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16.呆れと真相

少し長めで後半シリアス注意

 ギルマスの部屋は二階にあるため向かっている途中


「・・すぐフ・・さ・が来るん・・・ら部・・らい片づ・てくだ・い!」

「・ー!わかって・・ての!だ・・勝手に・・るな!」

「そ・なら自分・・づけ・くだ・い。昨日・・たのに・・してや・・・ったんで・・?」


 ギルドマスタールームから言い合ってる声が聞こえた。途切れ途切れだけどなんとなくどんなことを話してるか予想できる。


「・・・ちょっと待とうか。」

「そうしよう。」



 そんなこんなで待つことにして何回か部屋から何かが崩れる音と一緒に怒号も聞こえた。とりあえず待っている間は暇だったから先に姉さんにスークたちについて話していた。


「でそんなことがあってスークたちが従魔になってバハムたちは今人間の姿ってこと。」

「そう言うことだ。」

「よろしくね。」

「よろしく頼むぞ。」

「・・・フルス君、全部、他の人には、秘密にして。ギルマスだけには言っていいけど絶対漏らしちゃダメ。ドラゴン3頭もいるってなったら絶対街の人は混乱するから、いい?」

「あっはい、わかってる。」


 軽く諭された。言いふらすことはないとはいえいつどこで秘密が漏れるか分からないから安全だと証明するのが一番なんだけど...いい案が思いつかない。それよりまだかかりそうかな?



 あれから15分ほどで姉さんが痺れを切らして扉をノックした。


「すみません、ルルスです。フルス君が来たので言われた通り連れてきました。」

「ぬっ!?・・・もう少し待ってもらえるか。」

「入っていいですよ。」

「デルスィー!?」

「わかりました、失礼します。フルス君入るよ。」

「う、うん。失礼します。」


 まあ意地でも入るよね。あっちは気づいてなかったかもしれないけど25分は待ってたからね。しょうがない。

 ギルドマスタールームに入るとガタイのいい男性と見るからに秘書っぽい女性、・・・そして端の方に積み重なった書類らしきものが目に入った。


「くっかわ...」

「?」


 今なんかボソッと不穏な言葉が...可愛いって僕もう16歳だよ?体は少し細いからゴツいわけじゃないけどさ...ってみんな気づいてない?


「よく来たな、立ち話もなんだし座ってくれ。後ろの3人も。」

「それじゃあお言葉に甘えて...」

「まずは自己紹介といこう。俺はギルマスをしているベルムだ。」

「私はこの(・・)補佐をさせてもらっているデルスィーと言います。」

「さすがにこのって呼ぶのは酷くないか?」

「え?昨日しっかりフルスさんが来る旨を伝えたにもかかわらず部屋の片付けをしなかったり書類整理もしない人は一体どこのギルマスでしょうか。」

「ぐっ...」

「フルス君、これが普通だから大丈夫。」

「えぇ...」


 たいへん仲がよろしいことで...いやいや整理整頓ぐらいはしっかりやろうよ。


「ごほん、まずフルスを呼び出したのには頼みたいことが一つだけあるからだ。」

「・・・その頼みたいこととは?」

「従魔にいた鳥...スークを撫でさせてもらえないか?その間デルスィーと話しておいてほしい。」

「「え?」」

「ベルムは魔物好き...というよりホーンラビットやアイシクルフォックスのような小動物好きでブヤーカさんの話を聞いて触ってみたいようです。」


 何それは、そんなことのために僕呼び出されたの?スークは今なら誰からみても可愛いで済むだろうけど朱雀って知ったら面白いことになりそう。


「スーク?起きてる?」

「んー?なあに?」

「ベルムさんがスークのこと触りたいらしいんだけど大丈夫?」

「それくらいはいいよー。」

「とのことです。」

「本当に喋るんだな...」

「フルスくんと小鳥...最強では?」

「デルスィーさん、私の可愛い弟は渡しません。それより話したいことはあるのでは?」


 ・・・聞き覚えがあるような話。なんだっけ、確か推しについての会話に酷似してるような気が。というかさてはデルスィーさんそういうタイプか。真面目の裏で実はオタクパターンか?・・・可愛いって言われるのはなんかむず痒いけどね...。


「っとそうでした。・・・お2人は『転生者』、『転移者』という言葉は知っていますか?具体的にいえば『転生者』は別世界で死んだ...いわゆる前世の記憶が1人の中にあり記憶が二つある人、『転移者』は別世界から来た人のことを指します。」

「っ!?」

「フルス君?どうしたの?」


 もしかして僕はその『転生者』?存在をもう知られてるのは前例があるんだろう。でもその前例って...


