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8.決闘と追及

会話多め!

 兄さんを〆終わった後ちょうど姉さんが戻ってきて準備ができた旨を伝えて、訓練所に向かった。


「それではワレシュとフルスの決闘を行います。審判は公平性を持たせるため副ギルドマスターにしていただきます。」

「はいよ、それじゃ軽くルール説明といくね。まず命を奪う行為は禁止、相手を戦闘不能、重傷を負うか拘束または気絶させたら勝ちだ。ワレシュが勝ったら今回の違反は厳重注意にするしフルスが勝ったらワレシュに何か好きな要求を1つしていい。程度によるが『一陣の旋風』に対してでもいい。2人ともそれでいいかい?」

「「いい(です)。」」

「それでは...始め!」

「死ねぇぇ!」


 いや殺したらダメでしょ。成り行きでこうなったのは置いといてどうしたもんか。とりあえずしばらく攻撃かわしつつ様子見しとくか。


「よっ、ほっ、っぶね。」

「なんでそんなにかわせるんだよ!Eランクのはずだろ!」

「よっと、そうだね。じゃあ今度は僕から行かせてもらうね。」

「なっ!?消え」

「後ろ。」

「えっグハッ...」

「・・・ワレシュ気絶のため勝者フルス!」


 ふう、対人戦なんて初めてだったけどやっぱり気絶させやすいな。・・・というかワレシュってAランクだったはずだけど手答えがほとんどなかった...。


「お疲れ様!フルス君強くなったねー。」

「どうしてこれでEランクなんだかわかんないよ。」

「A...もしかしたらSぐらいの実力なんじゃないか?」

「ね、あるじ、楽勝だったでしょ?それじゃ僕はもう一回寝るね。」


 こんな風に見られるのは悪くない、久しぶりに褒められた気がする。実力か...半分『黒歴史』だけどあの訓練のおかげかな。そしてスークは僕のフードの中が定位置になってないか?というかワレシュは一向に起きる気配ないな...


「いやーこんなお宝がEランクにいるなんてね。」

「あ、ブヤーカさん審判ありがとうございました。これはフルス君の努力の結果だから。」


 副ギルドマスターであるブヤーカさんは明るい、顔いい、性格よしでとても女性からモテる。けど性格は裏があるとかないとかの噂がちらほら...。得意武器は槍で絶対に相手を近づけさせない立ち回りをする。仮に近づいても槍の柄を巧みに使って払われることがほとんど。近接戦闘は苦手だと本人は言っているが絶体そんなことはないだろって誰もが思っている。ちなみに姉さんに対しての恋心は抱いていないし姉さんもただの副ギルドマスターとして見てるから弟の立ち位置からしたら安心。


「あれだけのことを努力で済ませられるってだけで十分な気もするがね...ワレシュを叩き起こしてもいいんだがフルスはすぐ何か要求をしたい?」

「いや、今すぐじゃなくても大丈夫。」

「それなら一緒に来てもらってもいいかい?ランクのことや色々聞きたいことがある。ルルス達も来てもいいがその場合他言無用に。あの騒ぎで伝わってしまうのはほぼ確実だけど許可なく公開してほしくはない。」

「わかった、みんなはどうする?」

「「「行く。」」」

「満場一致かい。」



「それじゃあまずはランクだけど、Aまで上げさせてもらう。本来ならAランク以上は試験を受けてもらう必要があるけど決闘でAランクに、しかも純粋な実力で勝ったとなれば十分と判断した。」

「・・・え?」


 理解が追いつかない、あの程度(・・・・)でAランクになっていいのか...これは過剰評価だと思うんだけど。


「というのは表向き、本音としては貴重なサブクラス持ちを蔑ろにしたくないから。しかも初めての『テイマー』持ちだろう?Sランクにでも上げたかったけどこれ以上ギルマスでないと処理できない。」

「ちょっと待って、まさかギルマスに話通さずに独断でフルス君をAランクにするんですか!?」

「頑張って説得しとくからフルスは安心しといていいよ。」

「その後始末誰がすると...。」


 いや独断でやるのはまずいのでは?副ギルドマスターだから権限はあるだろうけど事後報告はよろしくない。姉さんに巻き込まれて負担が行ってるってことか...。


「ちゃんと姉さんを休ませてあげてください。」

「あ、ああ。善処するよ...。」


 釘刺したしとりあえずはいいかな。


「でだ。今からいくつか質問するが嫌なら答えなくてもいい。確認だと思ってくれ。」

「あ、はい。」

「まず『一陣の旋風』にいた頃は何をやっていた?」

「基本的に雑用全般とクエストの荷物持ち役。」

「追放を言い渡された時はどんな理由だった?」

「欠陥回復魔法だから。」

「その実力はどうやって身につけた?」

「・・・ひたすらターゲットに向かって空いた時間を全部注ぎ込んで訓練した。」

「それは私も見たけど夜中でもやってたから本当。でもそれだけじゃないと思う。」

「なるほど、『テイマー』を手に入れた経緯は?」

「クエストを受けてあの森に行ってスークを助けた。条件がいくつかあったらしいけど隠しておきます。」

「わかった。そのスークというのはフルスのフードで寝てる鳥のことであってるかい?できればどんな種族とかも聞きたいところだけど。」

「そうです、種族は...わかりません。でもちゃんとした仲間です。」


 朱雀ってことは伏せておこう。もし広まったらスークが誘拐...自力で逃げそう。面倒ごとなのは確か。


「それじゃこれで最後だけど、フルスは『一陣の旋風』のことをどう思っている?」

「ただのA、今はBランクの少し素行の悪いパーティ。」

「フルス君結構言うね...。」

「はい、これで終わり。時間とってすまないね。ランクは明日にでも上げておくからギルドに来てくれ。」

「わかりました。」


 やっと終わった、嫌なこともいくつか思い出しちゃったけど上書きできるくらいには元気になろう。


「し、失礼します!寝かせておいた人が「フルスはどこだ!」と仲間らしき人物2名と暴れています!」

「なんだと!?」

「・・・。」


 なんでこうなったかな。僕へは別にいい、だけど周りに迷惑をかけるのだけは流石に許せない。さて...現実を見せに行こう。そしてこれ以上変なことはさせないようにお灸を据える、元パーティメンバーとしてのけじめとして。

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