朝食
愛梨は、考えあぐねていた。
あの、夢の中の少年の事。
アルビー先生とローラさんに相談していいものかどうか。
確かに、アルビー先生とローラさんはいい人そうだ。
けれど、ユハニは、私が未来から来たと言っていた。
と、いうことは。
私は、過去の、この世界にたどり着くということになる。
私は、この世界の過去を変えてしまうのだろうか……?
それって、良い事なのか、悪い事なのか。
分からない。
とりあえず、保留ね。
中1の頭じゃ、難しすぎる。
やめやめ。今、できることをしよう。
私は、うだうだ考えることをやめて、ベッドから出た。
タンスから、ローラさんが用意してくださっている服を取り出して着た。
タンスには7段の引き出しがあり、1番上の引き出しに靴下と下着が、
上から2番目の引き出しにブラウスが、3番目の引き出しにはカーディガンを入れてくださっている。
7番目の(1番下の)引き出しには、ジーパンのような、丈夫なズボンを入れてくださっている。
すべて、ローラさんの娘さんの物だ。
「好きな服を着てね」
ローラさんは、私に好きな服を選ばせてくれた。
私が選んだのは、白いブラウスに淡い黄色のカーディガン、濃紺のジーパンに白い靴下だ。
私と一緒にやって来たヘアゴムで黒髪をポニーテールにして、準備完了!
「今日も1日頑張るぞっ!!」
私は、声に出して言って、気合を入れた。
「おはようございま~す!!」
元気よく、階下に降りていくと、スープのいい香りがふわんっとした。
「おはよう~。早いのね。まだ寝てていいのよ?」
ローラさんが、気遣ってくれた。
「大丈夫です。元気いっぱいです」
私は、笑顔で返事した。
「そ~ぉ?じゃあ、朝ご飯にしましょうか」
ローラさんが、答えた。
「顔を洗って、手を洗ってきてね」
「は~い!」
私が席に着く頃には、既にアルビー先生もローラさんも席に着いていた。
「あ……、遅くなってごめんなさい……」
「あら、遅くなんてないわよ。私たちが早いだけなの」
「でも……」
「今、6時になったところよ。早朝よ」
確かに、時計は6時を指していた。
鳩時計が、ポッポと鳴いている。
「大丈夫。さぁ、いただきましょう」
ローラさんの朝食は、温かくて美味しいものだった。
具だくさんの野菜スープに、焼き立ての丸パン。ウインナーも添えてあった。
(あったまるぅ~)
「美味しいです」
ほくほくの笑顔で伝えると、アルビー先生もローラさんも、ニコニコだった。
「アルビー先生、今日の予定はどんな感じなのでしょうか?」
私が改めて聞くと、アルビー先生が頷きながら言った。
「そうじゃな。
ガーデニアの花畑の世話の合間に、お主やジェムに魔法を教えるといったところかの」
「ガーデニアのお花畑は、とても重要なのですね」
「そうじゃな。この世界を支えておる、力の源じゃからの」
「力の源……?」
「ホッホッ。アイリは、アイリのできることに集中する事じゃ。
世界の仕組みにまで、気をまわさんでもよい」
「はい……」
「食べ終わったら、ガーデニアに行くぞい。
焦る必要はないが、支度をしてな」




