全てを凍てつく、氷の少女再び
「《スプラッシュ!》」
炎の魔物、フレイムに対し、相場の水魔術を放つヴェク。しかし、相手に届く前に普通に蒸発してしまった。
「兄貴!どうしよう!?」
「見た感じ、不定形だし…斬れそうにないから…」
ちなみに、斬るのは無駄である。刃は通っても、命を断つ事はできない。
「とりあえず、逃げながら考えよう!」
「はい!」
「うん!」
「雪が減ってる様な気がするのですが…?」
「それなんですけど、最近変な炎の魔物が住みついて…クイーンたちに何とかしてもらおうと試したのですが、どうにも相性が悪く、解決できていない状況なのよ。私も力を使えないし…。…ちょうどいいわ、カティちゃん、迷惑ついでに頼まれてくれない?」
「だめだ…何も思いつかない…」
ずっと逃げているアズラたち。逃げてもどうにもならないと考え、再び正面から向き合う。
アズラたちが止まるやいなや、炎のブレスを辺り一面に吹くフレイム。
なんと、地面で燃え始めた炎が、新しい命を持ち、襲いかかってきた。
「アズラ様!」
「うぅ…どうすれば…」
「ほんっと!だらしないわねぇ!」
聞き覚えのある声と共に、強い雪風が吹く。その風はブレスの炎を半分ほど凍らせた。
「君は…スリート!?」
「そうよ。叫ばなくても聞こえるわ。…カティ、準備はいい?」
「いつでも!」
「じゃあ始めるわね。…フゥーッ」
凍てつく息吹を吐くスリート。残りの火が全て凍りついた。
「!?カティ!?」
その瞬間、カティが颯爽と現れ、フレイムに接近する。しかも素手で。普通なら火傷は免れない。
しかし…
「《凍てつけ!》」
触れるか触れないかくらいの位置に手をかざし、何かを宣言するカティ。手のひらに吹雪が集まり…
「ハッ!」
吹雪が一瞬で放出される。その吹雪は、フレイムを氷の彫像にしてしまった。
「砕いて…終わりっと!」
フレイムは粉々に砕け散った。
「こんなものかしら?」
スリートが鼻が高そうに言う。
とりあえず、雪山の問題は去った…。
内容薄くてごめんなさい…。どうしてもこの時期にやっておかないと、タイミングを逃してしまいますので…。
ちなみに、この章は七話におさまらなくて、八話になってしまいました。ですから、明日で通常編最終話です。