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すべて叶えよう   作者: 夜
第一章 幼少編
18/33

父さんすごい


 「ふぅ、さっぱりした。」

 

 みんなを待たせないように軽く風呂に入って汗を流した。

 かなりさっぱりした。


 新しい服に着替えて食堂に向かう。


 

 「お待たせしました。」


 「大丈夫だよ。訓練お疲れ様。

 さ、座って、食べよう。」

 

 「はい。」



 みんなで食事をしながら今日あったことをそれぞれが話す。終始楽しそうだった。もちろん俺も楽しかった。相変わらず父さんと母さんはラブラブだし、兄さんたちも仲がいいし。



 今日も平和だ。いいね。



 「ところでラディ」



 …よくない予感。



 「なに?」


 「お前もあと半年もしたら5歳になるだろ。

 そうしたら本格的に教師をつけて勉強が始まる。歴史などの座学だけじゃなく、ダンスや食事マナーなど貴族が必要なことも学ぶ。


 それと嫌だろうが、社交会デビューもする。

 洗礼のあとになるが、ラディの5歳の誕生日は盛大に行うつもりだ。もちろん陛下たちも来る。面倒なら適当にあしらってもなにも問題はない。こいつらも適当にあしらってたしな。


 ちなみに洗礼と誕生日会は同じ日だ。」



 最後に爆弾のようなものを落としてきやがった。前半は別によかったけど、後半は耳を塞ぎたくなった。



 俺は洗礼で色々やることがあるのに。

 …できなくはないからいいけどさ。

 本音を言うと、ゆっくりしたかったよ。とっても。




 それにしても社交会か、くそ面倒だな。

 

 よし、兄さんたちに習ってちゃんとあしらってやろう。『こいつなら取り入れるかも』とか微塵も思わせてやるものか。大公家を落とすようなことは絶対にしないぞ。



 勝手にそう心に決める。



 我が大公家は帝国が誕生するときに手伝ってやった恩がバリバリにある。むしろ大公家がいなきゃ帝国は誕生してない。


 当時は皇帝になるべきだって話だったみたいだが、当の本人に全く興味がなかったから突っぱねられたらしい。

 それで今の皇帝がなった。


 建国してからも近隣諸国との戦争が絶えなかったが、その時も大公家の一族が大いに活躍した。

 今でも大公家のお陰で魔物に怯えなくていい生活ができている。それもあって皇族は、俺らの一族に強く出れない。むしろ俺らが適当にあしらってもあっちは何も言えないんだと。



 …他にも理由はあるけど。



 俺らに強く出れないのは他の貴族も同じで、皇族より俺たちに取り入ろうとする奴らも多い。もちろん、みんなは無視しているみたいだがな。


 社交会になんて出たら大変だっていうのは、行ってなくても分かる。

 参加した人がまじでいい人達だけだったら良いけど、そうじゃない奴らには…手が出そう。


 …それは気をつけねば。



 「社交会…そうですか。」



 他の貴族は社交会のデビュー前に親戚同士で集まっていると思うから、大公家がちょっと閉鎖的なんだよね。



 …これはわからんではない。



 「ラディ、無理しなくていいからね。ちょっと顔を出したら()部屋に戻って大丈夫だからね。」


 「ありがとう、母さん。そうするよ。」



 そう言って食事を再開する。






 食事が終わったので、部屋に戻って風呂に入る。


 この世界に風呂の概念があって本当によかった。体を水で流すだけとか、拭くだけとかだったら終わってた。なんとしても自分で作ってたわ。まじで助かる。それにすっごい広いから泳げるぜ!





 ふぅ、



 やっぱりお湯に浸かると、今日も一日頑張ったなって気分になるな。






 お風呂から上がり、寝巻きに着替える。

 



 

 鏡の前に立って、見る。





 うん、美少年。



 シミひとつない陶器のような、綺麗な白い肌。この世の粋を集めたような顔立ち。高くスッと通った鼻、ぱっちりな二重、ぷっくりした血色のいい唇、完璧な輪郭。

 少したが母譲りのくせ毛に父親譲りの純黒の髪、どちらにも似ていない鮮やかで澄んだ赤い瞳。猫の様な瞳孔に、よく見れば幾何学模様がいくつもある。


 ちょっと微笑んだり、

 悩ましげな顔をしたりしてみる。



 おお、これはちょっとやばいんじゃないか?

