街から姉より
〜ルルス視点〜
「こっちにポーション持ってきて!」
「わかりました!」
スタンピードに激突してから私は物資の供給をやっている。フルス君と一緒にいたかったけどわがままは言える状況じゃないから。それにしても次々怪我人がくる。向こうには回復術師が数人しかいないといえど対応しきれないぐらいまずいってこと?
もう半分ぐらいの冒険者が休んでいる、フルス君も戦ってるらしいけど向こうは向こう、こっちはこっちでやることをやらないと...
「きゃあ!」
今の悲鳴ってデルスィーさんの!?・・・なんか嫌な予感がする。フルス君に前世があったことを聞いた時は心配だったけどあの2人は仲がいいってのはわかる。フルス君は優しいから大事な人が傷つくと倍以上で仕返しする。
「おい、あれ見ろ!」
「くそっ、よりによってこんな時にドラゴンが来るなんて聞いてないぞ!」
その声につられて見てみれば銀色の鱗を纏った冷酷な目つきのドラゴンが街に背を向けて佇んでいた。
「ルルス殿!」
「あっ!えっと、クロノさんだっけ?」
「ああ、あってるぞ。主人殿の大きな魔力の本流を感じてきてみればあんなことになっとるのはのう...」
「・・・あれがフルス君ってこと?」
「そういうことだ。」
その言葉を聞いて一瞬信じられなかった。何日か前まではただの回復術師だったのがサブクラスと朱雀を持って帰ってきて結界まで使い始めてドラゴン3頭を仲間にしてまた戻ってきた。そこまででも普通は嘘だと思うけど真実なんだよ。更にドラゴンにまでなっちゃった。もうフルス君にできないことはないんじゃないかって思う。
「んんっ...」
「クロノさん?」
「ん...なんだ?傷が治ってやがる...」
「私も。」
「あのドラゴンがやってくれたのか?」
「え、どういうこと?」
あのドラゴン...フルス君が何か魔法を使ったのか負傷者がどんどん元気になっていく、この範囲ってだけでも凄いのに全快してる。
そしてクロノさんは悶えてる、ちょっと気にしないであげよう。
「・・・これは『オーバーヒール』。言ってしまえば『フルヒール』の上位互換ってところかの。」
「それだけ?」
「ルルス殿は聞いたことがあるかも知れんが魔力がなくなると死ぬと言われているだろう?実はあれは仮死状態であり魔力さえ戻れば生き返る。では逆に魔力が限界を越えると...」
「越えると?」
「死ぬ、膨大な魔力に器が耐えきれずに壊れてしまう。それも外傷は全くないにも関わらずにの。つまりあれは癒しすぎてしまい最悪死なせてしまう回復魔法というわけだ。」
「受けたら即死する回復魔法...あれ?じゃあなんで私たちは生きてるの?」
「わしらドラゴン族の魔力の特性上他の種族に魔力を通しやすく更に余剰分の一部が吸収できる。ただし相性、目的によってはそのまま死ぬがの。」
そんな秘密があったとは知らなかった。一時期ドラゴン狩りが流行っていたのはこういうこともあったからかな。
とりあえずこの調子ならスタンピードはどうにかなりそうだけど事後処理は大変になりそう。主にフルス君の対応について。幸い私たち以外にはあのドラゴンがフルス君だとわかっていないからどうにかして誤魔化すしかないか。終わったらフルス君にわがまま一個聞いてもらおう。
今現在1話分余裕ができています!とりあえず平日に1話ずつ出していこうかなと思います。ストックがある程度できたら休日に投稿したり1日2話出すかも?
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