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猫を手玉にとる女王様

「あーあ…お母様もこんなのに苦戦してたの?」


スリートが、フレイムを倒した後に現れたグレイシャルに聞く。


「…スリート、私の力が妙な呪いで衰えているのは知っているでしょう?確かに、クイーンたちには天敵と呼べる存在かもしれないけど、私たち精霊はある程度の耐性があるから大丈夫なのよ。…そもそもフレイムを倒したのはカティちゃんじゃない。調子に乗らないの!」


「うう…冗談ですよ…お母様…」


「あの…グレイシャルさん…?」


いきなりの事に呆然としているマリィ、ヴェクに代わり、アズラが質問する。


「なぁに、アズラくん?」


「えっと…何が…どうなっているのですか?」


「うん…っと単純に言うとスリートがカティちゃんと契約したのよ」


「そうなの!?カティ?」


「えぇ。今回ここに来た最大の目的がこれよ。魔術祭前のアルバイトで来たときにグレイシャルさんに頼まれたの」


「去年の約束通り山を追い出すので、いいマスターを探していたのですよ。ちなみに紋章授与はつい最近終わりましたのよ」


「じゃあカティ、さっきの魔術は?」


「ん?これよ」


そう言うとカティは右手にはめた水色の指輪を見せる。


「契約のお礼…とでも言いましょうか?氷の発生と制御の能力のある指輪ですの」


「ほんとにいいんですか?」


「えぇ。馬鹿な娘を引き取ってくれたお礼です。好きに使ってくださいな」


「馬鹿じゃないもん!ボク賢いし強いもん!」


「じゃあ今度アズラくんのムスペイルに稽古つけてもらいなさいな」


「誰だか知らないけど余裕だもん!」


「やれやれ…聞き捨てられないこと言う娘だな?」


アクセサリー状態だったレムが猫状態になる。


「えぇ、ごめんなさいムスペイル。…スリート、この方がムスペイルよ」


「こんな猫に負けないわよ!」


「…真名、レンドラーク=ムスペイル、雷属上級精霊。…本気の私ですら一瞬で負けるのに、本当に勝てると?」


「う…」


「まぁいいわ。ムスペイル、世間の厳しさを教えるために、相手してもらってもいいかしら?」


「構わないさ。やるか?グレイシャルの娘」


「あ、あはは…冗談ですよ…お母様」


「わかればいいのです」


「アズラ様?」


さっきまでパニックを起こしていたマリィが、落ち着いたのかアズラに質問する。


「なに?マリィ」


「この人たちは…?」


「そういえば自己紹介がまだでしたね。マリィちゃん、ヴェクくん、はじめまして。私はこの山の精霊、グレイシャル。こっちが今日からカティちゃんの契約精霊で私の娘のスリートよ」


「どうしてオレたちの名前を…?」


「…アズラくんたちと同じことを聞くのですね。私はこの山の代表みたいな存在ですので、毎年学園から一通りの報告を受けているのです」


「そうなんですか…」


「えぇ。そうだカティちゃん、いろいろあってお礼遅れたけど、ありがとう。あの魔物のせいでこの雪山がおかしくなったのよ」


「いえ、お役に立てて光栄です。これで雪山ももとに戻りますね」


「えぇ。じゃあもう疲れただろうし…ムスペイル、送ってあげたら?」


「なんで俺が…?」


「いいじゃない。そんなこと言うのなら、ゆっくり歩いて帰りましょうか?…あなたの昔話でもしながら」


「…相変わらず上手く脅すやつだな…。わかったよ、送るから一度召喚しろ、アズラ」


「うん」




こうして、カティに新しい力が加わったのだった…。

次回から章末イベントです。春休み、卒業式!

関係する人なんていな…いた!

どうなる!?あの二人!

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