 こんなん誰でも落とせるぞ。

 …やらないけど。



 これでまだ5歳なんだから、とんでもないわ。

 赤い瞳はアステルと同じだな。これはすごく嬉しいぞ。

 それに瞳なんて、よくみなければ何がどうなっているのかなんてわからない。俺もよくわかってない。家族だって瞳に模様があるなんて知らないだろう。両親はギリ知ってるかな?ってレベル。それが両目。やばいね。



 そんなことを考えながら、風呂場から部屋に戻る。




 そういえばステータスがだいぶ伸びたんだった。

 もうすぐ洗礼だし、改めてみておくか。


 偽装はちょっと変更したほうがいいかな。

 ここ一年半でトレーニングをちゃんとやってたから。




 ちなみに、ケレイブのステータスだけど、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 ケレイブ・アーム

 年齢 34 性別 男

 種族 人間族

 職業 グレルイド大公家第一騎士団団長


 体力 A 24,000

 魔力 A 17,200

 筋力 A 19,800

 俊敏 A 22,000

 知力 B 9,400


【状態】良


【魔法適性】

 火C、土B


【魔法】

 火魔法(初級、中級・低)

 土魔法(初級、中級)


【スキル】

 暗視II、魔法・物理攻撃耐性III、

 感知II、苦痛耐性III、隠密行動IV、剣術V、

 体術IV


【固有スキル】

 −


【称号】

 ・努力家

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 こんな感じだ。


 流石騎士団長、強いわ。

 まあうちの家族の方が強いけどね…

 …34だったんだ。全然見えない。



 父さんはこんな感じ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 ノラヴアート・ルナダクト・グレルイド

 年齢 26 性別 男

 種族 人間族

 職業 グレルイド大公家当主


 体力 S 92,000

 魔力 S 89,000

 筋力 S 90,500

 俊敏 S 94,000

 知力 S 72,000


【状態】良


【魔法適性】

 火S、水A、風A、闇A


【魔法】

 火魔法(初級、中級、上級)

 水魔法(初級、中級、上級・低)

 風魔法(初級、中級、上級・低)

 闇魔法(初級、中級、上級・低)


【スキル】

 暗視VI、魔法・物理攻撃耐性VI、

 感知V、剣術VII、体術VI、状態異常耐性V


【固有スキル】

 回復、護る者

 

【称号】

 ・大公家当主

 ・黒の騎士

 ・戦場の覇者

 ・Sランク


【加護】

 ・護り見る者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 比べるのがおかしいほど強かった。

 母さんもここまでじゃないけど強かったし、兄さんたちも騎士団長くらいには強かった。

 帝国でトップと言われるだけあるわ。

 もう怖さすら感じる。


 固有スキルかっこよすぎだろ、これ。

 …いいな。

 称号もすごいし、加護もついてるし。

 父さんの全てがかっこいいわ。



 …ん?てことは22で子供4人ってこと?

 すごくない?

 母さんも同い年だし。






 さて、俺のステータスはどうなっているかな?


 

 って思ったんだけど、教会に行く前日とかにしようと思う。

 いちいち変えるのは面倒だから。




 そう思いながら眠りにつく。

 今日もいっぱい頑張ったから早々に意識を飛ばした。







 こんな感じに過ごして、もう半年経った。


 早かったわ。



 訓練をしつつ洗礼と誕生日会の衣装を決めたり、アクセサリーを決めたりと忙しかった。本格的な教師がつく前だけど、誕生日会があるから恥ずかしくない程度に姉さんに協力してもらって練習した。












 「うぅ、うー。よく寝た。」



 いつも通りソノットが起こしに来る前に起きる。

 ベッドから出て顔を洗い、着替える。



 俺を起こしに来たソノットを伴って食堂に向かう。

 

 明日はいよいよ洗礼だ。

 …その後に誕生日会があるけど。



 今夜、ステータスを偽装しとかないとな。



 今日は明日のためにランニングなどはしない。だから、座ったままできる魔力の訓練をする。


 純度は結構高くなったと思う。だいぶ細かくした網に引っかかるものがほとんどなくなったから、あとはコントロール力を磨こう。




 朝食を食べ終えて部屋に籠る。

 籠る前に『やることがあるからどうしても必要な時以外は誰も入ってこないように』と言っておいた。

 そこは忘れない。危ないって言うのもあるし。





 それはそうと早速やりはじめよう。



 魔力塊に属性を付与したものと、していないもので計7つ生み出す。それをまずは、身体を周るように動かし、段々と速度を上げる。


 今度はそれぞれが異なる動きをするように動かす。もちろん速度は速いままで。



 その次は、部屋中を適当に動き回らせる。これをベッドに座ったまま行う。

 もちろん、今も俺の体の周りには薄く濃い魔力で膜を張ったままだ。そして部屋中を動き回らせているものとは別に、もう7つ魔力塊を出す。それを俺の身体の周りをバラバラに動かす。



 結構な集中力と精神力が必要だ。



 









 コンコン



 「ラウディエル様、昼食の準備が整いました。」


 ソノットが部屋に入らずに伝えてくる。

 入らないでっていうのをちゃんと守ってる。いい子だ、えらいね。



 今はソノットの方が4歳上だけど、精神年齢は俺の方が上だから上から目線になるのはしょうがない。


 諦めてくれ。


 

 「わかった、直ぐ向かう。」


 そう言って洗浄クリーンをかける。



 クリーンは無属性魔法だ。

 できないかなって思ってやったらできた。



 「ふぅ、さっぱり。

 ソノット、待たせたな。行こう。」


 「はい。」



大公家の一族は感情が昂った時などに、瞳孔が猫の目のように縦になります。

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