだよ」


(私が、未来から来て、ユハニを助ける?)


「ちょっと、よく分からないんだけど」


「僕も、君のこと、ほとんど知らないんだ。ごめん」


「だけど、ちょっとだけなら、教えることができるはずだよ」


「君は、この世界に来ているんだろう?」


「この世界?」


ガーデニア(聖地)を中心とした世界、と言えば分かるかな?」


「!!ガーデニア(聖地)を知っているの!?」


「知るも何も。僕は、この世界に住んでいるんだ」


「そうなんだ!!」


「この星の裏側、ちょうど、ガーデニア(聖地)の裏側だけどね」


「星の裏側?」


「地球でも、地球の裏側とか、言うんだろう?それと一緒さ」


「!!随分、遠くに住んでいるんだね」


「まぁね。魔法陣の転移魔法じゃ、来れない距離だね」


「!!魔法陣の転移魔法って、制限距離があるの?」


「あるよ。110㎞くらいかな」


「!!そんなに短いんだ」


「そう。だから、君は今、ガーデニア(聖地)のすぐ近くにいると言っても、過言ではない」


「そうなんだ」


「だから、早く花魔法を、転移魔法を身につけて、僕に会いに来て」


「待ってるから」


 ユハニは、熱心に言った。


「で、でも、遠くに住んでいるんでしょう?」


「花魔法の転移魔法なら、ひとっ飛びさ」


「!!そんなに、花魔法の転移魔法って、すごいの?」


「ああ」


(それなら、家に帰れる!!)


「今、家に帰れるとか、思っただろ?」


「あ、分かった?」


「それだけ目をキラキラさせればね」


「頼むから、帰る前に、僕の所に来てくれよ」


 ユハニは、懇願した。


「僕には、君が必要だ」


「君の()が欲しい」


(な、なんですと!?)


 私は、自分の顔が赤くなるのを感じた。


「ど、どうしてそんなこと言うの?」


「本当の事だからだ……、ぐっ……!!」


 ユハニは、急に胸を押さえだした。


「ど、どうしたの!?」


「い、いや、なんでもない……、こほっ……!!」


「ユハニ、口の端から血が出てる!!」


「ユハニ、病気なの!?」


 ユハニは、力なく笑った。


「ちょっと、()にやられてね……」


「頼む……、待ってるから……」


「ユハニ……!!」


 私は、自分の声が涙声になるのを感じた。


「あぁ、時間だ。僕、行かなくちゃ……」


「待って、ユハニ……!!」


 がばあっ。


 私は、飛び起きた。


 ゼィ、ハァ、ゼィ、ハァ……。


 夢の中で、大声で叫んだからか、全速力で追いかけようとしたからか、私は息切れしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