深夜の公園で隠れていると。
貴方は大人になったからか、ツマラナイ。
子どもの頃は最後まで見つかるまいと、息を殺しうずくまっていた事を思い出す。見つからず、最後のひとりになる事が大事。
楽しかった。ドキドキがあった。でも今は、
貴方は少し酔っていた。ウツウツ、眠り込んでしまいそうだったのと、鬼に居場所を知らせたく、携帯を開いてサイトを読みつつ暇つぶし。
……、つき明かりはうすらぼんやりと。
雨が近いかもしれない。夏休みの終わり公園に集まった貴方達。懐かしさに包まれ、かくれんぼしようとなった。
小さな頃、集まり遊んだ運動公園。グランドがあり、木々を植え込み人工的なちょっとした林、そこを抜けると遊具があるあそび場で、やろうと盛り上がった。
ルールは隠れ場所は、こじんまりした林の中と、遊び場のみ。じゃんけんで決まった『鬼』が、数を数え始めた。パッと散った貴方達。隠れ場所なんて限られていた。
……、ギョッ と。
貴方が隠れている、コンクリート製の土管の中。
しゃがみ込む覗く存在と視線があった、貴方。
「あのう」
「どうぞ」
「いいの?」
「うん、狭いけど」
誰だっけ?今晩の飲み会には、飛び入り参加のコもいた。思い出す貴方。その内のひとりかな?クスクス笑いながら入る存在の為に貴方は、身をずらし座る場所を作る。
足元に懐中電灯代わりに携帯を立てて置く。
照らされるライトの中、横を見れば。
浮かび上がる、存在の姿。ボブカット、白いワンピース。膝を抱えて座っている。素足のふくらはぎが目に飛び込む。
貴方好みの姿の存在。
土管の中は子どもの頃と比べて、些か狭い。でも、今、この瞬間はその狭さが嬉しいと貴方の中の、トロンとしたモノがそう囁く。
意識をしないようにするので精一杯。お互い触れるか触れないか、すれすれの位置の貴方と入ってきた存在。
「土管の中って、ひんやり」
「うん、そうだね」
「灯りをつけてて大丈夫?」
「早く見つかったら帰れる」
……、はっぱの音がザワザワ。
丸い入口からかすかに聴こえている。
早く鬼に見つかればいいのに、
円の口にチラチラ目をやる、貴方。
………、おに、いると思う?
………、まだ、ここに来てない。
変な会話に、貴方は不安。躰の中で、ドクンと心臓の跳ねた音。
…………、え?ククク。ふぅん。
「ふぅん。来てないんだぁ」
不可思議なセリフ、甘い声。含んだ色香が空間を満たす。
ピトリ 躰を寄せてきた存在。
ふぅぅ 甘い息が貴方の首筋に。
痺れて何もかも分からなくなる、貴方。
「うふふ。」
「何、を?」
貴方は存在に、切れ切れに問いかけた。
「順番に回ってるの」
身をよじり貴方に向かい合う。
首筋に手を回す、絡みつく。
存在、目に力、開く赤い口元。
「ご飯久しぶり、嬉しい、食いだめしとく」
貴方は動く事が出来無い。
貴方は終わりだと思った。
貴方は逃げようと考えた。
………、だ!……け、ど……。
!
「ふう。旨かった。灯りがあるから見つけやすい」
ツギハ オトコ か オンナ か?どちらの姿になろう。
深夜の公園で仲間とかくれんぼ。
携帯で暇つぶしをしながら、まだ
アチラコチラに、貴方達は隠れている。