「私はその『転生者』のうちの1人です。で何故そんなことを今言ったかというと端的に言えば人探しです。」

「人探し?」

「1ヶ月ほど前にこの国で召喚の儀が行われ大勢の転移者が現れました。その転移者は『地球』というところから来たらしいです。私はそれを聞いて前世の記憶を思い出しました。その時に一緒に死んでしまった人がいてもしかしたら...ということです。」

「地球...うっ...」

「フルス君...本当に大丈夫?」

「うん、ちょっと頭痛がするだけだから...」


 その名前は知っている。というかそこで前世生きてたから。でもまだ完全に思い出せたわけじゃない、人に関する記憶。ただそれだけが欠けている。


「・・・前世の名前は桐原夏海(きりはらなつみ)、フルスさん、聞き覚えは?」

「桐原...夏海...友達...」


 その言葉でパズルのピースがカチッとはまったような感覚がした。・・・ああ、思い出した。

 桐原夏海、いじめで心が壊れてしまった僕を慰めてくれた実質唯一の友達。ゲームや本、とにかく趣味が合った。中学校で知り合ったにもかかわらず幼馴染みなんじゃないかと言われるくらい仲が良くなった。

 いじめは中学二年生の頃、夏海に詰め寄った男子を注意してから全てが始まった。そこから物がなくなる、仲間外れにされるのような小さなことから。机に盛大に死ねと書かれたりカバンが外に投げられていたりとエスカレートした。

 先生?クズだったよ。男子は何かといちゃもんをつけて怒鳴り散らして女子には下賤な目で見るような奴だった。もちろん何もしてくれず挙げ句の果てには僕が悪者扱い。

 いつのまにか住所と電話番号まで晒されていたずら電話や脅迫の手紙とかも色々来たよ。流石に警察に相談、対処はしてくれるとは言ったけど数が減っただけ。完全に途切れることはなかった。

 確かその時だっけな、自殺しかけたの。カッターで腕切って。すぐ親が見つけてくれたのか一命は取り留めたけど僕はもう何もしたくなかった。そこから僕は不登校になった。

 その後親は学校側に掛け合って話をしに行ったみたいだけど僕はもうどうでもよかった。上辺の謝罪、口止めともとれるお金、何もかも興味がない。でも勉強だけはした。それくらいしかすることがなかったから。皮肉なことに成績だけは良くなった。

 性格は自分でも気付かないうちに変わっていった。誰も受け付けず誰とも関わらない、自分を守ることで手一杯だった。

 中学三年生になり始業式には顔を出した。新しい先生は比にならないくらいとてもいい先生だった。気にかけてくれるだけで少し安心できた。・・・あいつらが同じクラスだと気づくまでは。

 夏海も同じクラスで珍しい三年連続。でも嬉しいという感情はとっくに消えていた。すぐ声をかけてくれたけど無視してしまった。そのすぐ後に懲りずにあいつらが夏海に絡みに行った時、


 最後の最後まで抑えていた理性が切れた。


「なんだ?お前は関係ないだろ?不登校の癖にイキってんじゃねーよ。」

「・・・。」

「**?どうしたの?なんで笑ってるの(・・・・・)?」

「どうしたんだ?頭でもイったか?」


 無言でそいつの鳩尾を殴りつけた。目が笑ってない一番イイ笑顔で。


「グァッ...何するんだお前!」

「頭がイってるのはお前だろ。人の人生壊しておいて嫌がってるのに懲りずに無理矢理女子に詰め寄って。」

「**君!これは」

「先生には関係のないことです。先生は今年にいらしたんでしょう?こいつとの腐れ縁は去年からなので。」

「でもそれは担任として見過ごせません!」


 本当にいい先生だよ、ちゃんと平等に接してくれるしやることはしっかりとやってくれる。この先生が二年生の頃にいたらまともだっただろうね。


「ならしょうがない。おい、いつまで座ってんだ。文句があるんだろう?今日の午後6時公園で会おうか。そこで話を聞いてあげるよ。」

「は?逃げるんじゃねーぞ、そうしたらまた晒すぞ?」

「大丈夫、逃げも隠れもしない。それとも怖い?」

「怖いわけねーだろ!待ってろよ!」

「じゃーね、チキン。」

「**?大丈夫なの?」

「ん?問題ない。再起不能にするだけだから。」

「・・・事情があるのはわかりました。私は証拠でも集めておきます。でも今回だけですからね。」

「先生ありがと、多分また不登校になるけどよろしくお願いします。」


 そこからは早かった。午後6時にゾロゾロと公園に来る奴らを確認。あいつらが殴りかかってくる時に都合良く(・・・・)警察が来て都合良く(・・・・)今までの証拠を持った先生が来て何故か(・・・)僕の持ってたレコーダーが決定的な言質をとっていた。

 結果から言うとあいつらは学校でいじめられるようになった、僕の時よりは酷くないものの大人数に。最終的には転校し行方は知らない。

 そして僕はもう一回不登校になったけど前よりかは気分が楽だった。二週間に一回以上は授業を受けれるし定期テストの時は絶対行くようになった。夏海は学校が終わってからよく家に来るようになった。大半はわからないところを教えてもらって欲しかったみたいだけど。親は夏海を歓迎していてお母さんと夏海だけで話していることも何回かあった。ちなみに何話してたかは教えてもらえなかった。

 何事もなく卒業しそこそこ有名な高校に行くことになった僕は夏海に誘われて一緒に出かけた。お気に入りのゲーセンやショッピングモール、色々回って楽しんでいた...その最中



 トラックが突っ込んできて死んだ。

PV10000突破致しました!

書いてみるとわかるんですけどモチベは本当に大切です。ストックある人ってすごいですね...


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